ご支援をありがとうございます!事務局の栗林です。
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さて、氷室冴子さんについてです。氷室さんは、岩見沢東高校という公立高校の大先輩にあたります。私の国語の教科担任の先生が氷室さんを教えていたことがあるということで、いつも自慢話を聞いていました。そして、「俺は氷室冴子の『雑居時代』という小説に出ている。」と言うではないですか。読んでみると確かに、その先生と同じ名前のキャラクターが出てきますが、お金持ちの容姿端麗な御曹司の登場人物だったので、全てがモデルというわけではなさそうです。しかし、それ以外にも岩見沢名物の天狗まんじゅうが出てきたり、地名があちこち出てきたりして、『氷室冴子』という憧れの作家が、とても身近な人に感じられて、変な感じがしたことを覚えています。当時の岩見沢で、作家になることや芸能界や、スポーツ選手や、いわゆる子どもが憧れそうな職業につくには東京にいないとダメだと思っていました。夢を叶えるには、ふるさとから出ないと。氷室さんは実際、札幌へ行き、宝塚に暮らし、東京で最期を迎えました。インターネットも携帯電話もない時代、氷室さんはたった一人で時代を築くべく、岩見沢をあとにした。
当時は女性蔑視だってひどかったに違いないし(いえ、今もありますが)、現地にいって取材をしていくしか方法のない時代に、どんな勇気と知恵と、思い切りを持って切り拓いていったのか、想像を絶します。しかし、今は、どこに住んでいても情報の受発信ができ、必要なことを取捨選択できる自由があります。
氷室冴子青春文学賞は、エブリスタ様のご協力を得て、インターネット経由で小説を募集するという方法を与えていただきました。前取締役の芹川太郎氏をはじめとするスタッフのみなさまのご厚意と労力をもって実現したことです。これが、お互いに、どうなっていくのか?がみえないまま、氷室さんだから、ということだけでご協力いただいたこと。民間の会社としては大冒険だったとお察しいたします。今の時代ならではの方法論とみなさんの気持ちをもってはじまった氷室文学賞。氷室冴子が想像していなかったであろう今の時代のやり方で、氷室冴子を讃えることができることを、なんとしても継続させなくてはいけないと思っています。そして、どこにいても、作家になったり自分のやりたいことを続けて行くことを応援できる文学賞でありたいと願っています。
文学賞を創設して氷室冴子さんを顕彰したいと、氷室さんのご家族にお願いに上がった時、「自分の地元で今までそんなことなかったから、さえこちゃん、きっと喜ぶと思う。」と言っていただけたのが、運営上で苦心することがあっても、心の支えになっています。どうか、本賞を継続できる形にするために皆さんのご支援をお願いいたします。





