俺には家族と同じくらい大切なライブハウスが日本各地にいくつかあります。高松MONSTERもそのひとつです。正確に言えば家族と同じくらい大切なライブハウスの人がいます、かな。店長のけんたろうさんは俺の大切な家族です。血縁なんてないけど。
狂気じみてめちゃくちゃな人だけど目の奥はいつも真剣で優しくて、そして怯えてる。人が好き過ぎて人が怖いんだと思う。馬鹿みたいに優し過ぎるんだこの人は。損得抜きにアーティストに肩入れするもんだからたぶん貧乏くじばっかり引いてると思う。裏切られたり騙されたりたくさん悲しい思いもしてきたんじゃないかな。それでもこの人は人を愛することをやめないんだ。アーティストやファンに迷惑をかけたくないからって苦しくても笑うんだよ。本当の馬鹿だ。たまには自分のことも少しは考えろよ。
そんな男が珍しく電話越しに弱音を吐いた。「たとえモンスターが無くなっても兄貴達が帰る場所は俺がいつかまたちゃんと作ります!」って。馬鹿言ってんじゃないよ。諦めんのは早ぇよ。モンスターを皆で守ろうよ。そこには思い出が数えきれないくらい詰まってるんだよ。俺たちが死にそうな時、めちゃくちゃ助けてくれたじゃん。こんな時くらい仲間を頼れよ!って言いたかったけど言えなかった。そんな簡単な状況じゃないことは分かってたし無理をさせたくもなかったから。
数日経ってまた電話が来た。「兄貴は嫌いだと思いますけど、俺クラファンします。もう少しギリギリまで頑張ってみます。かっこ悪いことしてすいません!」って。
今回の支援企画の件、本人はめちゃくちゃ情けなくて悔しかったと思う。だけどそれでも皆に頭を下げてでも自分のライブハウスを守ろうと立ち上がった。仲間を信じた。かっこ悪くなんかないよ。ありがとね。未来のことなんて誰にも分からないけどもう少しだけ仲間を信じて踏ん張ってみよう。俺たちの四国の家が無くなると困るんだ。使ってないドリンクチケットもまだたくさんあるしな 笑
俺たちもそこで鳴らすまで踏ん張る。
また生きて会おう!
濱田(武蔵野RECORDS代表)