11/23中野宏典弁護士講演会にご参加ありがとうございました。
市民の会会員ではない方のご参加も多く、老朽原発や原発裁判に関心を持ってくださっていることを心強く思いました。
写真は、お話の中の「司法審査の在り方−疑わしきは安全のために」の図です。これは、法廷でも中野弁護士がプレゼンを行った主張ですが、今の科学では安全か危険かよくわからない部分について、規制をしなくてもいいことにしてしまうと、「本当は危険なのに、危険ではないとしてしまう判断ミス」が生じる可能性があります。一方、よくわからないから規制をしようということにすると、「本当は安全なのに安全ではないとしてしまう判断ミス」の可能性が。どちらのミスを防ぐかが問題となります。
原発の場合、規制なしにしてしまい事故が起きれば人命にかかわります。規制をして本当は安全なのに原発が動かせないことになると事業者の不利益となります。どちらを守るか。この時にはっきり人命を守るとしたのが樋口判決・決定(*)です。(*樋口英明裁判長による2014.5.21大飯原発3,4号機運転差止福井地裁判決、2015.4.14高浜3,4号機運転差止仮処分福井地裁決定)
これは「科学」の話ではなく、「価値」判断だということ、難しいことではなく常識的な判断だということを踏まえておきましょうとのお話で、難しそうと思われがちな原発裁判の印象を少しは変えていただけたのではないかと思います。
そのほか、「社会通念」問題、老朽原発訴訟の争点、海外視察で体感した世界のエネルギー革命のことなど、難しくならないようにと中野弁護士が準備した講演はわかりやすかったとご好評をいただけました。参加者からの質問、意見、要望もたくさん出て、充実した講演会となりました。
また、中野弁護士のお話を聞き感銘を受けたと、クラウドファンディングにお申し込みもあり、こちらこそ感激しました!
講演録画を公開いたしましたので、ぜひご覧いただければと思います。(中野弁護士の希望で一部映像をカットしておりますがご了承ください。)
なお、今回のご報告タイトルの「ぼくは抱きしめる、福島の苦痛を」ですが、講演会資料としてお配りした中野弁護士が原発訴訟に携わる思いを書いた寄稿のタイトルです。こちらもぜひご覧ください。
女のしんぶん 2017.10.10
「ぼくは抱きしめる、福島の苦痛を」 弁護士 中野宏典
そして、今回の講演会は、映画「40年 紅どうだん咲く村で」の岡崎まゆみ監督も参加してくださって、少しですが映画のお話もしていただきました。
この映画は、当訴訟の原告でもいらっしゃる美浜町の松下照幸さんが、原発立地地元で孤軍奮闘してきた40年の軌跡を伝えるドキュメンタリーです。
<松下照幸さんの意見陳述書>
今年の夏に大阪で公開され、その次が名古屋で12/4(水)~12/6(金)3日間限定上映となりました!
映画の中では、関電原子力事業本部(美浜町に所在)は一般社員も含めて、行政と密接な関係であることがわかるシーンも登場するそうです。
上映最終日の12/6(金)には、岡崎監督と松下照幸さんの舞台挨拶が予定されています。
こちらもどうぞお見逃しなく!
名古屋シネマテーク
「40年 紅どうだん咲く村で」
2019年12/4(水)~12/6(金)16:00
当日券のみ
一 般 1500円
大学生 1400円
中高予 1000円
シニア 1200円
会 員 1300円
学生・シニア会員 1000円
これからの老朽原発延長認可取り消し訴訟の日程
傍聴をよろしくお願いいたします。
2020年1月22日(水)
13:30~高浜1.2号機 第14回口頭弁論
15:30~美浜3号機 第12回口頭弁論
2020年5月7日(木)
13:30~高浜1.2号機 第15回口頭弁論
15:30~美浜3号機 第13回口頭弁論
2020年8月27日(木)
13:30~高浜1.2号機 第16回口頭弁論
15:30〜美浜3号機 第14回口頭弁論