2019/11/24 01:59

こんばんは。
写真家の綾 順博(あや のぶひろ)です。

日付が変わって11月24日午前2時です。
クラウドファンディングの残り期間も6日となりました。
現在の達成率は26%です。
ご支援してくださった皆さんに、心から感謝いたします!

今回の募集期間があまりにも短いというのは、重々承知しています。
それでも、今やらなければいけないと考えての行動でした。

リターン品の中に、お守り以外の銀鏡地区や銀鏡神楽に関連する物が入っていないのには、理由があります。それに関しては、後半で書きますので、最後まで読んで頂けると嬉しいです。


(右奥に見えるのが、龍房山)


 「人は二度死ぬ」という話をどこかで耳にしたのは、いつの事だったか定かではありません。

一度目は、肉体の死。
二度目は、生きている人の記憶から消えたときの死。


 私の両親は既に他界しています。だからこそ、この言葉が心に響いたのかもしれません。もしかするとそれは、神様にも当てはまるのかもしれません。
 
 銀鏡には神様を信じ、神様に感謝し共に生きている人たちがいます。そこには確かに神様が存在します。


 私たちが会ったことのない先祖にお墓参りするように、神楽を舞うということは、先祖からの文化を守り継ぐ大事な儀式です。銀鏡の人たちだけではなく、私たちも一緒になって守っていこうという意識が、日本の神様が存在し続けるということなのだと思います。


 銀鏡神楽のファンは全国各地にいます。毎年、関東から団体でやって来る人たちもいます。12月14日の大祭前日に宮崎にやって来て、銀鏡の近くで宿泊し(と言っても一番近い西米良村の宿泊施設でも車で30分くらい)、大祭当日の朝に観覧席が設えられると、一番前を場所取りされます。この観覧席の前で神楽が奉納されはじめるのは日が暮れてからです。この頃には、立ち見でなければ見れない程に観客がギッシリです。

 プロアマ問わずカメラマンの皆さんは、早い時間に場所取りをして一晩中写真撮影をします。有名な写真家の先輩にも、ここでよくお会いします。

「銀鏡神楽は他の神楽とは違う」

 写真家の諸先輩方が、みなさん口をそろえて言います。何が違うのか、私も行ってみるまでは分かりませんでした。行ってみて、はじめてその言葉の真意が分かりました。

「他の神楽とは違う」

 何が違うのか、言葉では伝えることはできません。表現するための言葉が見つからないからです。何故違うのか、何が違うのか…その違いを知りたくて、私は銀鏡神楽大祭の夜だけでなく、銀鏡の日常を撮ろうと思いました。仕事の合間を縫って、出来る限り銀鏡に通い、年中行事や農作業など撮り続けています。


 銀鏡の日常生活の中には、常に神様が存在します。銀鏡神社の御祭体である龍房山は、大昔から女人禁制であったそうで、今でも銀鏡地区の女性は山に立ち入らないそうです。林道から山に足を踏み入れる時、神様に一言「入ります」と声をかけるのは、大人だけでなく子どもたちも普通にやっています。 山や川、木や花、風や雨、全てに神様がいて、常に神様と一緒に生活している。そんな場所です。

 もともと銀鏡神楽を舞う事が出来るのは、祝子(ほうり)と呼ばれる神楽の舞人だけです。以前は銀鏡出身の人でなければ舞う事は出来なかったそうですが、今では厳しい修行を積めば地区外の人も祝子になれます。
 この地区外の人、というのは山村留学で銀鏡にやってきている、銀上(しろかみ)学園の子どもたちです。(https://cms.miyazaki-c.ed.jp/4509/htdocs/)山村留学期間中に、神様に誓いをたててから、祝子としての修行をはじめます。 銀鏡で生活しながら、神楽を習い覚えています。なので、銀鏡生まれの子どもとほぼ同じだと思います。

 この山村留学の子どもたちが、いなくなると…銀鏡には、ほとんど子どもがいません。子どもがいなくなれば、当然この地域が消滅します。そうなれば、銀鏡神楽も当然なくなります。

 本文にも書いていますが、銀鏡地区の皆さんは神楽を守ろうと必死で活動しています。ですが、それも限界が近いのではないかと私は感じています。どうにかこの地区のこの文化を守ることができないだろうかと考えています。


 考えているだけでは、解決しない。

 そこで、まずは行動してみることにしました。その一つがこのクラウドファンディングです。準備期間がとても短く、銀鏡神楽保存会の皆さんとやり取りしながらなんとか形に出来たのが11月に入ってからでした。カレンダーの印刷の事を考えると、12月に入ってすぐに入稿しなければならず、リターン品は年内の発送にしたかったのもあり、必然的に募集期間が短くなりました。
 企画当初は、㈱かぐらの里さんから「商品を提供しますよ」と言って頂いたのですが、今回のリターン品をカレンダーとArt Photo AYAの撮影チケットだけと決めたのにも理由があります。銀鏡地区の皆さんの努力とは別の所で動くことで、銀鏡神楽を守りたいと思ったからです。銀鏡の文化・伝統を守りたいと思う人が、私以外に一人でも増えてくれたら嬉しいし、心強いと思ったからです。

 私が撮った写真が、何かの力になれたら、
 私が写真家と名乗る意味が大いにある。

そういう思いもあったのです。

 それでも、ちょっと不安だったので…銀鏡神社の三柱の神様のお力を借りたくて、お守りをリターン品に入れさせてもらう許可を頂きました。このお守りは、本当に特別の許可です。
  お守りについては 前回の活動報告をご覧下さい。
  https://camp-fire.jp/projects/210615/activities/106051#main


 ここまで偉そうに語っていますが、ようは…


カレンダーを買ってください!!!


よろしくお願いします!!!



写真家 綾 順博(あや のぶひろ)


※掲載している写真の著作権は全て綾順博にあります。