手織り布で服をつくって、毎日着よう!
こんにちは。はじめまして、橋本尚子(はしもとひさこ)と申します。 東京の婦人服アパレルメーカーでデザイナー兼パタンナーとして8年間勤務した後、職を変え沖縄に移住、約16年がたちます。「工芸をもっと身近に!『染織王国沖縄』らしく、手織りや手染めの布を日常着として着てほしい!」 そんな想いから“布を遊ぶように着る”『布遊SOU』を立上げます。
沖縄は、染織・陶器・漆器・ガラス・金細工と工芸が盛んで、染織に関しては『染織王国沖縄』との異名もあるほど素材と技法が多岐にわたり、伝統工芸品として認定されている染めは11品目中1品目、織りは36品目中11品目(2014.11.26現在)にも及びます。その技術習得のために染織の各組合では後継者育成事業なども行われ、県外からは技術習得のために来沖し そのまま移住する人も増えています。一方で、全国的な着物から洋服への文化移行は手織りの衰退へとつながり、生産しても売れない、技術は習得したものの続けられない、観光県沖縄としてお土産品の需要があるかと思えば、安価な類似品に市場を奪われるという状況に陥っています。
観光などの流動的な産業に影響されず、継続的に、手織りや手染め布をつくり続け、伝えていくために、私に何ができるか。 高価な手織り布も、使い捨てではなく、使い尽くす服を作れば、日割り単価は低くなる。 せっかくの手織り。隅々まで無駄なく使い、布の経年変化を楽しめるデザインを考えよう!そう思いました。
手入れが面倒と聞くけれど、昔は日常に着ていたもの。今も日常に着られるはず。 日常着だもの。多くのデザインを持つより、快適に過ごせる1着を持てばいい。魅了された素材で1着だけ服を作り、一日の終わりにお風呂に入ったついでに洗い、干して翌日もしくは翌々日にまた身にまとう。 その布が柔らかくなって、身体に馴染んでくる時間を共にし、一緒に育って行ける服を日常で着てほしい。
そのために、初回生産資金の一部を、FAAVOにて募らせて頂きたいと思います。 沖縄の染め織りの素材と技術を伝え続けるために、『布遊SOU』の活動を、どうか応援してください。よろしくおねがいします。
手織りの技術を未来に繋いでいくために手織りを使う
その昔、国内外問わず、どこの家庭でも「家族の着るものは自分達で作る」ことがあたりまえだったと思います。 特に沖縄はその時代に加えて交易の時代があったからこそ、素材と織り技法が多様さを増しているとも言われています。 家族のものを作る。特別な日のものを作る。その精神は細かな作業も労力をもいとわない、何にも変えられないものを産み出します。
わずかではありますが、今日もその布の未来を想い描きながら織りあげられている布があります。 機械織りの生地や製品の溢れる時代に産まれおち、手織りの時代があったことなど知らずに育ち、幅100cm以上の「布」を切り刻み、洋服を作る仕事をしていました。
「糸を動植物から採る」という作業を、断片的にではなく、一連の流れとして知ったときの衝撃とその尊さ。 「モノを大切にする」ということを上っ面でしか理解していなかった自分の愚かさ。 モノを余るほど作り、使い捨てる産業構造が発展なのかという疑問。 自然の中から頂いた素材は、成長の度合いやその年の気候や環境によって太さや固さが異なるそうです。 しかし、その不均一なものを素材としても、人の手が作りだすモノは時に機械よりも精密であったりします。 また、人の手は糸の具合を見ながら、臨機応変に加減することもでき、創造性のおもむくままに変化させていくことも可能です。
▼手織りに係わる作業風景
誰もが布づくりを出来ない今、その技術を未来に繋いでいくためには、機械を残すことよりも、その技術を残すことが必要で、そのためには需要のある、継続的に必要とされるしくみを作っておかなければならない。 そういった考えが、手織りや手染め素材への執着ともいえる拘りとなっていったのです。
琉装のように
昔、沖縄には、沖縄の気候風土にあった「琉装」とよばれる着物の装い方がありました。 身分によって着用できる素材や柄の制限はあり、地域によって丈の違いなどはありましたが、そのどれもが太い帯で身体を締め付けるのではなく、細帯を使い、沖縄の風を包み込むような着こなしです。 風を取込み、風を抜けさせていく、風通しの良い服をつくりたい。
▼琉装の画像
