この活動報告では、パレスチナに思いを持つ方々からの応援メッセージを紹介していきます。このたび、斎藤末緒さんより、現地を訪れて見聞きしたことを寄せていただきました。
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パレスチナの現状
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1948年からパレスチナは占領下におかれ、2007年以降、ガザは軍事封鎖が続いています。ガザでは輸出入が制限され、人びとは水道水や電気にも限られた時間しかアクセスすることができません。
ガザと西岸地区、エルサレムは分断され、パレスチナの人びとは自由に行き来することもできません。祖父母あるいは曾祖父母たちが家を追い出され、故郷を見ることができない人たちがパレスチナ国内外に数多くいます。今日ガザに暮らす子どもたちも、基本的人権を奪われた世界のなかで生きています。
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”平和”を願う現地での交流
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わたしは、2018年に西岸地区とエルサレムを訪問しました。
パレスチナYWCA国際ユース会議(*)に参加し、若者が置かれている状況について学びました。
(*)2018年10月10日~22日、パレスチナYWCA主催ユース国際会議「ユースが参加しユースが決める:自由と正義にむけて」(ラマッラ市)
1948年、75万人以上のパレスチナ人がイスラエルによって故郷を追われ、難民となった「ナクバ(大災厄)」から70周年の節目の年の2018年に、平和構築におけるユースの役割をテーマに開催された国際会議。
パレスチナYWCA国際ユース会議が開催された後は、「オリーブ収穫プログラム」に参加しました。
「オリーブ収穫プログラム」は、イスラエルが警察権や行政権を行使する区域にあり、拡大を続ける入植地に脅かされているオリーブ畑がある土地で、世界各国からの参加者とともにオリーブの収穫作業を手伝う活動でした。
オリーブはパレスチナの人びとにとって命の糧であり、何世代にもわたって大切に育てられてきました。
これらの地域では、オリーブ畑が入植者に侵入され、オリーブの木を根こそぎにして破壊され、火をつけられ、畑仕事をしている農家の人々が攻撃されることが日常的に起こっています。そのために、農家の人たちは自分の農地で作業をすることも難しい状況にあります。
このプログラムは、海外からの参加者が一緒に収穫作業をすることでオリーブの木やパレスチナ人農家が襲撃されないよう安全を守る役割を果たすとともに、広く海外に状況を知らせることを目指して毎年実施されています。
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パレスチナに思いを寄せて
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パレスチナの2020年の失業率は西岸地区15.7%、ガザ45.6%、女性や若者に限るとその割合はもっと高くなります。
さらに、2021年5月ガザの空爆・停戦以降も、子どもたちはイスラエル軍による暴力に(エルサレムや西岸地区では入植者による暴力にも)さらされています。子どもたちは将来の自分や友人の姿を思い描いたり、安全に生活していられるのかわからない状況で暮らしています。
世界中のすべての子どもたちと同じように、ガザに暮らす子どもも安全に暮らし、いっぱい遊んで学ぶ権利があります。このアフタースクール・プログラムを通じて、ガザの子どもたちが少しでも楽しい時間を持てるように願っています。