「私たち食事の後の会話ができないのよ」老人ホームのお婆さん達は たった1mの距離なのに会話に苦労していました。人生の最終ステージで会話が出来ない状態になってしまうなんて、想ってもみませんでした。そりゃあたいへんだ、なんとかしたいと試作したのが図のグループトークです。
テレビ番組と同様、胸元のマイクで声を拾って、全員がイヤホンで聞きます。双方向に声を伝えあうので、難聴者もはっきり聞こえ、話せます。
さっそく訪れて試していただきました。
両耳に補聴器。でも話しかけても反応が無い浅岡さん。
” こういうのが認知症なんだ ”と誤解していました。
補聴器を外し、試作機を使うと流暢に話し始めました。
「私はあいまいな事が嫌いで、聞こえないのにうなずいたり愛想笑いをしたりするのは嫌なの」「これは自分の声も相手の声も良く聞こえるので話しやすいわ」と始まり、認知症どころかとても聡明な人だと解りました。施設の職員も仰天です。
良質に拾った声を耳に再現すれば、高度難聴者もスムーズに話せる! 「会話器」の誕生です。
『これはホンモノ。拡めなさいよ!』と浅岡さんに背中を押されたと思っています。
以来6年 やっと「対話くん」という普及型の「会話器」を準備出来ました。そして既に沢山の高齢者に会話が取り戻せています。是非もっと広く知っていただき役立ちたいと思っています。ご支援、ご協力をお願い致します。