はじめに
平 憲二と申します。1991年に医師になり、主に内科・総合診療の分野で診療に従事して参りました。病院や診療所での診療業務において、大事な仕事のひとつに、患者さんから正確な情報をお聞きするという仕事があります。そこにフォーカスした活動を展開しています。
現在注力しているのは、患者さんの服用した市販薬の成分を確認するための『クスリ早見帖』の制作と、全国の医療現場に届けるためのチャレンジです。
今回のプロジェクトで実現したいこと
市販薬データ集『クスリ早見帖』を薬局に無償提供するために、必要な冊数を最初に調べます。そして、その冊数を目標に増刷できるようチャレンジします。必要冊数が現時点では不明なため、発行冊数を最低単位の千冊とし、今回は目標額を設定しました。
『クスリ早見帖』は、元々、病院や診療所の診察室での利用を想定し、患者さんと医師との会話を支えるコミュニケーションツールとして制作しましたが、同様の仕事は、患者-薬剤師間でも必要になりますので、薬局にも無償提供できるようにしたいと思います。
このマンガは医師と患者さんの例を使っていますが、次のように使います。
このような現場を、日本全国の薬局にも広げたいため、今回のプロジェクトを実現したいと思います。
プロジェクトをやろうと思った理由
市販薬が多様化し、新しい成分や新しい配合での市販薬がどんどん市場に出回っていますが、医療現場にはその情報がうまく届いていません。
例えば、市販薬にはテレビコマーシャルで有名なブランドがたくさんあり、新製品も毎年発売されています。その製品名には、ブランド名を先頭にゴールドやプレミアムなどのカタカナ名が加わり、最後にはAやEXなどのアルファベットが追加されたものなど、とても複雑になっています。
そのため、市販薬には類似の名前の製品が多くあり、製品ごとに中身の成分には違いがあるのですが、成分が違うということは、効果や副作用にも違いがあるということになります。従って、製品のひとつひとつを区別できるよう、医療現場では確認する必要があるのです。
上のイラストであるように、患者さんはブランド名でよく覚えておられます。しかし製品のフルネームとなると覚えていないことが多いです。そんな時に『クスリ早見帖』を見ていただきます。
【出典】クスリ早見帖2016年版 p25-6 著者/出版:プラメドプラス
この冊子を開き、市販薬の写真をざっと見渡して、患者さんは「コレをのんできた」と指さし、その写真の左に書いてある医薬品の成分と分量を、医師や薬剤師がチェックする、というようなことを簡単・便利にできるようデザインしたのが『クスリ早見帖』です。
そして、QRコードからは、製品別のWEBサイトにアクセスでき、より詳細な市販薬情報にもリーチできる冊子となっています。
ひとつ例をあげると、昨今ニュースでも取り上げられましたので、ご存知の方も多いと思いますが、市販薬の乱用・依存が社会問題になっています。最近では、2019年8月に厚生労働省から医療現場向けにアナウンスが出されました。
しかし、医療現場に市販薬の情報は届いていないのです。患者さんにも医療従事者にも大事な情報なので、多くの医療現場に市販薬の情報源を配置し、診療に役立ててもらいたい。そのような思いがあり、市販薬の情報を集めた『クスリ早見帖』を、無償で全国の医療現場に配布することを継続しています。
これまでの活動
2008年に準備に取りかかりました。最初の3年間は医師と一般の方へのインターネット調査で、市販薬のどの情報が必要か、どのような見せ方がよいか、などについて調べました。
2010年からの4年間で、現在の市販薬データ集のテスト版『OTC医薬品データブック』を制作し、一部の医師や薬剤師に実際に使ってもらいました。そのフィードバックをもとに、2014年1月に医療現場向けの市販薬データ集『クスリ早見帖』を創刊しました。
そして、年1回のペースでクスリ早見帖の新作を発表し、7号まで発行してきました。今回発行したクスリ早見帖2019年版(7号)を初刷で5,000冊発行し、シリーズ累計が10万冊を超えました。
資金の使い道
・調査費用:約8万円(都道府県薬剤師会アンケート)
・増刷費用:約30万円~(クスリ早見帖2019年版:2019年8月に初刷発行済み)
・配送費用:約5万円(増刷分を薬剤師会へ)
・配送費用:約7万円(リターン品送料)
【支出合計】約50万円(目標額40万円の他に自己資金10万円を用意します)
