2015/06/17 11:13
今回の映画、「きみとみる風景」の
総合プロデューサーを務めさせていただいた
田谷孝幸です。
高山市合併10年記念映画「きみとみる風景」
東京上映にあたり多くの方にFAAVOを通じて
応援していただきお礼申し上げます。
合併10年を記念して、「高山を題材とした映画を
つくっちゃおう!夢とロマンにあふれた無謀な挑戦」と
銘打った製作宣言から1年余。
1年前の今頃は、どんなシナリオで、どこをロケ地に、
だれが出演して、そもそもだれが作るのさえも
決まっていない中で夢中ではなく霧中状態。
合併10年記念事業の催し物という
動機づけにすぎなかった映画は、
映画制作というプロセスを通じて人とのつながりを生み、
応援してみようという気持ちが広がり、
とてつもない大きなパワーを持った
映画へと成長していきました。
映画制作の経験のない実行委員会メンバーは、
たぐいまれなる感性を持った今西祐子監督と
出会えたのも奇跡と言えます。
そして、一般公募のオーディションに
地元出身者と地元在住者は「思い出づくりに
応募しただけなのに演技してと言われても・・・」
と照れながらも満足そう。
炎天下のなか、走り回ったロケ地ハンティング、
東京都とほぼ同じ面積をくまなく
巡るというのも無謀な話ではありました。
9日間という限られた期間での撮影。
移動に使ったマイクロバスの総走行距離は1,412km。
実に東京~鹿児島間に匹敵するものでした。
その間に、ふたつの台風が通過し、
山頂では熊と遭遇するし、
撮影そのものが奇跡の連続でもありました。
製作の期間中の昨年夏、飛騨地域に唯一あった映画館が
閉館となりました。東京都の二倍くらいの面積を有する
飛騨地域に映画館がなくなるという現実に直面しました。
この映画を地元の劇場で上映するという夢は消えました。
しかし、私たちは、だからこそ映画館のない地域に
住む子どもたちのために映画の灯(ともしび)を
消してはならない。
ささやかでも、そのきっかけとなるような
映画にしたいとの強い決意が生まれました。
そして、高山では現在、学校で公民館、福祉施設、
.喫茶店等々さまざまな場所でそれぞれの団体が自主上映。
4か月余のうちに34会場で上映され、今後も続きます。
そして、この映画は高山を飛び出し、
ついに東京上映が実現しました。
ぜひとも、東京上映を成功させ全国の方々にも観て欲しい。
この映画は飛騨高山の観光映画ではありません。
美しい自然、やさしい人柄、心地よい方言、
おいしい食べ物にあふれた映画。
その舞台は実は飛騨高山だっんだよと。
ぜひとも、映画館がなくなったまちの挑戦を
応援してください。
そして、この映画を愛して欲しい。
私たちの思いと活動は、いつの日か
もういちど銀幕が開く日まで続きます。