はじめまして。
私は岩手県大船渡(おおふなと)市で「THREE PEAKS(スリーピークス)」というワイナリーを経営している及川武宏と申します。
高校まで大船渡で過ごし、10代の頃は野球、サッカーに明け暮れ、全国大会に出場したこともありました。卒業後は進学や就職で地元を離れましたが、東日本大震災を機に、2014年、家族とともにふるさとに戻ってきました。
私たちが始めたワイナリーの経営、そして今挑戦していることをお伝えしたいと思います。
最後までお読みいただけると幸いです。
大船渡は太平洋に面した三陸海岸沿いの町です。2018年5月に完成したワイナリーの名前でもある「THREE PEAKS」は、この「三陸」から名付けました。
▲2018年5月に完成した自社醸造所の入り口。看板も手作り。
なぜワイナリーなのかといえば、20代の頃にワーキングホリデーで訪れたニュージーランドでの体験が影響しています。現地ではワイナリーが所有するぶどう葡萄畑のアルバイトをしていたのですが、小さなワイナリーが点在するその町には、安く泊まれるゲストハウスや様々なアクティビティがあり、海外から大勢の観光客が訪れていました。ワイナリーもそれぞれ特徴があるので、長期滞在していても何日いても飽きません。
こんなビジネスを自分でも興したいと考えていた矢先に東日本大震災が起きました。10代の頃に大船渡を離れてから、若手の流出による地方の衰退、担い手不足や高齢化問題などこの国が抱える地方の問題が大きくなるのを感じていました。大船渡も例外ではなく、長期的な視野に立って産業となりえる事業、新しい文化を創っていくにはどうしたらいいのか。ビジネスを興すのは地元である大船渡しかないと考えるようになりました。
震災当時は首都圏に家族3人で暮らしていたため、ひとまずは復興の中間支援に取り組もうと、2011年8月、公益財団法人東日本大震災復興支援財団に転職。被災した子どもたちを教育やスポーツの側面から支援してきました。その頃に出会った人たちの後押しもあり、温めていたビジネスの種を大船渡で蒔くことにしました。
2014年から大船渡市猪川町(いかわちょう)に畑を借り、シャルドネとソーヴィニヨンブランという品種を600本ほど植えました。ぶどう畑は英語で「ヴィンヤード」と呼ぶことから、この畑を「猪川町ヴィンヤード」と名付けました。実は母校の裏手にあり、思い入れのある場所です。
ドローンで撮影した畑をご覧になってみてください。
★動画 2019.9.13【猪川町ヴィンヤード】
今でこそ立派な実をつける猪川町ヴィンヤードですが、ここまでぶどうが成長するのに最低5年はかかります。そこで先に酒販免許を取得。2014年~2016年の間は製造委託という形で、山梨県勝沼の妻の親戚が栽培するぶどうを原料にワインを製造・販売していました。
また、2013年からは隣町の陸前高田市のりんご園を借り栽培を引き継ぎました。樹齢50年以上経過した、幹の太いりんごの木が多く、非常に味わい深い実をつけます。
▲樹齢50年以上のりんごの木(陸前高田市)
この老木のりんごを原料にシードルを委託製造し販売も行ってきました。シードルの評判は上々で、現在、岩手県内約35カ所、県外20カ所以上の飲食店・小売店で取り扱っていただいています。
りんご屋まち子のアップルシードルは、先日行われた「フード・アクション・ニッポンアワード2019」では100選にも選ばれ、THREE PEAKSを支える逸品になりつつあります。
▲「フード・アクション・ニッポンアワード2019」100選に入賞した「りんご屋まち子のアップルシードル(オリジナル)」
▲「CHARDONNAY 2018」(完売)
2018年5月には自社醸造所が完成し、今年(2019年)の4月には念願の大船渡産のぶどうを原料とした白ワイン「CHARDONNAY 2018」の販売にこぎつけました。
「三陸に100年続く新しい文化を創造したい」と、ぶどうの栽培から手がけて6年目。大船渡でもワインができることを実証できました。やっとスタートラインに立ったという気持ちです。
うれしいことに、当社以外に2名の方がワイン用ぶどうの栽培に向けて準備を進めています。大船渡から世界を相手に、誇りを持って仕事ができる環境を次世代に残していきたいので、この流れを絶やさぬよう、まずは大船渡産ぶどうの生産量を増やしていきたいと考えています。
大船渡市は農業の担い手不足、高齢化による労働力不足などにより、耕作放棄地が増加傾向にあります。さらに震災後は農地が宅地になり、耕作放棄地が点々と残ることで土地の条件が悪くなったことでますます農地の活用が難しくなるという悪循環が起きています。
私たちはこれらの耕作放棄地を活用し、新たにぶどうの植樹を計画しています。
暮らしに寄りそうワイン文化を創りたい!
