これまでにご支援くださいました皆さまのおかげで、ようやくここまで辿り着くことが
できました。改めて皆さまに感謝申し上げます。
嬉しいことに、日本映画界を代表する監督の方々から賛辞をいただくことができました
ので、ここに紹介させていただきます。
阪本順治 監督
思春期の頃、この映画に登場するこどもたちと同じ境遇の級友たちがいた。
あるとき、私の言動がもとで、級友たちに弾劾され、私はレイシストなんだと
気づかされた。この作品を観たときに、その記憶が蘇り、背筋がぞっとした。
いまも残る風景。こどもたちは、こどもたちだけで、気づいていく。
周りのおとなたちは、こどもたちが気づいたことにすら気づかない。
が、この“かば”せんせいたちは、そんなこどもたちの気づきの場に立ち会いたい、
かかわりたいと想う。
そして、いつのまにか、こどもたちに心動かされる。
テーマはそこへと収斂していき、おとなたちの願望でこどもたちをえがく一方的な
教育映画とは一線を画す。
『かば』は、社会的でありながら、笑えて、涙して、捻れや断絶に打ち克っていく
その道行きが絶妙で、とても映像的で、美しい。
みんな、観ないと!
原一男 監督
腐敗してクソまみれの世の中で押し潰されそうになりながらも奮闘して生きている、
実在のかば先生たちや中学生たちに対して、作り手の優しく、かつ慈愛に満ちた
眼差しに触れて、私は幾度も涙を流してしまった。
孫のような世代の作り手に対して失望感を抱いていた私だったが、この作品を観て
もう一度、彼らに希望を託してみようと思い直すことができた。
この優しさこそが、狂ったニッポンを立て直す必須の条件だからだ。
瀬々敬久 監督
笑った。そしてパワフル。全員が主役の映画だ。
西成区と大正区、木津川を挟んで在日や沖縄の人が多い土地。
丹念に描かれた風景と生活が全員を主役に押し上げる。かといって常に中心にいる
わけでもない。他者を前にして脇にも回る。
現実がそうなのだ。主役中心の世界なんてない。
この映画のように、人は人を支えて生きている。
井筒和幸 監督
初めて大阪を、大人やこどもを丸裸にした映画か。