明けの明星が輝く頃
3月1日、当プロジェクトはスタートいたしました。
クラウドファンディングで設定した期間は最長の80日間。
5月11日、72日目にして目標を達成し、その後もご支援金額は伸び、最終金額は「4,777,777円」という結果に。
誰がこのような展開と結果を予測できたでしょうか…。
吹雪舞う1月、雪に足を取られながらの2月、話し合いを繰り返し、メンバーたちに支えられて私はこのステージに上がりました。
芸能文化とは何か、伝統とは何か、祭りとは何か、ねぶたとは何か、ウルトラとは何か、成田亨さんとは誰か、地方の現状と未来、子どもたちの未来、何を問題として掲げ、何を唱うのか。
いったい、誰に向かって伝えたら良いのか、どう表現したら適切なのかー。
熱い気持ちこそあれど、計り知れない想いが絡み合ったままのスタートでした。
しかし、それからしばらくして、1つのビジョンを明快に感じるようになりました。
それは昭和40年代の青森の街並みを悠々と進むねぶたと、笑顔ではしゃぐ子どもたちの姿です。
◇そのイメージを持って描いたラフイメージ
やがて、そのビジョンはこの構想の核心となっていきました。
当プロジェクトの目的は「これからを創る子どもたちが健やかに成長してくれることへの祈願」と、「昭和情緒の再来、大人たちの童心回帰と笑顔」としました。
また、日に日に「実態」として湧き上がるビジョンはいつも私に新しいヒントを与えてくれました。
そのビジョンに「現在」を重ねると、「何がしたいのか」が見えました。
そのビジョンに「未来」を重ねると、「活力と躍動」が湧いてきました。
どんどん色づくイメージに、ご支援者様から頂戴する激励メッセージが融和して「セブンねぶた構想」は走り始めました。
そして、その最中、アンヌ隊員「ひし美ゆり子」さんの登場(3/17)で、ひし美さんファン、セブンファンの方々が一斉にこちらに振り向いてくださり、プロジェクトは一気に盛り上がりました。
◇凄まじい勢いで伸び上がる支援金額
ひし美さんがSNSを通じて公開してくださった成田亨(とおる)さんへの思いやエピソードは、とても衝撃的で感動的なものでした。
ウルトラセブン放送開始50年の歩みと、戦後の復興から70年を経た青森ねぶた祭の歩み、その双方の歩みの融合から派生したものが「セブンねぶた」です。
しかし、ひし美さんのメッセージは「このプロジェクトを言葉では簡単に定義できても、半世紀を超える双方の歩みには、先人たちの無数の生き様と魂の叫びが刻み込まれている」ということを示唆しているようで、その歴史に触れる者として、より一層、謙虚であり続けなければならないと気付かされるに至りました。
そして4月、周囲との兼ね合いで一部の活動を自粛することに決めました。当然、ファンディングは鈍化し、どんどん苦しい状況に追い込まれていきます。
けれども、いつもメンバーは万全の構えで支えてくれ、SNSのフォロワーの皆さまからは笑顔になれる応援エールが毎日届くようになりました。
セブンねぶたを製作してくださった北村麻子先生からのメールにも幾度となく救われました。
苦しい時も常に胸の中にあったキラキラとセピア色に輝くねぶた祭りの姿と、苦しみを共有してくれた仲間たちー。
□ウルトラセブン放送開始50年の歩みと、戦後の復興から70年を経た青森ねぶた祭の歩み。その双方が培った文化と伝統、刻み込んだ歴史に敬意を持って行う、「繋いでみる」という試み。
□青森市民として謹んで提案させていただいた「青森ねぶたのこれから」を見据えた、一つの創意とそのカタチ。
□このファンディングの結果が語る「一つの創意」に対する全国の「総意」とその可能性。
この度のクラウドファンディングには、そんな多くの「気付き」がありました。
きっと、それらは「青森のこれから」に繋がり、延いては「地方のこれから」に繋がるものになるかも知れません。
大いなるチャンスを与えてくださった青森ねぶた祭の関係者様 各位、円谷プロダクション様に心より感謝申し上げます。
そしてー。
ご家族で話題にしてくれ、家族会議で支援金額を決めてくださった皆さま、
限りあるお小遣いに都合をつけて夢を託してくださったお父さま方、
出勤時間を少し早めて、あるいは会社帰りやお子さんの送迎時にわざわざコンビニに立ち寄ってご支援くださった皆さま、
本当は違うことに使う予定だったはずの貴重なアルバイト代をご支援くださった学生の皆さま、
「支援したいけどインターネットって知らんもんで…ごめんなさいね」とお詫びの電話をくださったご年配の方…
実際にあった皆さまのご支援する姿を思うと涙が溢れます。
◇年代別支援者数
セブンねぶたは最初で最後の「奇跡のねぶた」です。愛情に満ちた小さな「セブンねぶた」を作り上げたのは皆さまが繋いだ「愛」です。
この愛の結晶である「セブンねぶた」はできる限り長く、長期保存をさせていただきたいと思います。
いつでも皆さんがセブンねぶたをご覧いただけるように、大切にお預かりいたします。
そう。明けの明星が輝いても 、セブンねぶたは青森のどこかで皆さんと会える日を静かに待っています。
この度のクラウドファンディングを通じて交流を持った全ての皆さまに心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。
青森ねぶたウルトラノ會
一同