今回の機械式手巻き時計組み立てキット【組匠3】のパーツですが、実はものすごく面倒な工程を経てキット化されています。どんなことかと言えば、各パーツを一度組み立てて時計として完成させ、正しく成立していることを確認したのち、また各パーツを分解しキット化しているということ。これは常識的に考えて当たり前ではない作業ということです。通常であれば生産された各パーツごとにキット梱包すれば流れとしても早くて楽ですが、一度製品として正しく成立しているか確認するという二度手間的な工程は、非効率であることだけでなく、手間としてのコストも余計にかかることになります。しかしその工程をあえてすることにより、一般の方でも正しく組み立てていただければ【必ず成立する製品である】と、安心してご購入しトライしてもらえると考えるからです。車やオートバイのような大きなパーツではなく、ルーペを使わないと見えないような、ピンセットを使い組み立てる極小精密パーツで構成される時計。そしてそのパーツがいくつも絡み合いながら1から10まで正しく機能しなければ成立しない「からくり仕掛け」である機械式時計だからこそ、そのような「クォリティとしての安心感」はとても重要なファクターになりえると感じております。他ではこういった商品を製作しない理由はいくつもあるでしょうが、その最大の理由でもあり逆に当社の最大のメリットとも言える点、それは当社が数千万円を超える超複雑機構のコンプリケーションモデルをも手がける、日本では稀な技術を誇る【時計修理専門会社】であるからだと自負しております。そんな技術者集団である当社が手掛ける、機械式時計を自分で組み立てることのできるキットがこの「組匠シリーズ」です。製品化には様々な問題やこだわりをクリアしなければ成しえることのできない点がいくつもあります。アイディアだけでは決して成立しません。製品の特性上、その後のアフターケアまで見続けられるバックボーンがなければ成立しませんし、それが何よりの安心基準に成りえるものと考えています。万一組み立てを断念されても、当社の熟練職人が責任をもって組み立ていたしますので、どうぞ安心して未知の世界にトライしてみてください。自分だけの自分の作る小宇宙を、その鼓動をお楽しみください!
今回よりついに、時計表面の風防に「ドーム型サファイアクリスタル」を採用することが決定しました。というよりは『ついにドーム型サファイアクリスタルの製作に成功した!』というのが正解です。ご存知のようにサファイアクリスタルはダイアモンドに次ぐサファイアと同等の硬度の人口結晶体であり、その硬度から加工が大変困難な素材のため、加工技術やコストもかかるため今まではどの時計メーカーでもフラット(平面)な形状が主でした。もし以前どこかでドーム型風防の時計をご覧になっている人は、おそらくそれは安いミネラルガラス製でしょう。普通のガラスなので傷も付きやすく割れやすいミネラルガラスは「非結晶体物質」で、サファイアクリスタルは「人口結晶物質」なので鉱物的にはガラスではなく、宝石のサファイアと同じ硬度の結晶物質ですから全くの異素材となります。実際に我々も組匠1と2ではフラット形状のサファイアクリスタル風防を採用していました。が、ついに我々の諦めないしつこい粘りと契約工場の努力の甲斐あって、4年半越しで念願のドーム型に加工することができるようになりました。スイス製の高級時計メーカーでも、ほんの少数モデルでしか味わえないこのサファイアドーム風防をぜひお楽しみに!※バックスケルトンとなるシースルーの裏蓋にも贅沢に高級サファイアクリスタルを採用しているところは、以前の組匠1と2に共通する我々のこだわり部分です。本当に贅沢仕様です!
昨日より【組匠3】製作プロジェクトがいよいよスタートいたしました。今回はぜひ成功させたいと思いますので、ぜひご参加ください。また、すでにご参加いただいた方々感謝です。何とかして製品をお届けできるように精一杯頑張ります。どうぞよろしくお願いいたします。クラウドトレーディング 組匠3製作委員会