2022/03/15 08:57

「なんで、ガーナなの??」

そんな質問に対して、前回の活動報告にて、カシューを求めてガーナの田舎町を目指したところまでお話しさせていただきました。→ ( 前回までのストーリー )

バスの中継地で食べたガーナ料理「バンクー」と「パームシチュー」


カシュー農園にて

乗合バスを乗り継ぎ、テチマンという町に到着した僕は、町中の人やタクシー運転手さんにカシュー農園の情報を聞いて回りました。

幸いにも農家さんを知ってるという方が見つかり、町からさらに30分ほど離れたアドゥトゥイエ村という小さな農村へ行くことに。

アドゥトゥイエ村

村にたどり着くとみんなウェルカムな性格で、早速、農園の案内を始めてくれました。

たくさんお話しをしたり、美味しそうな果物があると新鮮もぎたてを食べさせてくれたり。食べさせてもらった果物は、どれもとってもおいしい!

パイナップルにマンゴー、コーラナッツにキャッサバなどなど、彼らはカシュー専門の農家さんというわけではなく、十数種類もの野菜や果物があって、その中の一つにカシューがあるという訳でした。

一家の大黒柱、ムサ。手に持ってるのはカシュー。

農園案内の後もお家にお邪魔させていただき、家族の皆さんと次第に仲良くなっていき、最後は夜ご飯まで一緒に作って食べさせていただくことに。

伝統料理フフは右手で食べるのがマナー

この日からかれこれ2ヶ月弱、ぼくは農家さんと一緒に、この村で過ごすことになったのです。(農園での日々の暮らしについては、また今度お話ししますね。)


カシューのリアル

次の日から、ぼくは早速、カシューアップル収穫のお手伝いをさせてもらいました。

朝から農家の皆さんと一緒に収穫作業。腰にかなりくる、なかなか大変な作業です。

途中でつまみ食いもたくさんしました。初めて生で食べるカシューアップルのお味は、リンゴとマンゴーとドリアンを混ぜたような?、ちょっとえぐみ渋みがあるけど甘酸っぱくておいしいお味。

これは面白い!と、そう思いました。


しかし、農園中にはすでに、大量のカシューアップルのゴミ山が・・・

カシューナッツの収穫方法は、木から自然落下したカシューアップルを集め、ナッツだけ取り外すという方法。

農園にはあちこちカシューアップルが転がっているけれど、地面に落ちてしまってるし、腐敗が早く、虫が集っていて、食材として使用するのは難しい状態でした。


けれど、木に生っている状態で収穫し、保存を工夫すれば、商品を作ることはできるのではないか。たしかにその分労力はかかるし、木の高いところに生っている実を収穫するのは大変かもしれないけど、おいしい付加価値をしっかりつけていければ、全然可能なのではないか。

そう思い、商品の試作をつくってみることにしました。


カシューアップル商品試作

なるべく付加価値をつけられるものが良く、また保存の難しさを発酵でカバーできるのかなと思い、カシューシードル(カシューアップルワイン)をとりあえず作ってみることにしました。

綺麗なカシューアップルをたくさん集め、ミキサーで混ぜます。

それを濾して、カシューアップルジュースの完成。

それをボトルに入れ、今回は簡易的にワイン酵母を足し、密封。

そして子供たちが振りまくります。

数時間経つと、ぶくぶく発酵が始まります。

そして発酵の様子を見ながら、待つこと4日。

微発泡・ドライタイプのカシューシードルが完成!

かなり簡易的な試作ではあったけれど、緊張の味見・・・


結果は・・・


かなり微妙でした。笑

フルーティーな香りは微かにしつつ、カシューアップル独特のえぐみが全面に出てしまい、飲むと甘酸っぱさより渋みをはるかに強く感じられたんです。

カシューの良い部分が減って、ネガティブな部分が残った感じでした。


ぼくはワイン作りの素人なので作り方に原因があった可能性も大いにありますが、一旦ワインとは相性があまり良くないのかなと結論づけました。

えぐみを取る方法としては、やはり蒸留するのが良いのかなと思いつつ、今回はそこまでの装備がなかったため、一旦他を模索することにしました。

インドでは、カシューアップルを使用した「FENI」という蒸留酒が作られています(とはいえ9割以上のカシューアップルは廃棄)。都内のBARにて。


カシューナッツを食べたことがない??

カシューアップルだけでなくナッツにも興味がある僕は、ナッツが収穫されてからインドへ輸出されるまでの流れを見にいったりもしました。

まず、各農家さんで収穫されたナッツは、乾燥させ、品質に関係なく重さで仲買人さんに売られます。

その後、まとめて一箇所に大量に散りばめられたナッツの中から、みんなで劣悪品を取り除いていきます。ぼくも参加させてもらいましたが、気の遠くなるような作業でした。

その後、まとめて港に運ばれ、インドへ輸出され、硬い殻からナッツを取り出す加工処理が行われます。

この流れで興味深かったのは、カシューを育てている農家さんは、カシューナッツを実際食べたことがない人も多いということ。

検査や加工が農家さんの手から離れたところで行われるため、農家さんがカシューナッツを食べる機会はほとんどないのです。

そこで、農家さんファミリーに、カシューナッツを振る舞ってみたりもしました。

はじめてのナッツ体験に、みんなとってもおいしそうに喜んでくれました。


カシューからからあげへ

ここまで読んでくれた方は、「なんでからあげやってるの?!カシューじゃないの??」と思われるかもしれません。笑

からあげにシフトしていったきっかけは何だったのか。またまた長い文章になってきてしまったので、また次の活動報告にてお話しさせてください!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!