ぶどうからワインになるまでを楽しむ「3peakers」プロジェクト
「3Peakers(スリーピーカーズ)」というのは、「THREE PEAKS」をもじったもので、私たちの挑戦に対して、ともに歩んでくださる方への愛称です。この名前や企画はある仕事で知り合った、インドネシアのデザイナーから提案されました。とてもいい内容で、すぐに意気投合。現在、彼を中心に「3Peakers」のコンセプトを形にしたロゴや、オンラインコミュニティなども用意しているところです。
提案された時、ふと思い浮かべたのは、ここにくるまで応援していただいた多くの方の顔でした。時には畑で、時には販売先で、たくさんの方に協力いただき、温かい言葉に励まされてきました。言ってみれば、既に「3Peakers」はあちこちにいて、私たち家族を支えてくれる確かな存在です。
▲ワイナリーに来てくださった元同僚の家族(2018年10月)
▲ぶどう畑で作業を手伝ってくれたボランティアの皆さん(2015年4月)
▲企業研修で当りんご園を訪問(2016年9月)
今回ご支援いただくみなさんには全員、「ヴィンヤード(ぶどう畑)の一口管理人」という共通リターンをご用意しています。ぶどうの植樹やワイン醸造体験の場をご案内しますので、ご家族や友人同士で気軽に参加していただきたいと思います。
もちろん楽しい企画も考えています。下の写真は先日開かれたイベントで、地元で獲れたホタテやムール貝などをふんだんに使用して大きなパエリアをつくった時のもの。最初はどうなることかと思いましたが大成功。THREE PEAKSのワインやりんごジュースもふるまい、子供はもちろん、私たち大人も楽しむことができました。
私たちが提案したいのは、ぶどうを植えるところからワインを造るまでをともに楽しむワイン文化です。
「自分が植えたぶどうからできたワインを数年後に飲む」、「娘の誕生記念にヴィンヤードの一口管理人になる」など、それぞれの暮らしに大船渡ワインが添えられたら、こんなにうれしいことはありません。ぜひ私たちのヴィンヤードに、ワイナリーに、大船渡に遊びに来てください。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
「大船渡に新しい文化をつくる」というTHREE PEAKSの壮大な挑戦にぜひご協力をお願いいたします!
大船渡市内の耕作放棄地を借り、農地造成、ワイン用ぶどうの苗木購入、植樹と進めていきます。自己資金ではまかなえない下記のものに、ご支援いただいた金額を充当させていただきます。
・土地造成費用(農機具レンタル):20 万円
・苗木購入費:80万円
・農業資材費(支柱、ワイヤーなど):50 万円
・リターン費用、配送費:40 万円
・クラウドファンディング利用手数料
▲ぶどうの植樹。お子さんが一緒でも体験できる作業です。
購入したぶどうの苗木は、支柱やワイヤーを使って支えます。数年すると写真(下)のように成長し、やがて大人の背丈ほどに成長します。訪れるたびに変化が見られますので、ぜひ植樹したぶどうの様子を見に、気軽に遊びにいらしてください。いつでもご案内します。
⚫共通リターン
・サンクスメール
・3peakersコミュニティへのご招待(Facebookの非公開グループ)
・ヴィンヤード(ぶどう畑)の一口管理人
(植樹、醸造などの作業体験や、限定ワイン販売時の優先案内などを含みます)
※ヴィンヤードの一口管理人としてご案内する各種イベントへの旅費交通費は自己負担でお願いします
◯お気持ちコース 1,000円
・共通リターン
◯ぶどうの苗木1本分! 3,000円
・共通リターン
・THREE PEAKSで使える商品券500円分(ネットショップでもご利用いただけます)
◯2019年ヴィンテージワイン1本! 5,000円
・共通リターン
・THREE PEAKS【ご来店】での白ワイン「REGALO2019」1本引換券
(有効期限:2020年12月31日まで)
◯2019年ヴィンテージワインとオリジナルTシャツ! 10,000円
・共通リターン
・THREE PEAKS【ご来店】での白ワイン「REGALO2019」1本引換券
(有効期限:2020年12月31日まで)
・THREE PEAKSオリジナルTシャツ
※サイズとカラー(黒・白)はご希望に応じます
