2020/06/12 17:06

●クラファンにどのような可能性を見出せたのか?
  現在のコロナ騒動からも痛感するように、国や自治体からの支援金も広く薄くは届くものの、原理原則は、自力で「生き延びる」しかない。企業などの組織体でも個人でも同様である。そのため、働いて稼ぐ以外は、自力で資金調達するためには、金融機関からお金を借り入れるか、仲間からお金を調達するか、いずれかであろう。今回のコロナ騒動で、後者の手段としてクラファンを選択するケースがあちこちで当たり前にみられるようになった。仲間と言っても、親しくしている仲間を超えた、広く市民(クラウド)への呼び掛けである。TVや新聞などでも連日クラファンによるプロジェクトの紹介がされるようになり、急速に知名度が高まっているように感じる。

  クラファンの可能性について、当たり前のことも含めて、次の8つにまとめてみた。...
1. フィンテック(金融技術)を使っていること
 これまでも寄付金を募ることは当たり前にあった。従来、手紙や直接お宅や事務所にお伺いして、また、駅前など街頭に立って寄付の呼び掛けを行うなど、とても手間暇やコストが掛かるものであった。ただ、フィンテックを使用することで、ネットを通して、人と人の距離を縮め、自分の想いを伝え、誰もが気軽に資金調達と同時にファン作りをできるようになった。資金調達の進捗状況やどれくらい支援者(応援団)がいるのかも、瞬時に様子を伺えるため、リアルなプロジェクトに関われる面白さがある。

 2. 人に対する純粋な投資であること
 金融機関で資金を調達すると、利子を付けて返済をしなくてはならない。つまり、金融機関は、あくまでもプロジェクトへの出資に対して相応の利益を得られることを目的とした投資となる。返済能力も大きく問われるため、相応の担保が無い限り、資金調達は難しい。
 一方で、クラファンは、応援型の投資であり、プロジェクト遂行による個人の成長や社会変革などの期待に対して資金を提供することが主たる目的となる。担保も必要ないため、リターンによるお返しをきちんと行えれば、保有資産が0であっても、志や信頼(人との繋がり)が資金調達の最も重要な要素となってくる。よって、金融機関とクラファンでは、出資の意味合いが全く異なってくる。
  また、主な金融機関は大きな社会構造の中での企業体であるのに対して、クラファンは個々の市民が出資者となる。中央集権型の企業と草の根のコミュニティレベルの民衆による資金提供では、顔の見えるお金かどうか、お金の「優しさ」も含めて、性格は全く異なってくるのである。

 3. 自分の想いをPRできる
 クラファンは資金支援の呼び掛けと同時に、自分がこのような生き方をしたい、このようなサービスを提供し始める、という事をPRする絶好の機会ともなる。ビジネスなどを自己資金でひっそりと始めるのも一つのやり方ではあるが、例えばスタートアップ時に、資金調達とPRを同時に行える点で、小さく産んで大きく育てるのに適したツールである。金融機関からの資金調達では、PR(広報)は、全く別の手立てを考えなくてはならない。

 4. マーケティングに優れている
 クラファンでは、資金支援の対価としてリターンを求められる。これからビジネスを始めるのであれば、どのようなリターンが人気があるのか、リターンの価格設定と併せて調査することができる。人気が無ければ価格設定が間違っているか、そもそもニーズがないか、どちらかであり、その商品の販売戦略を見直すのに大いに役立つ。また、同時に年代や性別などのデータも手に入るため、それらも加味した販売戦略の参考になる。

 残り4つの可能性については、明日Part3でご報告させて頂きます!全部で5,000字近いレポートになってしまったため、3分割とさせて頂きます。

では、残り55時間!最後の応援を宜しくお願いします!
https://camp-fire.jp/projects/view/240057