令和2年9月18日 (金)
会場:曹洞宗 雲厳山 崇賢寺
https://www.facebook.com/unganzansoukenji/
「勧進キャラバン」第9回目のイベントは、北海道名寄市風連町にある崇賢寺(そうけんじ)で開催させていただきました。こちらのお寺は曹洞宗で、住職の松樹恒史さんは同宗派の大先輩であるだけでなく、僕が務めているお寺と同じ地区でもあり、長い間お世話になっています。
AR大仏のやりとり
前田さんが何やら屈んで写真を撮っています。これは「AR大仏」のために、こまめに行っている撮影です。たびたび触れている「AR大仏」とは、スマホでQRコードを読み込むと、(スマホの画面上では)目の前に大仏が現れるというものです。「AR大仏」は、会場によって違った大仏が現れるようになっています。
手順を説明すると、
1、まず前田さんが作った「ミニ大仏」をぐるっと360度撮影する。
2、その写真を札幌にいるVR屋の「イエノブォーリー」さんにメールで送る。
3、イエノブォーリーさんが3Dデータに変換して、それが見られるURLを送ってくれる。
4、そのURLを「QRコード」に変換して、パネルに印刷。
5、来場者がその「QRコード」を読み込むと、目の前に大仏が現れる。
ちょっと難しく聞こえますが、キャラバン中はこんな風に遠隔のやりとりを毎日行っているわけです。
大般若法要
名寄市風連町にきました。北海道らしい非常に大きな境内のお寺です。住職はなんと除雪車も運転できるので、この敷地をご自身で除雪されています。
曹洞宗では「祈祷(きとう)」をする機会は少ないのですが、「転読大般若(てんどくだいはんにゃ)」という独特の法要があります。西遊記で知らせる三蔵法師が翻訳した600巻もある膨大な経本を読むという儀式なのですが、実際はその全てを読み切ることはできないので、経本をバラバラめくることで略して読む「転読(てんどく)」形式をとります。
今回は、住職のリズミカルな太鼓に合わせて般若心経を読む「転読大般若」を行わせていただきました。この先も曹洞宗寺院での法要では度々この形が登場します。
2月3日には、崇賢寺で今年の大般若祈祷が行われます。
「豊川稲荷大祭 大般若御祈祷会 コロナ終息疫病退散」
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それぞれの不安
こちらの会場では7名ほどの方が参加され、それぞれにチラシを貼っていただきました。
最後にお寺のご家族にお話を聞きましたが、とにかくお寺の行事は中止もしくは縮小せねばならず心配ばかりが募るので、今日のようなポジティブな趣旨のイベントはありがたいと仰っていただきました。
そして住職には、周辺から聞こえてくる意見について話してもらいました。
この町にはまだ感染者は出ていない。だけど、とにかく檀家のみんなが心配しているのは、「自分が町の感染者第1号」になることが怖い。それだけはなんとか避けたい。口々にそう言っている。コロナの怖さは、必ずしも「感染すること」自体じゃなくて、特にこんな田舎では「村八分」にされてしまう不安を募らせてしまうこと。
実はこの現状、他の県でも多くのお寺さんから聞こえてきたことです。
人口が少ない農村だからこその、都市部とは異質の問題が引き起こっていることを実感しました。
今回、取材にきてくれたのは「北斗新聞社」さんでした。
そして、イベント終了後に一つ、驚きの事実がわかりました。
実はキャラバンスタッフのワジー(和島ひかり)。彼女の親戚のお墓がここにあるというのです。彼女自身もご家族も札幌に住んでいるので、そもそもこの町に来ること自体が初めてなのですが、早速確認しにいくと、やはりきちんとあったみたいです。「こんな機会でもなければ、お墓の存在も知らなかったし、お参りできてよかった。」と喜んでいました。
また、この日は1つのアクシデントが。
ずっと記録や配信を担当してくれているバイナルマンの体調が急変したのです。どうやら「腹痛」と「だるさ」がどんどん酷くなっているらしく、とりあえず住職が予約してくれていたホテルで休むことにします。結局のところ、体調不良の原因は「昼に食べた魚にあたった」食中毒でした。きっと疲れが溜まっていたことも原因の一つだったのだと思います。
とりあえず、バイナルマンにはしばらく休養してもらうことにしました。
風間天心