・THREE PEAKSオリジナルステッカー
◯2019年ヴィンテージワインとシードルセット! 30,000円
・共通リターン
・THREE PEAKSオリジナルTシャツ
※サイズとカラー(黒・白)はご希望に応じます
・THREE PEAKSオリジナルステッカー
・ワイン「REGALO2019」 2本(赤・白各1本)
・シードル「りんご屋まち子のアップルシードル オリジナル2018」2本
◯2019年ヴィンテージワインとシードルセット!50,000円
・共通リターン
・THREE PEAKSオリジナルTシャツ
※サイズとカラー(黒・白)はご希望に応じます
・THREE PEAKSオリジナルステッカー
・ワイン「REGALO2019」 3本(赤2本・白1本)
・シードル「りんご屋まち子のアップルシードル オリジナル2018」3本
◯2019年ヴィンテージワインとシードルセット!100,000円
・共通リターン
・THREE PEAKSオリジナルTシャツ
※サイズとカラー(黒・白)はご希望に応じます
・THREE PEAKSオリジナルステッカー
・ワイン「REGALO2019」 6本(赤・白各3本)
・シードル「りんご屋まち子のアップルシードル オリジナル2018」6本
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。
目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
※酒類販売業免許 大船渡調第4031号
このプロジェクトは、東日本大震災からの復興につながるクラウドファンディングをサポートする「復興庁クラウドファンディング支援事業」の対象プロジェクトです。
※復興庁クラウドファンディング支援事業についてご相談やお問い合わせ、取材のお申込みなどがありましたら、こちらのお問い合わせフォームよりご連絡ください。
最新の活動報告
もっと見る植樹予定の土地が借りられず…。でも拾う神が現れる。
2020/03/12 22:18こんばんは。コロナウイルスが大変なことになっておりますが、みなさまお元気でしょうか。岩手県内ではまだ発症者が確認されておりませんが、マスクやトイレットペーパーなどはどこのお店でも売り切れております。さて、苗木の植樹ですが、借りる予定だった土地が借りられず、様々な方に相談したところ、新たな土地が見つかりました!無事に植樹できるようになりました!実は、今のぶどう畑からは新しく見つかった土地のほうが近く、環境も良い感じです。周辺は震災後に宅地化され、いろいろと課題が多い地域のようですが、ぶどう畑が景観や交流の場となれば良いなと思っております。植樹の日程は、3月29日、4月4、5日を予定しております。コロナウイルスの影響もあり来られない方もいらっしゃると思いますので、収穫や来年も植樹を行いたいと考えております。正式には来週ご案内いたします。よろしくお願いいたします! もっと見る
アルバリーニョが手に入るかもしれないです!
2020/02/19 18:116年前、スペインのガリシアに行きました。リアス海岸発祥の地。リアス・バイシャス。そこで観たアルバリーニョのぶどう畑はどこか日本と似ている感じがしました。いつかアルバリーニョを植え、ガリシアのようなワインを造りたいと思っていて、2年前、少しだけ苗木が手に入ったので植えています。気候も似ているのかアルバリーニョは大船渡にもあっていると感じました。そんなアルバリーニョの苗木が買える可能性がでてきました。これは楽しみ!植樹の日程は少々お待ち下さい。 もっと見る
植樹の日程は3月28、29日または4月4、5日あたりになると思います!
2020/02/14 18:45今年の桜の開花予想が発表され、大船渡の碁石海岸は4月11日。例年よりも、そして暖かかった昨年よりも早くなりそうです。ですので、ぶどうの植樹も早めに行いたいと思っております。とはいえ、みなさんで植えたいと思っていますので、春休みの方が良いかなと考えています。植樹の日程は3月28、29日または4月4、5日あたりで検討しています。できるだけ早く日程を確定させたいと思いますが、天候の都合もありますので、あらためてご連絡いたします! もっと見る
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