琉装に限らず、着物は平面でありながら身体という立体を包みます。 身体から離れれば平らに折りたたむことができ、その単純な構造は、ほどいて再利用するのに効率的でもあります。
『布遊SOU』のこと『布服(ぬのふく)』のこと
【コンセプト】
≪布を遊ぶように着る≫
布と戯れるように、会話しながら着てほしい。 「SOU」には、創造の「SOU」、装うの「SOU」、想うの「SOU」、贈り物の「SOU」、幾重にも重なっていく層「SOU」、そんな意味を込めています。
≪人の手によって創られた布を使用する≫
人の手によって創りだされた尊い布は、使う人の人柄を映しだすかのように変化していきます。 経年変化を楽しみ、時には型崩れをも楽しみ、身体に生活に馴染んでいく、愛着の湧く布を使います。
≪リサイクルしやすいシンプルな形でつくる≫
布を出来る限り切り刻まないで服にし、服としての役目を終えた後は、別の新しいモノに生まれ変わる。 その布は、何度かのリサイクルの後、永い一生を終えていきます。
【デザインの種類】
洋服のように多様なデザインではなく、着物のように、ほぼ決まった形で、素材や柄によって表情の変わるシンプルな服を作ります。
まるで“布をそのまま まとったような服” それを『布服:ぬのふく-NUNOHUKU-』と名付けます。
▼『布遊SOU』−四角から成る服−
【布の性質】
手織りまたは手染めされた素材を使用します。今回は綿素材の手織りのみですが、今後は芭蕉布や上布、紅型も視野に入れています。
▼与那国島の織り布(ドゥタティと呼ばれる仕事着に使われていた布)
▼染織工房 花藍舎 糸染めの様子
【今回もちいる技術】
型紙を使わない超簡単服で、服や小物を縫ったことのある人ならば見ただけで縫えてしまいます。 ミシンを持っていなくても、ちょっと頑張れば手縫いでもOK! サイズもほぼフリーなので、よっぽどの体型変化がなければ着続けることができます。
▼複雑になりやすい襟元もこんなに簡単
今後のスケジュール
2015年11月末~12月 手織り布納品
2015年12月~2016年5月 試作及び商品制作・FAAVO達成後はオリジナルストールなどリターン品制作
2016年2月頃 東京にて展示会出店予定
応援してください!
着物雑誌は増え、着物文化見直しのイベントも開催されていますが、やはり洋服が日常着となる時代。 手織り布で日常着をつくり、手織り布の消費が進めば、需要が増えれば、手織り布は衰退から免れ、それどころか新しい織りの世界が広がります。 世界中がオートメーション化していく中での逆走。 小ロット小生産、多品種小生産、多くの人と関わった零細工房、そんなモノづくりを目指します。 使い尽くすモノづくり、地球のサイクルの一部となるような生活を、出来るところから始めたいと思っています。
集まった支援の用途とその内訳
・手織り布及び副資材の購入費(15着分) 300,000円
・サンプル及び商品の製作依頼費(15着分) 100,000円
・商品開発費 200,000円
・リターン品準備費 100,000円
最新の活動報告
もっと見るクラフトフェア南城に出店します。
2018/03/25 13:33クラウドファンディングFAAVOにてご支援頂きました皆様、大変ご無沙汰しております。橋本です。 昨年秋には京都でのイベントに参加、今年に入ってからは沖縄県読谷村のショップで合同展、そしてワークショップなど、本業の傍らではありますが、ようやく活動らしいコトをやり始めております。そしてこの度、沖縄県南城市で行われるイベントに出展しますのでご案内させて頂きます。沖縄県外の方も、ご旅行を兼ねて、是非いらしてください! 【イベント出展の御案内】~クラフトフェア南城~場所:南城市総合体育館日時:4月28日(土)~30日(月) 10時から18時(最終日は17時)飲食店 5店舗工芸雑貨 約60店舗体験コーナーもあります。 『布遊SOU』は紅型作家さんに染めて頂いた 布遊SOUオリジナルの布服や、沖縄の織物、日本の古布、インド綿などの布服を展示販売予定。ほとんど一点ものです。 会場に入って左の壁側におりますので、お気軽にご覧ください。ご試着希望の方は、試着しやすい服装でお越しくださいね。会場はエアコンも無いそうですので、ウチワ持参でお願い致します。 皆様のお越しをお待ちしております。 布遊SOU(ふゆうそう)Facebookhttps://m.facebook.com/fuyuusou クラフトフェア南城 公式ブログhttp://craftfair.ti-da.net/e10354417.html もっと見る
