「どげんかせんといかん日本の慢性痛医療」、エヴァンジェリストの江原です。活動報告では、NPOスタッフの日々の活動やどげんかせんといかん日本の慢性痛医療の準備状況などについてお知らせしていきます。本日はお金の話です。私は医療機関で痛みの方のリハビリの仕事をしています。皆さん改善するために一生懸命に通われ治療を受けたり、そして自宅でもリハビリの運動したりしています。私にとっては、患者さんが通院してくることは当たり前のように見える光景です。「患者さんの目標を達成するために、できるだけ成果を出そう。患者さんも病院に来てくれるんだから」と臨床では常に考えていました。そんな私がとても衝撃を受けた患者さんの話があります。病院や治療院に通院して治療を受けるのはただではありません。それなりのお金・治療費がかかります。治療費、薬代、手術代、その他にも通院の交通費や入院代、介助の方の交通費等もかかります。場合によっては結構な額になります。慢性疼痛は『このくらいだったら何とか仕事もできている』という腰痛や肩こりレベルの痛みもあれば、『お願いだからできることなら手足を切り落としてほしい』と訴えるほどの神経障害性疼痛と言われる難治性の痛みの方まで幅広いのです。ひどい腰痛では手術のために入院に至ったりもします。神経障害性疼痛に注目すると、その治療は長期間にわたることが多く、心身共に疲弊する方もいます。慢性痛治療にもお金がかかります・・・その疲弊には経済面も関係する場合があります。先ほど申し上げた通り、治療にはお金がかかります。痛み止めより高い治療薬、注射、集中治療。貯金を切り崩して、治療にこられている方もいると聞いたときに、一回一回のリハビリも本当に真剣に向き合わなければいけないと感じました。昼間の仕事の他に、夜の仕事で生計を立てている方も・・・さらに驚いたのが、治療費が賄えないため、本来の仕事の他に夜の仕事をして、生活と治療を両立させている方もいるということです。痛みがあれば治せばいい、と思いかもしれません。神経の慢性疼痛はそんな簡単にはいかないのです。治らなくても痛みを軽くして、今の生活を維持するには治療が必要。しかし長い治療のなかで、経済面の理由で通院を諦めてしまう方もいるんです。このような声を社会に届けるのがどげんかせんといかん日本の慢性痛治療 疼痛ゼロの日2019です。これまでも多くの患者当事者、そのご家族が参加されています。皆さんの声を国政へ届けたり、制度を変える働きを、主催者は続けてきました。是非、痛みに苦しむ方、痛みのない皆さんも医療者と一緒に会を成功させましょう。よろしくお願いいたします!『どげんかせんといかん』クラウドファンディングサイト『どげんかせんといかん日本の慢性痛医療』特設サイト(一般・医療職向け)サテライトイベント『私たちは痛みの最前線にいる』(リハビリ職向け)
NPO法人ペイン・ヘルスケア・ネットワーク、代表理事の江原です。活動報告では、NPOスタッフの日々の活動やどげんかせんといかん日本の慢性痛医療の準備状況などについてお知らせしていきます。本日は私たちの活動テーマの一つである『まだ痛くない人が「治らない痛み」を知らない』によって起こる社会の壁にについてお話ししたいと思います。 職務質問受けた、ショックだったふらふらしてたからというけども・・・それは患者さんの一言から始まりました。「とんでもないことが起こったよ。おれ昨日職質された…。」みなさんお分かりの通り、職質とは警察官による職務質問。何かこの人怪しいと思った時に、犯罪を未然に防ぐものです。「どういうことですか?夜に歩いてたんですか?」なぜ、普通に暮らしている慢性疼痛患者さんが職務質問されたのでしょうか?薬物常用者??警察官は、ふらふら歩いている患者さんをみて、薬物を使用しているかと考えたようです。すぐに応援要請がかかり、警察官が集まってしまいました。そしてその場で薬物をチェックする検査を受けたそうです。「あんなに検査するんだな。ショックだったよ」首を痛めて腕が不自由であり全身に痛みがあるため、歩行にも影響がありました。もちろん、痛みから来る二次的な症状であることは私たちは理解しています。痛みによるその他の症状が理解されてない患者さんは、障害者手帳も見せ痛くてこのようになっていると説明したそうです。ただ、腕のことが書いてあるだけでふらふらする原因については手帳に書いてありませんでした。そこを説明しても警察官には伝わらず、薬物を使用しているのではと疑ったようです。治らない痛みを取り巻く環境・社会私は、今後このようなことが少しでも減るように、患者さんにこんな提案をしました。市役所・公共施設等でもらえます「こんなものがあるのか、さっそく役所寄ってみるよ」見た目を気にする方だったので、私の提案を受け入れてくれるかわからなかったのですが、よっぽどの経験だったのか、これからはヘルプマークをカバンに付けてみるそうです。患者さんは悪くない、警察官も職務を全うしただけ。でも両者の間にある見えない壁が、患者さんに不快な出来事になってしまいました。私たちは、痛みがない人たちにも痛みのことを知ってもらいたいです。私たちの活動で、社会の中のほんの少しのすれ違いも減らせるのではないかと考えます。「どげんかせんといかん日本の慢性痛医療」には患者さんも多くご参加されます。自分の生活のため、患者さんも勉強し医療者と進んでいっています。活動を一般の皆様にも広く広く知っていただき、ぜひご支援いただきたいと思います。将来の医療や社会のために。宜しくお願いいたします。『どげんかせんといかん』クラウドファンディングサイト『どげんかせんといかん日本の慢性痛医療』特設サイト(一般・医療職向け)サテライトイベント『私たちは痛みの最前線にいる』(リハビリ職向け)