「小松原窯」15代目朴 平意と申します。
今回、CAMPFIRE様のクラウドファンディングを利用させていただいて、
早、1週間経過しました。
25%を超える支援をいただき、とても驚いている次第であります。
インターネットはすごいんですね。色んな方から応援の連絡が来ています。
これも、皆様のご支援のおかげだと、心よりお礼を申し上げます。
(「写真は慣れないですね。」と照れる朴先生)
このプロジェクトを見ていただいた方の中では、もしかしたら
「なぜ、ぐい呑み、お茶碗がこんなに高いの?」
「何がどうすごいのかわからない・・・?」
なんて方もいらっしゃることだと思います。
今回、私の方より「小松原窯」についてご説明させていただければと思います。
小松原窯
小松原窯は薩摩苗代川系の流れを汲み、これまで400年間、朴家伝統の「蛇蝎」「叩き」「鮫肌」「鈍甲」などの技法があり、研究された釉薬(ゆうやく)の使い方に特徴があります。
これらは、茶碗の中でも歴史的価値の高い高麗茶碗の特徴です。
【蛇蝎(だかつ)】
蛇や蠍(さそり)のウロコ肌に似た柄を「蛇蝎」といいます。
白い釉薬(ゆうやく)の縮れにより、表面に細やかな割れを与えるのが特徴です。
【梅華皮(かいらぎ)】
刀剣の柄に巻くエイの皮を「梅華皮(かいらぎ)」と言い、
焼き付けられた状態が粒状、縮れ状になっているのが特徴です。
【鈍甲(どんこ)】
どんことは南九州の方言で、カエルの意味です。
ガマガエルのような肌に似た独特の表情をしたものを「鈍甲」といいます。
【天目(てんもく)】
鉄釉のかかった茶碗を「天目」といい、
天目の茶碗は中の茶の保温に優れたものとして、茶道を愛好するものに好まれています。
最後に
小松原窯は、釉薬の研究によって作り出される、独特の肌質に特徴があります。
また、近年はあえて釉薬を使わない「焼きしめ」の技法も取り入れています。
気候や釉薬の量、微妙な火加減や灰の飛び方でさまざまな表情が生まれますが、
焼きの最中に窯の中で何が起こっているかは、わからない想像の世界です。
窯の中で、作品たちが一気に表情を変える「窯変(ようへん)」が、
作品作りの魅力であり、また、大変な部分でもあります。
350個焼いても納得のいくものは、10個程度しかありません。
数カ月かけてようやく1つの作品を作り上げることもあります。
同じものが作ることができない、世界にたった一つの作品だということが魅力です。
400年の歴史の中で、先祖たちが創意工夫を重ねてきたのですから、
これからも守り続けなくてはなりません。
私は、跡継ぎがいません。
しかし、私が出来る限り、動ける限り、作り続けます。
これからも、日本全国、世界各国に「小松原窯」の良さを知っていただき、
皆様のお手元に届けられることができたら、職人冥利に尽きます。
今後とも応援いただけますと幸いです。
小松原窯 15代目 朴 平意