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皆様こんにちは、田代敏朗です。昨年の2月27日から4月末までの約2か月間行ったクラウドファンディング【家族の自死を乗り越えて】画家人生25年間の集大成となる作品集を創りたい!終了して、ちょうど1年が経ちました。改めまして、ご支援をいただいた皆様に、心より感謝申し上げます。ありがとうございます。たくさんの方々のサポートの元、無事に今年の1月1日に作品集「Toshiaki Tashiro Art Works 1995-2020 / 痛みと光 FLASH AND THE PAIN」を発売させることが実現いたしました。私、田代敏朗にとって、この25年間の作品をまとめることができたこと、時期によって画風が変わっていくことに対する様々な見解やご意見を全て昇華し、根本にあった「想い」を新たなマスターピースとして誕生させることができたことは、人生に置いて大きなターニングポイントとなりました。幾分勝手ながらな想いを発信し、その場所を受け入れてくださり、そしてご支援という形で見守り、見届けてくださった皆様へは感謝の気持ちしかありません。本当にありがとうございます。私は、15歳の時に、最愛の家族が自ら命を絶とうとした現場にいて、行為が未遂に終わった彼女が、後遺症や心の痛みに苦しみながらも、すべての環境を受け入れられない自分自身を否定していく日々を過ごし、最期を見送りました。正直、このような過去をさらけ出すことを反対する人もいたことは事実です。どうしても上記の見出しに捉われてしまいすぎるさまざまな意見を間接的に届けようとする方々の存在もありました。ずっと心のどこかに鉛のような重たい何かを背負いながら生きていくこと。助けてあげられたかもしれない、救ってあげられなかった自分を悔い、責め続けて生きていくこと。作品集を完成させることで、そのすべてが消えたわけではありません。そしてそれを消そうと思って起こした行動ではありません。作家として活動する私のバックボーンを引き出して、これまでの作品を全て過去のイメージに付随させるということが果たしてよいものか。そういった懸念ももちろんありました。私がこの作品集を作りたいと思ったひとつの理由は、自分の過去を理解してほしい、とか私は苦しかったから構ってほしい、とかそういった理由ではありません。世の中には、比較することなどできない、それぞれの人々が持っている「痛み」があると思います。大切な人を亡くすことの経路や手段を区別するつもりはありませんが、私たち人間は、愛する人を「亡くす」ということに対し、永遠に慣れることなどないでしょう。それでも、人というものは、永遠ではないということを私たちは知っていて、それは必ず訪れてしまうということも、私たちは頭の中で知っています。亡くす、ということだけではなく、過去に起こったさまざまな不可抗力の出来事、トラウマ、どうしても許せないこと。たった一分一秒、一日のあの事が、ずっと忘れられず、こびりついて、そのことで「今」の人生に影響を及ぼしている。そのような方もたくさんいらっしゃるとお察しします。私は、これまでの出来事を「空に飛ばす」感覚で、ずっと絵や文章を書いてきました。空に飛ばす感覚というのは、私の最愛の人に届くかもしれないという一心の思いだったのかもしれません。昨年の1月の真冬。アトリエの近くの道をひとり散歩しているとき、ふと竹林の中から、「手放していいよ」という声が聞こえた気がしました。「手放していいよ」「もう大丈夫だから、次にやることを考えなさい」最愛の家族の声でした。その意味が何を成すのかもわからないまま、私が実現させたものは、すべてをさらして、まとめることでした。随分と葛藤の時間も続き、何度も折れそうでしたが、このクラウドファンディングにつながったのでした。私は、この作品集を通して伝えたいことは、読んでいただいた方のそれぞれの想いを尊重すること、そして例えば計り知れない「痛み」を持ってらっしゃる方に、「寄り添う」ことができればと思っています。たまたま私は絵を描くことができて、思いを可視化することが出来ました。様々な方々に応援してもらって今があります。私が感じていた痛みは、誰かの痛みに比べるとそうでもないかもしれない。絵を描いて発表していくたびに、私は強くなれてこれたとも思っています。でも、どんなに誤魔化しても、着飾っても、忘れたふりをしても。「痛み」が消えないのなら。それごとまるっと愛してしまい、それごと自分の一部として表現してしまおう。そういう気持ちを共有できれば、とも思っています。時間は風化させるという味方をしてくれますが、私はあえてこれまでの「痛み」を受け入れて、愛することによって、風化するものとしてではなく、そこに永遠に存在させることで、痛みが「光る」のではないかと思います。亡くなった祖母は、私の絵が大好きでした。「優しい絵を描くのよ。困った人たちが、喜ぶような絵を描くのよ。」これから私は本当の目標に進むことができる気がしています。皆様のおかげで誕生したこの作品集を、まだまだたくさんの皆様に読んでいただきたいと思います。第一版の250部も残りわずかとなっておりますが、1年経った今日5月1日より、通常の価格の半額にてご購入いただけるようにいたしました。皆様の思いが集結したこの愛する本が、必要とされるどなたかに、いつか届きますように。皆様のおかげで救われた私がいるように。微力ながら誰かの力になれることを強く望みます。救ってくれる人は、必ずいます。是非、この投稿をシェアしてくだれば大変幸いです。本当にありがとうございます。愛をこめて田代敏朗2021/05/01◆書籍情報◆田代敏朗作品集【痛みと光 Toshiaki Tashiro Art Works 1995-2020】-本書における作品の変遷を考察するにあたりふたつの時期に注目したが、その根底にはやはり家族を取り巻く事象が自らに影を落としていた青年期がある。15歳の田代は40歳になった自身をどう見ているだろう。25年の時を経て生まれる作品は、窓辺から差し込む日の光に照らされている。田中今子(中村キース・へリング美術館 学芸員)-●著者:田代敏朗●アートディレクション:榎並憲二(シロクマ3)●印刷:朝日印刷●寄稿:田中今子(中村キース・へリング美術館学芸員)●部数:◆エディション版初版200部:肉筆の原画を綴じ込み製本した特別デラックス版エディションナンバー(エディションシートへ記入)入り●規格:210×180・112P・原画16Pを含む)上代:15,000円(税込16,500円)→半額の7,500円(税込8,250円)◆通常版●規格:210×180・96P)上代:5,000円(税込5,500円)→半額の2,500円(税込2,750円)◆作品集販売サイトはこちらより◆