旧絵鞆小活用プロジェクトの三木です。
27日の室蘭市議会総務常任委員会にて、旧絵鞆小体育館棟の民間への売却が正式に表明されたことをご報告いたします。
議員の皆様、市役所・市教委の皆様には、私たちの想いをご理解いただき、このような結果を示していただいたことに心から感謝申し上げます。
また、この結果を引き出すきっかけとなったクラウドファンディングにご協力いただいた皆様にも、改めて感謝申し上げます。
建物の安全性や事業の継続性など、ご心配いただいている先行きのことについては、これまでの経験や人のつながりを活かし、力を尽くすことで結果を出していきます。
先日「炭鉄港ガイド養成講座」に参加しました。炭鉄港とは、夕張など空知地方の石炭とそれを運ぶ鉄道・港で結ばれた小樽・室蘭の3都市を中心に、近代産業の発展から衰退までの歴史を振り返り今後に生かしていく取り組みであり、昨年5月には日本遺産に認定されました。
急激に発展した海運や石炭などの産業がなくなった小樽や空知が選んだ道は、歴史やそれを感じる建物、一次産業などの「地域資源」を磨き上げての観光でした。
室蘭は鉄鋼業が生きていますが、石油製品製造は停止されました。現在の産業が永遠ではありません。
室蘭にとって「炭鉄港」の取り組みの要は「産業がなくなる前に空知や小樽に学べ」だと考えています。
地域資源の磨き上げをやりましょう、ということです。
近代産業遺産ってすごいねー昔の室蘭ってすごいねー、ではなく、提唱者の吉岡先生が「振り向けば、未来」と示す通りなのです。
もし50年後、100年後に産業がなくなったら…その時に、均一化したチェーン店や日本全国のどこにでもあるもので構成されたまちに、魅力を感じることはできるでしょうか。
正直、絵鞆小を50年後も保存できるかは自信がありませんが、この魅力ある建物が存在する間に、室蘭の市民が「地域資源」を磨き上げ、ここに来てよかった、住んでいてよかったと思える土壌を作り上げたいと思います。
室蘭に来た当時の私は、なんでこんなところに来てしまったんだろう、と後悔して、3年くらい無駄に過ごしましたから(笑)
この保存活動は、建物が残るか残らないか、というだけの話にとどまらず、室蘭が文化を誇るまちになった、楽しく住みやすいまちになった、意識を変える変換点だったといわれるように頑張りたいと思います。
もちろん、現実は厳しいものがあります。
今後もたくさんの方に多くの支援を求める必要があります。
どうぞ、今後ともご支援いただきますよう、改めてお願い申し上げます。