今日は【夏至(げし)】の日です。
北半球では、日の出から日の入りまでの時間が最も長いとされる日です。
ヨーロッパでの巡礼中に撮影したお気に入りの写真をあげてみました。
今回の「コロナ大仏造立プロジェクト」は、大きく2段階に分かれており、その第1段階が、いま行なっている「勧進キャラバン」への支援募集になります。そこで今日は、「勧進キャラバン」の内容について、改めてお話をさせていただきます。
「勧進キャラバン」の実施には、いくつかの目的が含まれています。
・なくなった「モノゴト」への供養
・デリバリーの可能性
・全国各地のリアルな情報を発信
・大仏の先輩達への巡礼
・大仏に対する意見を集める
なくなった「モノゴト」への供養
勧進キャラバンを行う一番の目的は、コロナウィルスによって亡くなられた方々を御供養し、中止や延期になってしまったあらゆるイベント、残念ながら無くなってしまったお店や事業、コロナ禍の影響でなくなった多くの「モノゴト」を御供養することにあります。
キャラバンでは仏像を車に乗せてお連れします。いろいろな紙媒体などを貼り付けてもらうことで、気持ちの整理をし、新たな出発の機会にしてもらえたらと考えています。
そして、コロナウィルスにより亡くなられた故人の葬儀は、簡易的なものになってしまった場合が少なくありません。そのため、残念ながら葬儀に参列できなかった方、ちゃんと見送ってあげたかったという心残りがある方、そんな方々の溜められた想いを「手放して」もらうためにも、改めて供養儀礼を行わせていただきます。
キャラバンを終えた仏像は、最終的に造る大仏の中に収めることになります。
デリバリーの可能性
これまで僕たちが美術品を鑑賞するためには、自ら「3密」の場へ足を運ぶ必要がありました。しかし、コロナの影響によってどの美術館も客足が途絶え、新たにVR鑑賞の可能性が探られています。しかし、美術の重要な価値は「生で向き合うこと」にあります。このキャラバンでは、僕たちの作品も共に連れて行き、鑑賞してもらえたらと思っています。
これは、お寺にも同じく関わるテーマです。これまで体の不自由な方は、お寺まで行けないままでした。お参り先のおばあちゃんからも「もう足が悪くなっちゃったからね、最近お寺に全然行けていなくて、ごめんなさい。」との言葉を多く聞きます。そこで今回のキャラバンでは、僕たちの方から「仏像」を近くまで連れていって、目の前で手を合わせてもらえたらと思い立ちました。これからは、自らお届けする「アート」、自らお届けする「仏教」が必要になるはずです。
また、交通業界や観光業界、宿泊業界にとっては、この自粛モードを早く脱却したいところかと思います。そんな中、実際に全国各地を移動する僕たちの姿を見てもらう事で、自粛の空気を変えられる「きっかけ」を作れたらとも思っています。
全国各地のリアルな情報を発信
先日お伺いしたお寺の住職から、こんな話を聞きました。
「うちの町はまだ一人も感染者は出てないんだけどさ、お檀家さんたちが言うのさ。『仮にコロナに感染したとしても絶対に人には言えないよ。絶対にバレたくない。』って。もう、その心の働きが何よりも心配だよ。まずはさ、その不安な気持ちをなんとかしてあげたいんだよね。」
そんな話をしながら、この大仏造立プロジェクトに対して、大いに賛同を得て大きな支援をしてくれました。
小さなコミュニティでは、一度でもコロナ感染が出てしまった家は「村八分」になってしまうのです。コロナウィルスの感染は命に関わるものですが、それはあくまでも一時的なものです。しかし、「村八分」の烙印は今後も一生逃れられない、さらには子孫にまで影響する問題です。
そんな不安を和らげるためには、医療や科学では行き届かない「心のケア」が必要になります。そこにもう一度、しっかりと目を向けてもらうために、僕たちは動いています。
ニュースで流れてくる情報の多くは都市部の状況ばかりです。一方で、人口密度の低い小さな田舎町では実際に「どんな事が起こり、どんな悩みを抱いているか」を知る事ができていません。また行動の自粛モードが、その情報が得られる可能性を無くしています。
僕たちが行う「勧進キャラバン」では、道中で起きたあらゆることを随時配信していきます。日本各地をまわりながら、現地の人達の「リアルな気持ちや現状」を聞き、日本全国、そして世界に発信できたらと思っています。
大仏の先輩達への巡礼
僕は2012年、2ヶ月間をかけて、フランスからスペインへ続くカトリックの巡礼道「サンティアゴ・デ・コンポステーラへの道」を踏破しました。もちろん大変なことも多々ありましたが、宗教は違えども、旅で出会った人たちは皆、僕を温かく迎え助けてくれました。その際に僕が体験した出来事は、8年たった今、新たに始めるこの旅で活かせる気がしています。
今回の旅では、全国各地に存在する大仏をお参りする「大仏巡礼」も兼ねようと考えています。実は日本各地に、沢山の大仏が存在します。どうやら大仏を造るまでには、それぞれに全く違った物語が存在し、また、それぞれが抱える課題も色々あるようです。それらをリサーチすることで得た情報は、必ずや僕たちの大仏造立への手助けとなります。
また、日本中の大仏様に込められた「祈り」を少しずつ拝借させていただくことで、新たに造る大仏にも、「祈り」の力を引き継げたらと思っています。
大仏に対する意見を集める
そして、最後の重要な目的が、各地で出会った人達から、大仏に対しての意見を集める事です。
「大仏はどんな姿が良いか?」
「大仏はどんな大きさがベストか?」
「大仏を安置する場所はどこがいいか?」
あらゆる意見を聞かせてもらう事で、今、造られるべき大仏を見極められたらと思っています。
つまり、この先に造られる大仏を「みんなでつくる大仏」にするためには、非常に重要なのが「勧進キャラバン」の実施なのです。大仏の先輩達から学び、力を得て、皆さんが抱える様々な想いを日本全国/世界に届け、そして皆さんから直接いただく意見や祈りを活かして、共に「令和の新しい大仏」を作りましょう。