「みんなのサマーセミナーin尼崎」開催に向けたクラウドファンド(以下CF)の挑戦も、早いもので残り1カ月を切りました。
ところで、このページで紹介しているリターン品はご覧いただきましたか?エコバッグやTシャツなどのグッズも多少はありますが、大部分を占めるのは「銭湯に入る」「銭湯を掃除できる」「校長になれる(&チヤホヤされる)」など、体験型と言えば聞こえはいいものの、形のないものが並んでいますね。
それもそのはず、サマーセミナーは手づくりのイベントとしてスタートしました。尼崎で活動している、あるいは尼崎で出会った人たちが、それぞれの特技を授業にしようと集まったのです。実行委員の顔ぶれは、大学生から福祉事業所の創業者、会社員にデザイナー、アクティブシニアまで実に多様。そして多士済々です。
私たちがこのCFのお返しを考えるにあたって真っ先に思い描いたのは、モノでのお返しは難しいということ(だって、おカネないですもん…)。代わりに、実行委員の特技や、それぞれが取り組んでいる活動に触れていただく機会をお返しにできないかと考えました。
今回は、公開されたばかりのリターン第2弾の中から、筆者が取り組んでいる「尼いも掘り体験会」というリターンをご紹介しましょう。
尼いもとは、江戸時代の終わりごろから、尼崎の臨海部で栽培されていたサツマイモです。風味と甘みがあり、毎年8月に収穫し初物として高値で取引され、地蔵盆にお供えされた「お下がり」を地域の子どもたちが楽しみにしていたという逸話が残っています。
しかし、昭和9年の室戸台風をはじめとする水害によって畑は甚大な被害を受け、やがて絶滅してしまいました。約50年の空白期間を経て復活しましたが、その背景には、風味を懐かしむ方々の声と、多くの方の尽力がありました。現在は、市内の小中学校を中心に栽培され、郷土を学ぶ教材として活用されています。
そんな尼いもに、直接触れるチャンスです。掘って掘って堀りまくる魅惑の半日を、ともに過ごそうではありませんか。
(サマセミ実行委員/尼いもクラブ 綱本武雄)