住民の皆さんと共に半世紀―。誰も孤立しないまちを本気でつくる。
赤い羽根の共同募金を実施している「岸和田地区募金会」の事務局、岸和田市社会福祉協議会(社協)は、昭和25年10月に設立した公共性・公益性の高い民間非営利団体です。
社協は、岸和田に暮らすすべての人が孤立せずに、居場所と生きがいを持って安心して暮らせるまちづくりを進めています。
福祉のプロが暮らしの困りごとの相談を受けて解決策を一緒に考えたり、ご近所同士の支えあいのしくみづくりやボランティア活動の支援をしています。
近年、核家族化が進むにつれ、保護者が一生懸命働いている間、子どもたちが安心して過ごせる居場所が少なかったり、「孤食」の状況にある家庭も増えています。お一人暮らしの高齢者も同様に増えています。
そんな今だからこそ、地域まるごと大家族になって、誰もが集まれるリビングや食卓をつくりたい。そんな思いで平成27年にこのプロジェクトを立ち上げました。
現在、市内9ヶ所で、このプロジェクトからの助成を受けた居場所がオープンしています。
あの子にも届けたい!「一緒に食べよ」と言える場所。
岸和田でまちづくりに関わる中で、わがまちにも、孤立しがちな子どもたちが少なからずいることを実感。「これはほっとかれへん!」という思いから、社協内のプロジェクトチームで、市民の皆さんと一緒にこの課題に取り組もうと動き出しました。
学校の先生へのアンケート調査でも、子どもたちの食生活が偏りがちになっていることが気になっているという声が上がりました。
そして、地域では、孤立しているのは子どもだけではないという現実もあります。
高齢な人も、子育てをがんばるパパ、ママたちも、そして30代、40代のサラリーマンも、みんなが地域のつながりの中で「ひとりじゃない」と思える居場所をつくりたい。
この2年で、居場所は9ヶ所に増えました。
けれど、まだまだ十分とは言えません。
小学生の子どもたちは、自分たちが住んでいる小学校区を越えて出かけるのにはいろいろなハードルがあります。
現在の9拠点は同じ校区内にあるものもありますので、校区としては8校区。
私たちは、必要に応じて、残りの16小学校区でも、地域の皆さんと共に居場所づくりを進めていきたいと思っています。
例年、岸和田地区募金会では、郵便振替の寄付お願い用紙だけでの募集をお願いしておりましたが、昼間は郵便局まで振込みに行けない若い世代の皆さんにもこの居場所づくりに参加していただくために、今回クラウドファンディングに挑戦してみたいと考えました。
つくりたいのは地域ならではの居場所。決まった答えはない。
今オープンしている9ヶ所の居場所は、本当に多彩です。
◎ポカボーキッチン (岸和田市野田町1丁目5番5号 福祉総合センター内)
◎ほっとハウスやまだい
○岡山青年会場 (岸和田市岡山町450)
○三田町 きゃべつ畑 (岸和田市三田町696-3)
◎COOKING SCHOOL ULU (岸和田市宮本町46-2 南海岸和田駅高架下交番となり)
◎食堂ほっこり (岸和田市下池田町1-9-21)
◎白ゆり子供食堂 (岸和田市下池田町2-2-13)
◎春ちゃんキッチン (岸和田市春木本町15-20 )
◎ナイトリビングDANCHIカレー亭 (岸和田市荒木町2-22 府営荒木住宅)
◎すまいるキッチン (岸和田市土生町2-30-28 ドミール橘土生Ⅰ 1F)
◎いいね きーたん (岸和田市吉井町1-21-1 城北地区公民館)
拠点についても、市立福祉総合センターをはじめ、民間で運営されている高齢者のデイサービス施設や障害者の作業所などの福祉施設、地域の公民館や町会館、元飲食店、居酒屋など、実に多様です。
お料理教室形式で、子どもたちも簡単に作れるメニューをみんなでにぎやかに作ったり、公園で昔遊びをして思いっきり遊んだり。
▲COOKING SCHOOL ULUでのお料理教室
▲昔遊びの様子
アットホームな雰囲気で宿題をしたり、テーブルゲームを楽しむ居場所も。
1年前に立ち上げた当初は大人だけでごはんを作っていた居場所でも、子どもたちが「私らも手伝いたい!」「やってみたい!」と調理に参加する様子が見られるようになりました。
利用いただいている保護者の方からは、こんなお声もいただいています。
『子どもたちが親以外の地域の皆さんにこんなに大事にしてもらえるのが本当にあったかくて、ここにくるとホッとします。』
『徐々にスタッフの方に自分のしんどい気持ちも言えるようになってとても楽になりました。』
