2016年の2月に、カナダからメープルシロップを製造する薪ボイラーを輸入しました。これは、アメリカ、カナダ以外で初めてのことだそうです。
アジアで唯一のメープル薪ボイラーです。
メープル薪ボイラーは現場で組み立てるので、ケベック州から70代のベテラン職人さんが、大沼に来て組み立ててくれました。
構造は、鋳物の薪ストーブの上に、直接樹液を入れる入れ物:Panがのっています
Panは二つに分かれていて、Pan1は、下面がデコボコになっていて表面積を大きくして、樹液の加熱効率を上げています(写真左奥)。
樹液が沸騰して、煮飛ばされてだんだん重くなってくると、手前側のPan2に移動してきます。Pan2の下面は水平で、最後にゆっくり煮飛ばします。Pan2の中でも、だんだん糖度が高くなって重くなってくると、手前側に移動して来て、糖度66%に達した時に、取り出します。
Pan1は、かなりぐらぐらと沸騰させます。
Pan2では、糖度が高くなってくると、泡がかなり細かくなってきます。
メープルシロップの沸点は107℃なので、温度を参考にしながら、糖度66%になった樹液だけ取り出します。取り出したメープルシロップは、2重のフィルターで漉します。
このメープル薪ボイラーで、メープルの季節に毎日100リットル〜400リットルの樹液を煮詰めます。
カナダ400年の歴史のあるメープルシロップづくりの智慧のつまったメープル薪ボイラーのおかげで、午前中に樹液を採取して、昼過ぎにメープルボイラーを稼働して、夕方にはだいたい火を止めることが出来ます。手間がかかり高価になりがちな国産メープルシロップを、多くのみなさまがお求めやすい値段にすることが出来ればと思っております。