▼ご挨拶
はじめまして、古代演劇クラブと申します。私たちは、東京大学の学生を中心に活動している劇団で、古代ギリシャ演劇を当時の言語で上演する活動をしています。
▼これまでの活動
古代演劇クラブは、東京大学西洋古典学研究室および駒場キャンパスで活動する劇団の学生を中心に2014年に結成されました。これまでに取り組んできた作品は、紀元前4世紀末~3世紀初頭のアテネで活躍した喜劇作家メナンドロスの『エピトレポンテス(辻裁判)』と『デュスコロス(人間嫌い)』で、それぞれ一貫して古代ギリシャ語(日本語字幕を舞台上に投射)で上演を行ってきました。西洋古典学の専門家の協力を仰ぎながら、俳優をはじめとして確かな実力を備えた劇団のスタッフとともに古代ギリシャの演劇を現代日本での鑑賞に耐える形で蘇らせ、各所で高い評価をいただいています(参考:前演出の取材記事)。
2015年9月には京都大学で遠征公演を行い、予想を越えた多くの方々にご覧いただいたほか、同11月の駒場祭では俳優・演出家の佐藤二葉さんに作曲・竪琴演奏でご参加いただき、『デュスコロス』に歌を取り入れた上演を実現するなど、新しい試みを続けてきました。また過去の公演作品については、以下のようにYoutubeにて公開しています。
2015年11月駒場祭での『デュスコロス』第1幕。メニューより字幕表示可。
▼招聘の経緯と公演内容
Youtubeに投稿した公演動画は多くの海外の方にもご覧いただき、古代演劇クラブはこのたび、アポロンの聖地として知られるギリシャ共和国デルフィで今年7月に開かれる演劇祭「ANIMART」からの招聘をいただきました。この演劇祭で、これまで取り組んできたメナンドロスの『エピトレポンテス(辻裁判)』を7月15日(前後の可能性あり)に上演する予定です。しかし残念ながら、渡航費については自己負担ということで、そのすべてを自分たちで賄うのは難しい状況です。そのため、是非皆様のお力をお借りしたく、このプロジェクトを立ち上げさせていただきました。
今回公演作品『エピトレポンテス』。作品の全体はパピルスの激しい損傷による台詞の欠落などにより現代に伝わっておらず、上演が可能な第2幕~第3幕の上演。
▼資金の使い道
基本的には以下のメンバーの渡航費の往復分にあてることを想定しています。
櫻井理沙(演出)
佐藤二葉(ハブロトノン/シュロスの妻役)
西村蒼(スミークリネース役)
川嶋晃仁(ダーオス/オネーシモス役)
田中健介(シュロス役)
都倉宏一郎(舞台監督)
竹村健司(舞台美術)
國江悠介(舞台美術)
本田拓也(制作)
沼大地(代表)
以上計10名、各8万円の総額80万円を、公演成立に必要な最低限の額として目標額に設定しました。これは航空料金のすべてをカバーできる額ではなく、また衣装、仮面、舞台美術等の製作にかかる予算はこれに含まれておりませんので、もし80万円を上回る額の支援をいただくことができた場合は、それらの用途にあてさせていただきます。
▼リターンについて
公演終了後に報告書を作成し、支援をいただいた方すべてにお送りします。単に公演作品の解説や旅行記的な内容にとどまらず、それに加えて古代ギリシャの演劇を原語で、さらに現地で上演するという、日本で他に例を見ない企画について、これを作り上げ、実現させるに至る過程で得た経験や知見を、メンバーそれぞれの立場からお伝えすることで、ここでしか読めない内容に仕上げます(現在話されていない古代ギリシャ語の韻文を覚えて演技をするとはどのような体験か?ト書きのない原典からどのように演出を組み立てるか?衣裳や仮面の製作について、などなど)。
さらに多額の支援(3万円以上)をいただいた方のうち、ご希望いただいた方にはこの報告書にご自身の事業、作品等の広告を掲載いただけます(※)。報告書をお読みいただく方の中に多くいらっしゃると思われる、古代ギリシャの歴史、文化、神話や、広く演劇一般に関心のある方々に、ご自身の活動を知っていただくことができます。
報告書のほかにも、1万円以上の支援をいただいた方には5~6月に稽古場をご見学いただけます(都内。平日、土日の候補日をそれぞれ設けます)。
また、10万円以上の支援をいただいた方には古代ギリシャ語でのビデオレターをお送りいたします(媒体については応相談。基本的にDVDの郵送を想定しています)。
▼最後に
以上の通り、このキャンペーンの資金の用途は主に私たちの側で負担する必要のある渡航費です。しかし、滞在費については、すべて演劇祭側がご負担下さるという、現在のギリシャの状況および、私たちがプロではなく学生の劇団であることを考えれば破格の条件をいただいております。そのようなご申し出にお応えして公演を実現させるべく、資金について私たちとしても様々な方法を試しましたが、公演が近づく中クラウドファンディングという手段で不特定多数の皆様に支援をお願いすることを決めました。ギリシャ公演実現のため、何卒よろしくお願いいたします。
※広告の掲載データは各自ご用意願います。広告対象や内容は自由です。ギリシャや演劇と直接関係のないものでも構いません。ただし、様々な方がご覧になる報告書に掲載するものとして不適切と当方で判断したものについては、修正をお願いしたり、返金のうえ掲載をお断りしたりする場合がございますので、予めご了承ください。
最新の活動報告
もっと見る報告書およびその他の情報発信について
2017/10/04 21:44こちらの活動報告は支援者限定の公開です。
公演成功、帰国
2017/07/23 22:45去る7月17日、古代演劇クラブは、ギリシャ3都市(ブリリシア、オリンピア※、デルフィ)での公演を終え、無事帰国いたしました。おかげさまで、各ステージとも予想以上にたくさんの現地の方々にお楽しみいただくことができ、私たちとしても大変幸せな公演となりました(写真はオリンピアでの終演の際の模様)。パトロンの皆様におかれましては、本公演に向け、古代演劇クラブをギリシャへ送り出してくださり、誠にありがとうございました。報告書の作成については、9月末頃の発送を目処に進めさせていただきますので、今しばらくお待ちくださいますよう、よろしくお願いいたします。 ※公演前に誤ってピルゴスとお伝えしていましたが、実際の会場はオリンピアの市庁舎前広場でした。 もっと見る
ギリシャへ!
2017/07/08 21:45皆様のご支援のお蔭をもちまして、古代演劇クラブは明日ギリシャへと発ちます(帰国は7月17日)。 招聘側の皆様のご尽力の結果、ギリシャでは以下の都市で3回の公演を行わせていただけることとなりました。 7月11日:ブリリシア(アテネ郊外) 7月13日:ピルゴス(オリンピア近辺) 7月14日:デルフィ 衣装や仮面についても、おかげさまで大きな負担なく満足のいくものを製作することができました。写真右端のハブロトノンが着けている仮面は(本番では全員仮面を使用します)、建築学科所属のメンバーが俳優の顔面をスキャンし、これに合わせた形状に3Dプリンタで葡萄など古代に存在した紋様をテクスチャとして敷き詰めることによって製作しました。これらの技術なども、詳しくは報告書にて改めてお伝えできればと思います。それでは、ギリシャのお客様にお楽しみいただけるよう、全力で参ります! もっと見る
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