里山まるごとホテルのある輪島市三井町(みいまち)には、1つの和紙工房があります。それが能登仁行和紙(のとにぎょうわし)です。仁行とは三井町仁行地区という地区名のことで、里山の山間の中にひっそりとたたずみ、周りの自然を生かしたモノづくりを行っています。「”野”のものを集めて漉く」ことからなづけられた「野集漉き(やしゅうずき)」という漉き方を日本で最初に行ったのがこの仁行和紙さんで、工房を訪れるとカエデや桜といったメジャーなものから、名前を聞いてもまったくわからない野に生えた草花や海でとれる桜貝や海藻を漉き込んだ和紙の数々に目を見張ります。ちょうどリビングから寝室に入る襖(ふすま)を新調する必要があったことから、能登仁行和紙を使った他にはない里山の自然を感じられるオリジナルの襖をつくることに。三代目の遠見さんから話を聞き、奥能登アーキの越田君がイメージを描きました。使う植物はナンテンと雪割草に。これを遠見さんが漉いて、建具屋さんにお願いして出来上がりになるのですが、完成するのが今から楽しみです!(山本亮)