新たに立ち上げる拠点でも、その地域に暮らす子どもたちの様子や、運営するスタッフの「得意なこと」をベースに、みんなの思いを大切にしながらその地域にあった居場所をつくっていきたいと思います。
共通しているのは、「みんなでつくる」こと。運営側とお客さん、ではなく、子どもたちや保護者にも、同じ地域で暮らす人みんなが関われるような居場所づくりを目指します。
垣根を越えてつながりと笑顔が生まれる居場所づくりを。
子どもたちを真ん中にしながらも、いろいろな世代の住民の交流の場、生きがいづくりの場として、一緒に食事をつくったり自由に過ごせる居場所づくりを目指します。
対象を子どもだけに限定するのではなく、目指すのは親も含めた「孤立を防ぐつながりづくり」。居場所で顔の見える関係ができることで、親世代も地域とつながることができて、日々の暮らしの中でのコミュニケーションにもつながります。
「地域ならでは」の素人性と「支え合い」のあったかさ、そして困りごとやSOSをすばやくキャッチしたら、そこからは専門職がしっかり支えるセーフティネットの両輪で大切な子どもたちを育みます。
地元の青少年健全育成団体(青少年指導指導員・子ども会・PTA・青年団協議会)や、子どもの居場所づくりに関わっている元気なあったかい岸和田「志」民が応援団となってみんなでつくるプロジェクトです。
大阪府南部に位置する「城とだんじりのまち」岸和田
最後に、ご存知でない方もいらっしゃるかもしれませんので、ここ岸和田の紹介をさせていただきます!
岸和田市ホームページ(https://www.city.kishiwada.osaka.jp/soshiki/3/city-profile.html)より
「岸和田といえば・・・だんじり!」というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、岸和田にお城があるというのは意外と知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
人口19万人、大阪の南部に位置するまち岸和田は、江戸時代に5万3千石の城下町として栄え、“だんじり祭”とともにさまざまな文化や建造物、そして人の和を大切にしてきました。
▲風情ある紀州街道の街並みをかけぬけるだんじり
また、文化や歴史、だんじり会館などの観光施設だけでなく、海から山までの豊かな自然に恵まれ、海産物、農産物も豊富です。
▲伝承では、建武新政期に楠木正成の一族、和田高家が築いたといわれている岸和田城
▲岸和田で開発された、衝撃のにんじん「彩誉(あやほまれ)」
ぜひ皆さん岸和田の魅力、実際にお越しになって感じてみてください!
今後のスケジュール
○1月~(毎月1回) プロジェクト担当スタッフ会議
○2月26日 リビング・子どもの居場所フォーラム
(市民への寄付と新規拠点立ち上げの呼びかけ)
○3月4日 チャリティバザー
○4月 新規拠点立ち上げ団体の公募
○5月~平成31年3月 社協スタッフによる新規拠点立ち上げ団体への伴走型支援と助成
集まった支援の用途とその内訳
実際に必要な費用は400万円ですが、今回クラウドファンディングで集める費用は125万円です(手数料25万円を除く100万円が直接プロジェクトに活用させていただく金額となります。寄付を募るのに必要な経費としてご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。)
主に、新規の居場所立ち上げへの支援や、子どもに対して適切な関わりができるスタッフを育成するための人材育成の取り組みに活用させていただきたいです。
【30年度に新たに立ち上げる居場所に必要な経費(3ヶ所)】
研修費 10万円
広報費 10万円
食材費 40万円
備品費 20万円
その他居場所運営に必要な費用(高熱水費等) 20万円
「一緒に食べよ」から「ちょっときいて~」
「一緒に食べよ」から始まって、「ちょっときいて~」と何気ない会話から困りごとを相談しあえる関係づくり。
困ったことやつらいことをひとりぼっちで抱え込む「孤立」はあらゆるの問題を重篤化させていきます。
地域で大人も子どもも「ひとりじゃない」「ここにくれば誰かと会える」という居場所をつくることは、きっと誰にでもやさしいまちづくりにつながると確信しています。
ぜひ皆さんの「ほっとかれへん」気持ちをください。よろしくお願いします!