薬局への無償提供を目的に、『クスリ早見帖2019年版』を増刷し、全国の薬局に配布したいと思います。しかし、薬局の数はたいへん多く、どのくらい冊数があれば足りるのか見当もつきません。
そのため、まずは全国47の都道府県薬剤師会にアンケート用紙を郵送し、何冊くらいあれば足りるのか調べます。また、薬局ごとに冊子を配送しますと、配送にかかる費用が相当かかりますので、都道府県別の薬剤師会から会員薬局に配送される定期刊行物に、同封いただけないかなどもお尋ねし、できるだけ配送コストを抑えるよう、模索いたします。
従いまして、本プロジェクトでは最初にアンケートを行い、その結果から得られた必要冊数を目標に増刷するというような計画です。なお、必要冊数を満たすだけの資金が得られない場合、各薬剤師会からの回答内容をもとに按分し、増刷できた分のすべてを薬局に配布するようにいたします。
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、パトロンの皆様にはリターンをお届けし、都道府県薬剤師会へのアンケートも実行します。
目標額に到達した場合、最低1,000冊を発行いたしますが、目標額を超過した場合はその資金を更なる増刷に使わせていただきます。また、目標額に満たなかった場合は、将来のクスリ早見帖の印刷・製本に使わせていただくようにいたします。なお、自己資金として10万円を用意しましたが、このお金は過去のクスリ早見帖データをまとめるなどして出版した書籍の印税などです。
リターンについて
ご支援いただいた皆様には、今回増刷を目指す『クスリ早見帖2019年版』をリターン品として、ご用意いたしました。10万冊突破の記念となった初刷の冊子をお届けします
表紙(表)は、病棟のベッドサイドでクスリ早見帖を使ったコミュニケーションのイラストで、表紙(裏)は2013年10月22日に、『クスリ早見帖』のために故・日野原重明先生から頂戴した書です。
◆目的◆
医療現場での利用を想定し、患者の服用した医薬品の成分特定
◆市販薬カテゴリー◆
かぜ薬 / 解熱鎮痛薬 / 外用鎮痛・消炎薬 / 口内炎用薬 / 口腔咽喉内服薬 / 口腔咽喉外用薬 / 含嗽薬 / 口唇用薬 / 鼻炎用点鼻薬 / 点眼薬 / 皮膚用薬 / うおのめ・たこ・いぼ用薬 / 水虫・たむし用薬 / 痔疾用薬
◆特長◆
・表紙は「PP加工」で、汚れにくく丈夫
・掲載している市販薬製品すべてを「パッと見」できる、見開き2ページの目次
・「製品別にQRコード掲載」。QRコードから添付文書などにアクセス!
・分量は「1回量に統一」。外箱/容器/剤形の写真、用法、成分などを掲載
◆版型/頁数◆
A4判 (21.0×29.7×0.2cm) / 36頁(表紙を含む)
◆掲載製品◆
118品目(ヴイックス ヴェポラッブ / エスタックイブファインEX / 新コンタックかぜ総合 / 新ジキニン顆粒 / ストナジェルサイナス / パイロンPL顆粒 / パブロンゴールドA<微粒> / パブロンSゴールドW錠 / パブロンSα〈錠〉 / パブロンエースPro錠 / プレコール持続性カプセル / ベンザブロックL / ベンザブロックLプラス / ベンザブロックS / ベンザブロックSプラス / 新ルル-A錠s / 新ルルAゴールドs / 新ルルAゴールドDX / ルルアタックEX / ルルアタックTR / イブA錠 / イブA錠EX / イブクイック頭痛薬 / イブクイック頭痛薬DX / ロキソプロフェン錠「クニヒロ」 / 新セデス錠 / セデス・ハイ / ナロン顆粒 / ナロンエースT / ノーシン / ノーシンピュア / バファリンA / バファリンライト / バファリンプレミアム / バファリンルナi / リングルアイビー / リングルアイビーα200 / ロキソニンS / ロキソニンSプラス / ロキソニンSプレミアム / ニューアンメルツヨコヨコA / サロメチールジクロゲル / サロンパス / サロンパスAe / のびのびサロンシップF / パテックス うすぴたシップ / バンテリンコーワ液EX / バンテリンコーワパットEX / フェイタス5.0 / フェイタスZαジクサス / ボルタレンEXテープ / ロイヒつぼ膏 / ロキソニンSテープ / 口内炎軟膏大正クイックケア / 口内炎パッチ大正A / トラフル ダイレクト / トラフル軟膏PROクイック / 大正口内炎チュアブル錠 / トラフル錠 / ハレナース / ペラックT錠 / のどぬーるスプレー EXクール / のどぬーるスプレーB / パープルショット / イソジンうがい薬 / ケンエーうがい薬S / 新コルゲンコーワうがいぐすり / 新コルゲンコーワうがいぐすり「ワンプッシュ」 / 明治うがい薬 / メンソレータム メディカルリップnc / モアリップN / ロートアルガードクリアノーズ 季節性アレルギー専用 / エージーノーズアレルカットC / エージーノーズアレルカットM / エージーノーズアレルカットS / エージーアレルカットEXc<季節性アレルギー専用> / ナザール「スプレー」 / ナザールαAR0.1%<季節性アレルギー専用> / パブロン点鼻 / パブロン鼻炎アタックJL<季節性アレルギー専用> / サンテ ボーティエ / サンテFXVプラス / サンテFXネオ / サンテメディカル12 / サンテメディカルアクティブ / スマイル40 プレミアム / ソフトサンティア / ノアールCL / Vロート アクティブプレミアム / Vロートプレミアム / オロナインH軟膏 / キンカン / フェミニーナ軟膏S / フルコートf / プレバリンαクリーム / ペアアクネクリームW / マキロンs / 液体ムヒS2a / メンソレータムADクリームm / ユースキンAa / イボコロリ / イボコロリ絆創膏ワンタッチS / スピール膏ワンタッチEX / ダマリンL / ダマリングランデX / ピロエースW液 / ピロエースZ液 / ブテナロックVαクリーム / メンソレータム エクシブWきわケアジェル / メンソレータム エクシブWディープ10クリーム / メンソレータム エクシブW液 / ラミシールATクリーム / ラミシールプラスクリーム / オシリア / プリザS坐剤 / プリザエース坐剤T / ボラギノールA注入軟膏 / ボラギノールM坐剤)
実施スケジュール
2019年9月20日:都道府県薬剤師会アンケートの集計結果から必要冊数を報告
2019年9月26日:本クラウドファンディング終了
2019年10月上旬:リターン品の発送
2019年10月上旬:発注部数の調整期間(期間延長する場合はお知らせします)
2019年10月中旬:発注部数確定後、印刷会社に発注
2019年10月下旬:印刷・製本完了
2019年10月下旬:都道府県薬剤師会へのクスリ早見帖2019年版発送
最後に
市販薬の情報は、患者さんにも医療従事者にも大事な情報です。多くの病院や診療所、薬局に市販薬の情報源を置いていただき、日々の仕事で役立ててもらいたいと思い、長年継続している活動です。
是非ともご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
なお、本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見る【ご案内】クスリ早見帖の活動報告を更新しました
2020/06/03 10:50昨年のプロジェクトではたいへんお世話になりました。 おかげさまで、その後も活動を継続でき、クスリ早見帖で集積したデータを病院・診療所・薬局向けに提供するWEBサイト「市販薬アップデート」を公開したり、配布対象を病院・診療所だけでなく、一部の都道府県の薬局に拡充したりするなど、少しづつではありますが、前進することができました。 そして、新型コロナウイルス感染症の影響の中、先月まではほぼ休業状態でしたが、2020年も走り続けるべく、活動を再開いたしました。 これまでの活動内容と2020年の計画をまとめた活動報告を下記サイトにまとめましたので、よろしければご覧ください。活動報告→ https://www.plamedplus.co.jp/development/20200518r.html市販薬アップデート→ https://www.plamedplus.co.jp/otc/ 私どもの過去の活動内容などは、下記のクスリ早見帖のTwitterやFacebookページでご覧いただけます。そして、事業活動に共感いただけましたら、是非とも「いいね!」をお願いいたします。クスリ早見帖Twitterクスリ早見帖Facebookページ 引き続き、頑張ります。ご支援よろしくお願いいたします。株式会社プラメドプラス代表取締役 平 憲二(医師) もっと見る
【続報】全国の薬局にクスリ早見帖を送るとしたら
