皆様、こんにちは。
フリー・ザ・チルドレン・ジャパンの新たなクラウドファンディングプロジェクト
「社会を良くする子どもが主役!世界的イベントWE Dayを日本に!」が始まり、
早速、5名の方から4万円の御支援を頂いております。ありがとうございます。
プロジェクト期間中は様々な情報を活動報告に投稿予定なので、
皆様も公式ハッシュタグ#WEdayjapanを付け、SNS等で拡散いただけると幸いです。
さて、プロジェクト期間中の毎週金曜は、フリー・ザ・チルドレン・ジャパン公式ブログに
アップしている「世界のWEニュース」から、WE Dayに関する投稿を引用してお伝えします。
※「世界のWEニュース」は、フリー・ザ・チルドレン本部ウェブサイト(WE.org)内の
「WE STORIES (リンク先英語)」の記事を翻訳スタッフに訳していただいたものです。
今回は、当団体が2017年6月18日に投稿した、
2014年の「We Day UK」における、マララ・ユスフザイさんのスピーチの和訳をご紹介します。
※原文ウェブサイトは消失(404エラー)
※マララさんはWE Day Japan2020には出演しません
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皆さんは私のことを、タリバンの襲撃を受けて頭に重傷を負った少女として知っているかも
しれません。でも、私の話 ― 私が誰で、どこの出身なのか、あの事件の前はどんな生活を
していたのかを知ってもらえたらと思います。
私は経済的に貧しい家庭に生まれました。
しかし、私の家族は、倫理観に富んでいる人たちばかりです。
父親は立派な人でした ― 今もそうですけれど。
私とのやり取りの中にも対等な権利を認めてくれました。
私と(2人の)弟たちを平等に扱ってくれました。
私は勉強をすごく頑張り、クラスではトップの成績でした。そのため、周囲からは
いい子だと思われていました。
しかし、生活の中ではしくじることもありました。少しお転婆で、時々弟とやり合って
いました(今でもそうですが)。
私はもう1つ間違ったことをしました。ごく幼い時に嘘をついたことがあります。
本当のことが言えなかったのです。友達の装身具を盗ったこともあります。
一度このような失敗をして、そこから学んだことがあるのも事実です。
この過ちは決して二度と繰り返しませんでした。
人には弱いところがあります。みんな完璧にはできていません。私のことを、
「背が高ければ素敵なのになあ」と思う人もいるかもしれませんが、現実の私はそうでは
ありません。誰にも弱点はある、でも、だからと言って特別な存在に値しないということでは
ありません。私たちはみんな特別な存在なのです。何か才能を持ち備えています。
私の立場から、みなさんへのアドバイスは、決して希望を失わないで、という事です。
それと、私たちみんなに、勇気があります。また恐怖心があります。
私も時々怖くなることがあります。幽霊とか、ドラゴンとか、骸骨とか…。
でも、勇気は恐怖に当然勝るということも事実です。
スワート地区(ヴァレイ)で、私たちはテロリズムに
立ち向かっています。その時、私は教育がとても重要なものだと実感しました。
当時、400以上の学校が爆破されました。女性は市場に行くことも許されませんでした。
女の子の教育は禁止されていました。CDショップも爆破されました。
当時、私たちは、テロリズムの中で生活していたのです。
そんな時、2つの選択肢がありました。1つ目は、何も語ることなく死ぬ。2つ目は、語って
から死ぬ。私は2番目を選択しました。
その時です。私たちは言葉を口にして、声を挙げました。私は日記を書いて、BBC放送へブログ
記事として連載しました。ニューヨークタイムズのドキュメンタリーにも登場しました。
さらに記事を何本か書いて報道機関に訴えました。
私はスワート地区の外の世界が、世界中の人が、私たちの訴えに耳を傾けてくださっているとは
知りませんでした。そして間もなく、強力な手段、強力な武器というのは「みんなの声」だと
いうことが分かりました。
同時にまた、私の人生を左右するような事件にも直面しました。10月9日、私はタリバンの襲撃を
受けました。しかしその日、私に宿っていた小さな恐怖心は死にました。そして勇気と精神力と
パワーが生まれました。
勇気は2つの理由から得ました。まず、死の危機さえも、、私の教育への思いを後押しして
くれたのではないかと実感したことです。2番目の理由は、みなさんの愛、みなさんの祈り、
そして皆さんからの応援だったのです。
私には確信していることがあります。それは、私たちは1つの家族として生きるものだという
ことです。ここ、地球はとても小さい世界ですね。―本当に小さい世界です。私たちは1つの
家族として生きなければなりません。お互いを思いやらなければなりません。
アフガニスタンや、パキスタンや、シリアでテロに苦しんでいる子どもたちを見て見ぬ振りを
してはいけません。この子どもたちを蔑ろにしてはいけないのです。
私たちが、輝かしい未来を望むのであれば、このような子どもたちに心を寄せなければ
なりません。そしてまた、ほんの小さなことをやることが必要なのです。私がこのように
言っても、それはごく普通の誰もが口にする言葉です。
私たちはお互いに親切でなければならない。お互いに友好の心を持っていなければならない。
お互いに愛さなくてはならない。
人生は非常に短い、本当に短い人生です。ほとんど80歳、90歳までしか生きられない。
この短い人生の中で、なぜ人は憎しみ合うのでしょうか?お互いに愛し合っていきましょうよ。
そしてこの人生を楽しみましょうよ。楽しく生きましょう。そして人生で一番の楽しみ方は、
集団の中で生きること、つまり、他の人がいる世界で、繋がり合いながら生きることです。
誰もひとりでは生きていけないのですから。
私はまた、みんながそれぞれ多様性を持ってこの地球に送られて来ているのだと信じています。
これは心にしっかり留めて置かなければならないことです。肌の色や性別、宗教によって、
社会の中で偏見や差別をしたり、受けたりしてはなりません。お互いに愛し合わなければ
なりません。お互いの考え方を受け容れ、尊重しなければなりません。
私の夢は、教育のために力を尽くすこと、子どもがみんな学校に行って、質の高い教育を
受けるのを見届けることです。そして私は、明るい未来を、より良い世界を夢見ています。
ご静聴ありがとうございました。
スピーチの公式動画(英語)
(翻訳:翻訳チーム 松田富久子 文責:清田健介)
引用元:http://ftcj.jugem.jp/?eid=1695