イベントに出品致します。
2017/09/13 23:59クラウドファンディングでご支援いただいた皆様へご報告いたします。 10月7日から10日まで 京都の浮島ガーデンにて行われる 『琉球の美しいもの展』に 布遊SOUも 少しだけ 出品させていただけることになりました。 浮島ガーデンはオーガニックのヴィーガンレストラン。 お肉に見立てた穀物のメニューなど、食べて美味しいのはもちろんですが、そのアイディアも楽しみながら食べられます。 お近くの方は、是非 足をお運びください(*^-^*) 『琉球の美しいもの展』ご案内 https://drive.google.com/file/d/0B31B3OO2p8Z-dERaREJ3cFdRY00/view 布遊SOU Facebook https://www.facebook.com/fuyuusou/?hc_ref=ARTmWJ0qQrlppvGOsdsa0rfxRazzoAA3B_UjNkADhmyfP7JgIb400OkWADYT3A0FQCM 浮島ガーデン京都 http://ukishima-garden.com/kyoto/ …………………………………………… 10月7日(土)~9日(月)11時~19時 浮島ガーデン 中京区(浮島ガーデンHPをご覧いただけるよう、最後のほうに張り付けております) 10月7日(土)17時~18時は、 南風原の若手職人によるユニット《NUNUSAAA》のトークイベントもあります。 ・金細工 またよし ・紅型 金城昌太郎 ・染織 松竹喜生子 ・染織 当銘光子 ・芭蕉布 平山ふさえ ・漆器 木漆工とけし (順不同、敬称略させていただきました) 他にも 沖縄本島からやちむん 石垣島からアダンのカバン 小浜島からアダンの草履 与那国島からクバの民具 琉球の美しいものが揃います。 ……………………………………… その節は、ご支援いただきありがとうございました。 実家を離れ、沖縄で生活し、まず住み続けることを最優先にしております故、 ・・・言い訳にしかなりませんが・・・ それでも、非常にゆっくりではありますが、前進していると思っております。 せっかくご支援いただいた皆様には申し訳ないのですが、 あの時、達成しなくて良かった、と思うことがあります。 何もかもが、自分に足りなかったと。 ただモノをつくって販売する、というスタイルはどうもしっくりこず、 だからと言って、何を目標にするのか、どうしたいのか、揺らいでいて、揺らされていて。 その揺らぎが、良い意味で、小さくなりました。 頑固になります(笑) ここからは独り言です。 『ブランド』について考えてみました。 先日、友人と10歳になる友人の娘と一緒にいて、 「『ブランド』ってな~に?」と聞かれて、返事に戸惑う大人2人。 昔、東京にいた時。 とあるアパレルのひとつの「ブランド」を任されていました。 といっても、営業含め60名前後のマンションメーカー。 ひとつの「ブランド」は2~3名。 先輩が辞めたことで、突如まわってきたポジション。 同い年の後輩と二人で、ツートップのような形で必死な毎日。 生地屋さんまわりと生地屋さんの展示会、リサーチ、年5回の展示会、展示会が終われば工場さんへの仕事出し。 当時は休日出勤当たり前、展示会前は終電終わってタクシーで帰ることもよくあって。 休みの日に出かけても、いつの間にかリサーチしてて、友達に買い物に誘われなくなって(笑) 当時の『ブランド』といえば、 「グッチ」「プラダ」「アルマーニ」「マックスマーラ」「MOGA」「COMME des GARÇONS」「ヨーガンレール」「Y‘s」「イッセイミヤケ」etc. よくリサーチさせていただきました(喜) 20代の、とてもじゃないけど、そのブランドの商品は着こなせない、もちろん買えない。 なのに、リサーチと明らかにわかっているのに、「イイモノを着てみなさい」とばかりに試着させてくださったショップの方々。 その時に羽織ったアルマーニのジャケット、身体に沿ってくる感じが忘れられません。 その名だたる『ブランド』と、自分のやっていた「ブランド」、何かが大きく違うのに、どちらも『ブランド』 モヤモヤモヤモヤ・・・ なんだ? これは・・・・・ 20年間ウヤムヤにしていた『ブランド』に直面した、友人の娘の一言。 