応援コメントもいただきました!
社会福祉法人阪南福祉事業会
幼保連携型認定こども園山直南こども園
坂本 道子氏
こどもは国の宝です。
こどもを見ればその国の行く末が見えるとまで言われていますが、そのこどもが戦後の出生率の低下で国の将来が危ぶまれています。
また、現在では、親たちの社会参加で国が栄え、家庭も豊かになる一方、親子が一緒に過ごす時間が十分にとれない状況も生じてきています。
私は50年近くそんな親御さんたちを迎え、送り出す保育の現場で時代を見つめてまいりました。
こどもも、小さいうちは親御さんと保育士の間を行き交い、愛に満ちてすくすく成長してくれるものの、親御さんの悩みはそれからです。
こどもの就学後、どの家庭も父や母、祖父母も、年齢を問わず一丸となってこどもを支え、成長と共に精神衛生をも気づかいながら仕事、子育ての両立を計ってこられています。
今、こどもの孤立化が社会問題になりつつあります。親御さんがどんなに頑張っても担いきれない部分が生じています。ややもすれば今まで守ってきた子供の健全育成が音を立てて崩れてきそうです。
国の繁栄は、こどもの教育、しつけ、食生活からと見ている私は、地域社会にこどもの孤立や無関心が広がらないよう、今後、地域の応援隊の一人として、働く親御さんたちが安心できるこどもの居場所づくりに、皆様方と共に力を注いでいきたいです。
皆さまどうかご一緒ください。よろしくお願いいたします。
岸和田市立北中学校
校長 松田 篤人氏
岸和田に勤務するようになり30年がたちました。
岸和田は祭の関係もあり、今一般に言われる地域社会での縦のつながりが希薄になるなかこの地域の絆はとても強いと感じます。
ただ、子どもたちがおかれている状況は厳しいものがあります。
中学校では昨年度途中から給食がはじまりその一食で助かっている子どももいるという状況です。
そんな中で地域の強みを発揮していただき、子どもたちの居場所をもっとつくっていただければと感じています。
学校だけでは子どもたちの安定を築いてあげることは難しいのが実状で、地域に働きかけて子どもたちのサポートを一緒にしていただければと思い、今、校区内の居場所づくりの活動にも協力しています。
学力面においても生活が安定することはとても大切です。
ただご家庭の中だけでは難しい部分もあるので、安心できる場で学習したり、地域の中でご苦労をなさってきた方々の話を聞けるよい機会を作っていただければ、子どもたちの未来は明るいと感じます。
子どもは必ず大人になります。
この地域は特にだんじり祭の関係もあり、大人になってもこの地域で暮らす人がたくさんいます。
この活動により多くの方に協力していただき、子どもたちが安心できる明るい未来に向かってさらにより良い地域づくりができるように活動にご協力ください。
よろしくお願いいたします。
起案者情報
【団体名】岸和田市社会福祉協議会
【代表者】根来 勝
【担当者】青山 織衣・中川 真実子
【facebook】社会福祉法人岸和田市社会福祉協議会
最新の活動報告
もっと見る目標金額達成しました!!
2018/02/28 20:53本当に本当にありがとうございました! 残り数時間での急なご案内にもかかわらず、ご協力いただきました皆さま、これまでご協力していただいた皆さま、誠にありがとうございました! ご協力いただきました皆さまにはあらためて御礼させていただきます。 まだ3時間ほど残っておりますが、引き続きご協力のほどよろしくお願いいたします。 (岸和田市社会福祉協議会 ファンドレイジングチームスタッフ一同) もっと見る
目標達成まであと少しです!
