2015/10/13 00:21

日本画家の近藤 紫雲は,鎌倉材木座に隣接する逗子小坪で,関東大震災の津浪に襲われ、自らの体験を版画にして後世に残す為,地元の小坪に置いてきました。(プレゼントの絵はがき5枚セットのうちの1枚です)。
この「震後津浪襲来 逗子小坪所見」は,[絵巻物出版1926)]『大正震災畫集 第3集 』(国立国会図書館所蔵)として有名ですが,当初は「列車転覆大磯附近」『大正震災畫集 第4集』との2枚をセットにして,[日本版畫社(1924)](国立国会図書館所蔵)から販売されました。紫雲は,体験画と想像画をセットで販売したのです。列車転覆の写真をスケッチして,避難する人々の様子を想像して描いたことを,コメント付きの大正震災畫集に残しました。手前にある松の樹は、東海道の松並木とおもわれます。(東京都慰霊堂協会 復興記念館の『状況絵画』として2014年に展示されました。
(蟹江 由紀・蟹江 康光・布施 憲太郎,2015,紫雲の版画「震後津波襲来 逗子小坪所見」と逗子町小坪における1923年大正関東地震津波.歴史地震, 30, )