2019/10/11 11:58前回の活動報告のあと、日本薬剤師会にご相談しまして、「医薬情報おまとめ便サービス」でクスリ早見帖を全国の薬局にお届けするとした場合、どのくらいの費用がかかるか見積額を出してみました。 ・医薬情報おまとめ便費用:350万円 ・クスリ早見帖の印刷費用:300万円 ・消費税(10%) :65万円 ______________________________________ 合計:715万円 715万円、、、今のところ財源的にはお手上げです。 気を取り直して、冷静にみてみますと、全国の薬局を対象にすると、単価は増刷費用より配送費用のほうが高くなります。印刷は多く刷れば刷るほど単価は下がりますが、配送はそれほど下がらないです。 クラウドファンディングで資金調達するにしても、今のまま再チャレンジしても資金は不足すると思われますので、コスト圧縮と資金調達の両方から、再調整する必要がありそうです。 コスト圧縮については、良い方法をすぐには思いつきません。資金調達については、クラウドファンディングに協力いただける方々を増やすなど、努力する余地あり、と考えています。 今回の資金調達では、おかげさまで、都道府県薬剤師会アンケートの調査費用をまかなうことができました。ご支援ありがとうございました。しかし、クスリ早見帖の増刷の分については、今回の資金調達ではまかなうことができませんでした。残念ではありますが、今回のタイミングでの増刷については見送りとさせていただきます。 なお、クスリ早見帖2019年版の増刷は現時点では見送りますが、2019年版(初版の在庫分) のほか、クスリ早見帖2017年版と2018年版の在庫がありますので、都道府県薬剤師会のご要望に応じて、配布していきたいと考えています。 今回の結果をふまえ、引き続き、市販薬データ集「クスリ早見帖」を全国の医療現場に届けられるよう尽力しつづけて参ります。 私どもの過去の活動内容などは、下記のクスリ早見帖のFacebookページでご覧いただけます。そして、事業活動に共感いただけましたら、是非とも「いいね!」をお願いいたします。クスリ早見帖Facebookページ引き続き、頑張ります。ご支援よろしくお願いいたします。株式会社プラメドプラス代表取締役 平 憲二(医師) もっと見る
全国の薬局にクスリ早見帖を送るとしたら
2019/09/24 11:45アンケートをすると、いろいろと新しい視点をいただいたり、よりよいご提案をいただけることがあるので、とても有意義です。今回実施した都道府県薬剤師会アンケートでも、よりよいご提案をいただきました。ある都道府県薬剤師から、全国の薬局に毎月郵送している「医薬情報おまとめ便サービス」があるので、日本薬剤師会に問い合わせて、そちらも検討してみてはどうか、というアドバイスをいただきました。「医薬情報おまとめ便サービス」の詳細は下記です。医薬情報おまとめ便サービスご利用料金都道府県別ではなく、全国の薬局に郵送するという方法になりますが、郵送のための薬局1か所ごとのコストは最も安くできるかもしれません。そして、全国の薬局に送付するためには、クスリ早見帖が56,000冊ほど必要となることがわかりました。クスリ早見帖を最も多く印刷した年で2万冊なので、経験のない規模です。実現できたらスゴイことです。財源については、今回のクラウドファンディングで目標達成できたとしても、「56,000冊の増刷+医薬情報おまとめ便サービス利用料」にはまったく届きません。財源の問題が大きく立ちはだかることになります。とはいえ、全国の薬局にクスリ早見帖を発送することで、現場で患者さんの服用した市販薬の特定業務のお供になるような存在になれば、処方薬と市販薬の飲み合わせのチェックや、お薬手帳への市販薬情報の記載などの支援ツールになりえるので、いろいろとクスリ早見帖が役に立つ機会も増えるのではないかと期待が高まります。たいへん魅力のあるアドバイスです。早速、日本薬剤師会にも相談してみることにいたします。私どもの過去の活動内容などは、下記のクスリ早見帖のFacebookページでご覧いただけます。そして、事業活動に共感いただけましたら、是非とも「いいね!」をお願いいたします。クスリ早見帖Facebookページ引き続き、頑張ります。ご支援よろしくお願いいたします。株式会社プラメドプラス代表取締役 平 憲二(医師) もっと見る
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