2018/02/28 18:211月11日から始まったクラウドファンディングも、いよいよ本日最終日。 残り時間はあと6時間となりました。 28日18:00現在、達成率は92%と、あと一歩です。 ラストスパート、オール社協で総力をあげ皆さまに個別でお願いをさせていただいてきました。 急でしつこいお願いにも快く応えてくださった皆様、本当にありがとうございます! そして、何よりも一番の驚きは、私たちからの呼びかけに応えてくださった皆さんが、またご自身のお知り合いに応援を呼びかけてくださっている方が思った以上に本当にたくさんいらっしゃることです。 岸和田の子どもたちやまちへの思いが、人から人へ伝わっていくことのあたたかみと心強さを感じながら、私たち社協スタッフも、最後まであきらめずによびかけを続けたいと思います! 皆様、あと一押しのご支援、どうぞよろしくお願いいたします! (岸和田市社会福祉協議会 ファンドレイジングチームスタッフ一同) もっと見る
現場の声シリーズ第7弾「ほっとハウスやまだい」
2018/02/27 12:08クラウドファンディングの期限もいよいよあとあと1日となりました。 いろいろな形でご支援いただいている皆さま、本当にありがとうございます。 さて、現場の声シリーズの第7弾は、このプロジェクトを立ち上げた当初からずっと社協と共にこの課題に取り組んでくださっている、「ほっとハウスやまだい」の代表、河合建緒さんからのメッセージです。 ずっと子どもたちに寄り添い続ける河合さんのメッセージは、本当に地域と、子どもたちへの想いが詰まっています。 ぜひお読みいただき、引き続きのご支援、お願いいたします! ********** 一昨年の夏頃に、地元の公園で夜一人で遊んでいて気になる子どもがいるという相談が私に入りました。 普段から「地域の子どもは地域で育てる」「子どもの居場所をつくる」ということを大切に活動をしてきたので、このことをきっかけに、何としてもこの地域に子ども食堂を立ち上げようと決心しました。 私たちの地域でも、両親が共働きで帰りが遅く、親の帰宅時にはすでに子ども達は疲れて寝ていたり、保護者が夜に働いていて、夜は保護者がつくってくれた夕食をあたためて食べたりコンビニで買って食べたり、子どもだけで過ごしている家庭も多いのが現状です。 そんな中で、一昨年の秋に子ども食堂ほっとハウスやまだいを岡山町、三田町2箇所でオープンし、私が現在代表をしております。 今年でオープンから1年半経ちましたがボランティアスタッフ不足、食材の提供等がまだまだ必要です。 我々の取り組みにご理解ご協力を何卒お願いしたいと思っております。 ほっとハウスやまだいでは、毎週(木)17時から19時半までの間で開催し、大体小学生をメインにして約30名程参加者があります。 17時前になると子どもたちは続々と集まり、学校の宿題をしたり大人とゲームをしたりたまに工作したりと色々と遊んでます。 18時過ぎになると晩ごはんができて来るのでみんなで集まって、「いただきます」を言って感謝して食べることを大事にしています。 食べたあとも遊んだり勉強したりして楽しく過ごします。 最近では子どもたち自ら調理の手伝いや配膳、片付けを手伝ったりボランティアスタッフとのコミュニケーションもできてきたようです。 調理担当のボランティアの皆さんも、毎回子ども達に喜んでもらおうと季節の食材を取り入れた料理や煮炊きものをしたり、昔ながらの家庭の味とゆうものを工夫して子どもの口に合うよう調理してくれています。 今の子どもたちはPC、スマホ等でのゲームやSNS関係が発達してきて、それがあれば一人で遊べる時代になっています。 そんな中コミュニケーション不足の減少から、孤立したり、犯罪につながるようなことも起こっているように思います。 核家族が進行し子どもたちの心が荒んでいくことを危惧しています。 我々「ほっとハウスやまだい」では、地域の子どもたちは地域で育てる子どもの居場所づくりを推し進めて行く所存です。 こうした居場所を新たに立ち上げていくためにも、皆様のあたたかいご支援ご協力の程よろしくお願い致します。 (やまだいっ子を地域ではぐくむ居場所づくりプロジェクト実行委員会 代表 河合 建緒) もっと見る