2020/03/20 09:00

『MYUシードルプロジェクト』およびシードルプロジェクトのクラウドファンディングに多くの皆様からご支援、ご協力を頂きましてありがとうございます。このプロジェクトは、事業構想学群大嶋研究室と食産業学群のボランティアサークル「みやぎ食の応援団」が共同で立ち上げたものです。「みやぎ食の応援団」のこれまでの活動について紹介いたします。

 宮城は「食材王国みやぎ」と呼ばれ、海産物、お米、野菜などおいしいものの宝庫です。観光にいらした方や、転勤で仙台に来られた方たちに、「食べるものが本当においしいですね!」とよく言われます。一方で、地元に住む我々は、普段食べているものが、どんなにおいしいかを実はあまり意識していませんでした。そこで、宮城のおいしいものを多くの人にもっと知ってもらい、地域を盛り上げる活動をしようと、2013年に宮城大学食産業学部の学生たちと「みやぎ食の応援団」を立ち上げました。最初に集まった学生たちは震災の年に入学し、復興を支援したいという強い気持ちがありました。その中で、宮城まるごとフェスタで宮城のお米の食べ比べ、食肉祭りでの仙台牛のPR活動など地元の食材を知ってもらう活動を次々に行ってきました。

着ぐるみを着て盛り上げました】

【食肉祭りに参加】

これまででもっとも大きな活動は、角田の梅を使って梅酒を作って販売し、その売り上げを被災地に寄付したことです。この梅酒には、「これからも、震災当時に手を差し伸べて下さった方の暖かさを記憶し続け、震災からの完全な復興という未来へ向かっていく」という、想いがこめられました。ラベルも宮城大学の学生がデザインしたものです。

【梅酒「これから」】

岸浪園(角田)の梅林を見学

さて、震災から9年が経ち、現在のメンバーが着目したのは、リンゴのお酒、シードルでした。宮城は、リンゴの生産量が全国で9番目ですが、生産地としての認知度は高くありません。その理由の一つとして、樹上で完熟させる生産法のため、非常に高品質でありながら、広域の流通に向かないという特徴が挙げられます。

私は、卒業生の亘理の結城果樹園からリンゴを購入していますが、そのおいしさに毎年驚かされます。しかし、どんなに高い技術で生産しても、リンゴには生食用として出荷できないものが一定割合出てきます。このようなリンゴは、リンゴジュースの原料として販売されますが、単価がキロあたり35円と大幅に安くなってしまいます。これを、シードルの原料として活用できると単価は倍の70円まで上げることができ、リンゴ農家の支援につなげられます。

そこで、これまでも食産業学部となじみのある秋保ワイナリーの毛利社長にシードル作りを提案したところ、大嶋研究室でもシードルの広報やマーケティングに取り組んでいることがわかり、一緒にやりましょうということになりました。これまで私たちが取り組んできた活動に加え、大嶋研究室の広報やマーケティングが加わることで、いままでにないスケールでのMYUシードルプロジェクトが始まりました。

これまでに、結城果樹園での収穫、秋保ワイナリーでのリンゴの洗浄・仕込みに参加し、さらに、シードルに合うメニュー開発にも取り組んでいます。宮城県産食材として有名なホヤと、辛口シードルの絶妙なマリアージュがメンバーのイチオシ!他にもおいしくて簡単にできるフードのレシピをネットで公開しますので、ぜひご覧ください。
シードルに合うメニュー作り

 今年のリンゴの品質は、活動に参加したメンバーが太鼓判を押しています。シードルは、発酵期間が2週間と他の果実酒よりも短いために、原料の品質がそのまま品質に表れやすいとされています。私たちが仕込んだリンゴが、どのようなシードルとなって生まれ変わるのか、私たちもわくわくしながら待ちわびているところです。一人でも多くの方に、この感動を一緒に味わっていただきたいとの思いで、クラウドファンディングを実施しております。是非ご参加いただいて、より多くの皆様にメンバーの想いがこもったシードルを味わっていただき、宮城のリンゴや宮城の食の素晴らしさを実感してもらえれば幸いです。