『ブランド』とは高級品。というわかりやすかった時代から、ユニクロが『ブランド』と言われるようになって、安くても信頼があれば『ブランド』っていう雰囲気になって、見渡せばお米も、牛肉も、野菜も、何でもかんでも「ブランド」 だけど、なんだか「ブランド」じゃなさそうなのに、「ブランドじゃないよ」と言い切れない。 『ブランド』とは信頼? と思ったけど、いつの間にか、もちろん信頼の積み重ねで『ブランド』になったものもあれば、 「ブランドをつくろう!」なんて掛け声も聞こえてくる。 「ブランドをつくる!」私もそう言いました。わかりやすいだろう、伝わりやすいだろうと思ったから。 まだどこかに残ってるかもしれません。クラウドファンディングは過去なので、そのままにしておきますが、他のSMSに載っていたら、見つけ次第 修正をかけます。 最近、ふと ブランドというのは精神性なのかな。と思うようになっています。宗教か?と疑われそうですが、そうではありません。 何と言いましょうか、 『イキザマ』ってことでしょうか。 私の任されていた「ブランド」、そこにはそのブランドの精神性を私が理解していなかったからモヤモヤしてたんだ・・・ クラウドファンディングの時も、そこがまだ揺らいでたんだ・・・ というか、揺らがずスタートしたはずが、中盤ころから揺らぎ始めてました。 じゃぁ、布遊SOUの精神性は? 『 循 環 』 素材も、つくられた形も、壊れた時も、 つくられる食べ物も、使う物も、 つくる人も、仕入れる人も、仲介に入る人も、売る人も、買う人も使う人も、 近所で飼われているペットも、見たことのない深海魚も、 自分の知らないモノも知らない人も、知ってる動物も知らない昆虫も、 すべてが地球のサイクルで循環してほしい。 と言っても、今の時代、古いパソコンやスマホ、便利な家電、壊した建物、古い車、 循環できないけど、生活に欠かせないものがたくさんあるし、手離せない。 出来ることだけでも、意識するだけでも、 とにかく続けること。 『地球の中で (できるだけ) 循環する モノづくり』 それを意識したモノづくりと活動をしていきたいと、思っています。 できることから、できるだけ。 そして、自分からではなく、いつの間にか『ブランド』と言ってもらえるようになってたら良いな、と思います。 つたない文章、最後まで読んでいただきありがとうございます。 半歩ずつでも前へ! これからも見守ってください。 布遊SOU 橋本尚子 もっと見る
沖縄県工芸公募展にてデザイン賞をいただきました。
2016/11/04 13:10クラウドファンディングFAAVOにおいて、支援をしてくださった皆様、誠にありがとうございました。 この度、沖縄県工芸公募展にて、 金城宏次さんに染めていただいた紅型の布服を2点出品いたしまして、 1点は入選、もう1点はデザイン賞をいただきましたことをご報告いたします。 「工芸品」というくくりでありますので、紅型作家 金城宏次さんのお名前での受賞です。 数ヶ月前、「モノトーンで七宝紋様をもちいた紅型の布服をつくりたい」と持ちかけたのは私でありますが、「沖縄県工芸公募展に出品してみない?」と提案してくださったのは金城さんであり、注文以上の手をかけて、彼の持つ色彩感覚で染めていただきました。 今回の受賞は、金城さんの持つ技術とデザイン力、色彩感覚の賜であると、感謝の気持ちでいっぱいです。 沖縄県立博物館・美術館にて、 11月3日 11時~18時 11月4・5日 10時~19時 11月6日 10時~17時 まで展示されています。 多くの方にご観覧いただき、 工芸の輪が広がっていくことを、 各家庭に愛され続ける工芸品が一つでもあることを、 染織りをされる方を中心に、日々の生活の中で、染織物を着ていただくことを、 願っております。 染織物を使用して『布服』をつくる ということは、作家さんにとって、着物や帯、小物用の布をつくるのとは異なる、服地をつくるというあらたな挑戦になります。 もちろん私にとっても挑戦の繰り返しです。 資金源が限られておりますので、少しずつしか進めませんが、それでも前へ前へと、地道に経験を積み重ねながら、続けていきます。 今後とも見守っていただきますよう、宜しくお願いいたします。 布遊SOU 橋本 もっと見る