奈良県、安養寺のご住職「松島靖朗(まつしま・せいろう)」氏より、本プロジェクトに応援コメントをいただきました。
奈良の大仏さまのお膝元から
「大仏さま」といえば東大寺の大仏さまを思い浮かべる方が多いでしょう。奈良の大仏さまは、天災や流行病が広がった天平の時代、聖武天皇の勅のもと、行基というお坊さまがリーダーシップを発揮し、全国のべ260万人もの人々が力を合わせて建立された一大プロジェクトでした。鎌倉時代、平重衡の南都焼討で焼け落ちてしまった大仏さまを再建するために全国を勧進してまわった重源というお坊さまもおられます。
今回のプロジェクト、「奈良に大仏さまあるやん。天心くん、いる?」と頭をよぎったのが正直なところ。いやでもまてよ。毎月のようにお参りしている奈良の大仏さま、それを建立・再建するに至った人々のご苦労を自分がどれだけ理解できているかと問われれば、かなりあやしい。実際に大仏を建立するというプロセス自体を、現在進行形で拝見できるとすれば、今回の企画、また違った見方、関わり方ができるんじゃないだろうか。
これは!というアイデアを思いついても同じことを考えている人は何万人といるでしょう。でもそのアイデアを実行に移す人はその中の数人だけ。だから継続して、ブレずにやり続ければ、とんでもなく先へ進んでいけるのだと思います。菩薩行とはなんぞや?を語るお坊さんは多いけど、それを歩むお坊さんはほとんどいません。そんな時代を私たちは生きています。
この企画が多くの人々の目にとまり、余計なところが焼け落ちて、尊き仏さまが浮かび上がってきますように。奈良の大仏さまのお膝元から応援しています。
安養寺住職 松島靖朗
松島靖朗(まつしま・せいろう)
奈良県 安養寺住職。2014年、全国のお寺の「おそなえもの」を「おさがり」として「おすそわけ」する「おてらおやつクラブ」をスタート。国内で深刻さを増す貧困問題の解決のため、NPO法人や公的機関と協業するお寺の社会福祉活動として全国規模の活動を展開。2017年8月に特定非営利活動法人化。2018年度グッドデザイン賞大賞(内閣総理大臣賞)受賞。