神戸港開港が1868年。そこから多くの西洋文化が持ち込まれました。そのため、神戸発祥と言われるものがたくさんあります。例えば、サッカー、マッチの工業化、テーラー、ラムネ、洋家具、ゴム製造、ウスターソース、靴の製造、映画の興行、ジャズなどなど。コーヒーもそのひとつで、1874(明治7)年に神戸元町の茶屋「放香堂」がコーヒー豆を輸入し、「焦製飲料コフィー」として飲用と粉末の販売を始めたそうです。
その1で紹介した「北の椅子と」のカフェでは、とてもおいしいコーヒーが飲めます。それは場の雰囲気やコミュニティによる居心地の良さのおかげ、というのはもちろんですが「スペシャルティーコーヒー」と呼ばれるこだわりの豆を使用していることも理由のひとつに挙げられます。
↑スペシャルティーコーヒーの豆は、粒がきれいで色艶があり、いい香りが漂います
スペシャルティーコーヒーとは、飲む人がおいしいと評価して満足するコーヒーのこと。コーヒーにおける「おいしさ」の評価は、「印象的な風味特性があり、爽やかな明るい酸味特性があり、持続するコーヒー感が甘さの感覚で消えていく」というものとされています。この「おいしさ」を得るためには、コーヒー豆の生産からカップに注ぎ込むまでのすべての工程で品質管理が徹底される必要があります。
「北の椅子と」では、そんなこだわりのコーヒー豆を使用しています。そして、このコーヒー豆を提供しているのが神戸市兵庫区で生豆卸・焙煎販売をしているマツモトコーヒーなのです。
マツモトコーヒーは、1993年に創業され、それ以来、コーヒーの品質に強いこだわりをもっています。本当においしいと感じるコーヒーを安定して日常に届けたいという思いから、生産国へ足を運び、高品質なコーヒー生豆の買い付けを始めたそうです。
↑エチオピアのグジにあるコーヒー農園の様子
↑エチオピアナチュラルコーヒー「ホワイトナイル」のコーヒーチェリー
コーヒー豆は、コーヒーチェリーの種を取り出し、それを焙煎したものです。コーヒーチェリーの品質、コーヒーチェリーから種を取り出す精製方法、コンテナ輸送、そして焙煎という工程を経て消費者にコーヒー豆が届きます。おいしいコーヒーを消費者に届けるためには、この橋渡しに関わるすべての人が同じ意識で作業に取り組むチームワークが必要で、マツモトコーヒーはその重要な歯車のひとつとして日々活動されています。マルナカ工作所も、六甲山材を活用するための木工ネットワークの重要な歯車になりたいと思っています。
↑マツモトコーヒーの役割を示すダイアグラム
↑ホンジュラス「ミゲルエンジェル」の澄んだ水による精製の様子
ちなみに、クラウドファンディング「港町神戸の舟工房を継承し六甲山の木でモノづくりができる拠点を作りたい!」を立ち上げた際のキックオフ会でみなさんに飲んでいただいたコーヒーもマツモトコーヒーのコーヒー豆を使用していました。
マツモトコーヒー
http://www.matsumotocoffee.com
※ *印以外の写真はマツモトコーヒーHPからの転載です