「介護を受けに来られる方、地域から遊びに来られる方、そして従業員のみなさん―——みんなが楽しく過ごせる時間を、みんなで作っていきたいんですよ」
穏やかな笑顔ながらも強い眼差しで語るのは、「わっかのいえ」の管理者安西都代子
私は介護の仕事に携わるようになって数年、あるきっかけで知り合った石井英寿さん※に感銘を受け、介護のなんたるかを考えるようになりました。この度、「わっかのいえ」の立ち上げ当初から携わらせていただき、介護の新スタイルを切り開いていこうと注力を注いでいます。
また、少し話は逸れますが、最近私の住んでいるマンションで住民による清掃作業がありました。その折りに、普段は顔を合わせても挨拶程度しかしない皆さんが、堰を切ったように話を始め、大いに盛り上がったのです。引っ越ししてから顔もおぼろげにわかるかどうか、という程度の方とも、何かつかえていたものがとれたように会話が流れる、不思議な時間が私たちを包み込みました。そのとき私は、「自分も含め、現代の人たちは会話というコミュニケーションに飢えているのだ」と確信し、今後「わっかのいえ」を運営していく上での基盤にしてはどうか、と思ったのです。
会話があればそれだけで笑顔になれます。
会話があればそれだけで幸せになれます。
私が携わっていく「わっかのいえ」は、とりとめもない会話が飛び交い、絶えず笑い声が響き渡る、そんな“温かいいえ”を目指しているのです。
※石井英寿さん…宅老所、いしいさんちを運営。介護はアートだ等独自の視点を持ち、日々介護に向き合っている。