2016/07/20 20:18

美しい樹木のロゴマーク。

そこには青い鳥の親子と、”Cinema Chupki"の文字が描かれます。

 

つい3週間ほど前、わたしたちシネコヤが、新たな映画館をつくるべくお知恵を拝借しに伺ったのが、

Cinema Chupki Tabata (以下 チュプキ)。

その名前が示すとおり、東京都北区 JR田端駅から歩いて5分の地にある映画館です。

映画館とは言っても、このチュプキはまだオープン前という状況。

実はチュプキもまた、シネコヤと同様、映画館づくりのまっ只中

さらにシネコヤと同じくクラウドファンディングによって、その工事資金を支援者からつのっている只中なのです。

↑↑防音工事中のチュプキの様子

 

 ただ、ひとつシネコヤと大きく異なるところがあります。チュプキのプロジェクトの進行状況は

シネコヤの数段先を行っている

ということ。

すでに募金活動によって1,500万円(!)を集め終え、メインの工事の見通しも立っており、映画館のオープンも今年の9月1日で決定しています。

 そして、シネコヤの数段先を行っているのは、工事の進行状況だけではありません。

「ユニバーサル・シアター」

誰にでも明確に伝わリ、誰もが応援したくなる、そのコンセプト。

 

チュプキとは9月よりオープンする映画館の名称であり、それを運営するのはCIty Lights (シティ・ライツ)というボランティア団体。

目の不自由な方々の映画鑑賞の機会を広げるため、音声ガイドや字幕朗読のサポートを通じ、視覚障がいの有無に関わらず、映画を共に楽しめる環境づくりにご尽力されてきました。

 今回の訪問でお会いしたのは、そのCity Lights代表の平塚千穂子さんと、City Lights事務局員であり、若干26歳でチュプキの支配人をつとめる佐藤浩章さんのお二人。

         写真右側から、佐藤さん、平塚さん↑↑

 このお二人とは、前回のレポートでもご紹介したUPLINKが主催する「未来の映画館をつくる」ワークショップの際にたまたまお会いしたのがきっかけで、今回、お忙しいなかにも関わらず、快く訪問を受けいれて下さることになりました。

いまから15年以上前に平塚さんがはじめた音声ガイドの取り組み。これが発展し、City Lightsはやがて映画祭イベントまで催す団体へ。そのイベントに興味をひかれ活動に合流したのが佐藤さん。お二人は2014年にCity Lights独自の上映スペースをオープンするにまで至ります。

ところが法律上の問題と、オーナーさんの事情によって、今年3月にその上映スペースは退去しなければならないことに。しかしお二人は、なんとそこから100件以上の物件を歩きまわり現在竣工中の物件にめぐりあったといいます。

そして9月オープン予定の新映画館では、これまでの音声ガイドの取り組みはもちろんのこと、聴覚に障がいのある方へ向けた手話弁士付き上映や、足の不自由な方に向けた車椅子スペースの設置、小さいお子さん連れでも気兼ねなく映画がみれる鑑賞スペースなど、まさに「ユニバーサル・シアター」を実現する構想が目白押しだといいます。

 

 

・・・さて、正直なことを申し上げますと、わたしたちシネコヤは、こういったチュプキの活動を知っていくなかで、実はある種の「ひけめ」のようなものを、自分たちの活動に感じていました。

 誰にでも明確に伝わリ、誰もが応援したくなるコンセプトが、チュプキにはある。

ではそういったコンセプトが、シネコヤにはあるのだろうか??

 そんな思いを頭によぎらせながら、平塚さん佐藤さんにお会いしに行ったのです。

 

ところが、ところが。

 

現在施工中の建物の様子をひととおりお見せ頂いたあと、事務所にお邪魔をし、平塚さん佐藤さんとの談笑で盛り上がっていくうちに、わたしたち…

映画館の話などそっちのけで、

お互いの人生のことを語りあっているではないですか!!

お2人はおっしゃいました。

「まずそこからでしょ!」と。

「人とのコミュニケーション、映画館でお客さんと語る、その人の人生の話が面白い」のだと。

↑↑「まずはそこからでしょ」と笑いの絶えぬお話の中で語ってくれたお二人

ああ、何か考える順番を取り違えていたのかもしれないな、と思いました。もちろんコンセプトは、大事。特にこうして皆さまにご支援をいただく場面にあっては、大事すぎるほどに、大事

でも、わたしたちがつくりたい映画館は、コンセプトから逆算されてつくられた映画館なのだろうか?もちろんそういう映画館も素敵だし、そういうスタイルの洗練も大切です。けれど、まずは映画館に足を運んで下さる方々の、その人生に開かれた映画館でありたい。もしかすると、コンセプトはそのあとに着いて来るのかもしれない。チュプキがまさに、そんな場所なのだから。

この日は、 互いの人生について語り合い、終始笑いまくりの1日でした。漫才コンビのような平塚さんと佐藤さんのやり取りからは、お二人の強い信頼関係を感じます。

こうして、「ひけめ」などという妙な思いはどこかへ消えさり、時を同じくして「映画館」という大プロジェクトに取り組む仲間のような、同士のような、そんな心強い気持ちになりました

 ああー楽しかった!平塚さん、佐藤さん、ぜひまた遊びに行かせてください。本当にありがとうございます!!

そしてそして、

「まずはそこからでしょ!」

そうなんです、本当に。

今週土曜、7月23日に行われるイベントについての再告知をさせていだきます!!

『それいけ!シネコヤ決起集会』

日時:7月23日(土)15:00~17:00

場所:カフェ香房 @鵠沼海岸駅から徒歩3分

予約:不要

参加料:無料(別途お飲み物をご注文いただかない場合)

カンダスタジオからはじまる新生シネコヤ、いったいどんな映画館ができるのか?その全貌が明らかに!!

誰でも出入り自由なワークショップと、誰でもしゃべりかけ自由なシネコヤ代表、竹中翔子。

どなたでも気軽にお立ち寄りいただけるイベントです。途中参加も大歓迎!!

 話を聞きにくるだけでも、お話をしにくるだけでも、様子見にいらっしゃるだけでも構いません。

イベントを通じて、シネコヤ代表・竹中翔子から新生シネコヤの展望を、ご紹介させていただきます。でもそれは肩肘はったものではなく。おいしい珈琲を味わいながら、それこそ本当に、ぜひみなさんのお話も、いや人生も、お聞かせいただきたいな。そんなオープンなイベントです。

↑↑イベントを開催するカフェ香房とそのマスター。おいしい珈琲と穏やかな雰囲気で出迎えて下さいます。

↑↑イベントの成功を祈りつつ、連日、鵠沼海岸の道行く方々へお声がけをするシネコヤスタッフ。立ち止まってお話を聞いてくださる方や、中にはドリンクの差し入れを下さる方も。

皆さまのご参加を、心よりお待ち申し上げております!!!