2017/07/11 23:16

先日、工房に子ども記者とお邪魔して、色時計の文字盤が土の塊から"生み出される”様子を見学させていただきました。最初から最後までしっかりと録画し、浅田氏に「公開してもええよ」と許可もいただきましたが、うーん、これを公開するのは…。


例えば、私も自転車のホイールにフィッティングするカバーを作ることに心血を注ぎ続けてきました。構造はさほど難しくありませんが、口では説明できないノウハウがそこかしこにあって、こればかりは、家内にも非公開。2代目(息子)にも実は教えず、これから何年か先に思いっきり悩ませようと考えているぐらいです。

正直、今回の文字盤作りでも、大きな動きの合間合間に、「?」な工程があり、でも、絶対にこの工程がノウハウであり、出来栄えに影響しているんやろうな、ということがわかる部分があって。そんな動画をすべて公開するのは、いくらプロジェクトであっても、私には出来ないな、と感じました。

という訳で、全行程ではなく一部公開となる訳ですが、これは私も子ども記者ももっとも感動した箇所でした。そう、【円を抜く】という部分ですね。円を抜くというのは、私自身もカバーを作る上で長年悩み続けた工程。平な刃では、どうしても円を切っていると外に刃が逃げていくこともあり、綺麗に円を抜くというのは実はすごく難しい。またまた私事ではありますが、いまだにカバーホイール工房MCWで円を抜くのに使っている冶具は非公開となっています。
話が脱線しまくりますが、どうしても、自分の仕事と比較してしまう。次元が違えども、ものづくりを仕事とする自分にとっては、本当に夢のような時間でした。

さて、子ども記者君も、夜遅くまで頑張って撮影してくれましたが、その様子を感想文にしてくれました。

「京がわらの時計作りを見にいきました。そして時計作りを見ていると、見ているほうもあつくなってきて、集中力がとぎれとぎれになっても、あさださんはすごく集中しているのですごくふしぎに思いました。けど瓦の土が時計の形になっていくのをみて、パズルを見ているようで、すごいと思いました。」

ちょっと進歩してきたかな?瓦のこと、伏見のこと、京都のこと、最近は言われなくても、グーグル先生とお勉強している彼を見ていると、プロジェクトの効果は少しずつではあるものの、確実に出てきているな、と感じました。