ここでは各返礼品と事業者の想いを紹介します。
初回は『拝宮(はいぎゅう)和紙の便箋セット』
ゲストハウスから約40分。『拝宮手漉き和紙工房』の中村功さん(71才)を訪ねました。
戦後約60軒の農家が副業として障子紙を製造していた拝宮地区ですが、現在生業として紙を漉(す)くのは、中村さんの工房一軒だけとなっています。
27歳の時、地元小学校の休校に『このままでは地域が衰退する』との想いで一念発起。地元の方に技術を学びながら紙漉きの世界へと足を踏み入れられた中村さん。挫折する経験もされたそうですが、趣味の釣りで大物のニジマスを釣り上げたことで思いとどまり、紙漉き歴は44年になります。
(開始1分で中村さんの想いが語られています*英語紹介動画です)
紙漉きの最盛期は、水温や気温が低く雑菌の少ない冬場。原料の楮(こうぞ)は自ら育て、天然のノリウツギをつなぎに使います。楮蒸し後に黒皮を剥ぎ現れる白皮が拝宮和紙の原料です。
今回返礼品は「シンプルな便箋セット」ですが、中村さんの作品は唯一無二。
全国で個展をおこなう陶芸家に触発され、地元に残る拝宮藍・柿渋・桜などで染め上げたり、楮・紅葉・草木を閉じ込めた『独創的な創作和紙』を数多く作られています。2階の保管庫には様々な作品が置かれており、足を踏み入れるだけでワクワクします。
インターネットが無かった当時。質感を訴えるには個展しかなく、日本全国ほかスペイン・イタリア・ロサンゼルス・サンフランシスコなど世界中で個展をされてきました。
ネット販売をされない中村さんの『拝宮和紙』は、来て・見て・触れて初めて分かるものです。コロナが落ち着きましたら、是非訪れてみてはいかがでしょうか?
故郷への想いが込められた中村さんの『拝宮和紙の便箋セット』です。
手に入れる機会の少ない拝宮和紙、是非手にとって頂きたい逸品です。