2018/12/23 13:12

 

「おわかりただけただろうか」
いきなり心霊特番のナレーションの様な書き出しになってしまったが、今回はプラモデルにおける『アンダーゲートランナー』について書きたいと思う。

プラモ尼崎城の第一弾の取り組みとして『シャチホコプラモ』のクラウドファンドを現在行っているが、シャチホコと聞いて一番に思い浮かぶのは、やはり『名古屋城の金鯱』ではないだろうか。鯱に初めて金を施したのは、信長の安土城、秀吉の大阪城と諸説あるようだが、有名なのは家康の築城した名古屋城の金鯱だと思う。

ミーティングでシャチホコプラモを作ろうと決まった後でも、やはり如何に金色にするかということで議論は持ち切りだった。考えられる手は、①金色メッキ加工(a.蒸着/b.どぶ漬け) ②金色塗装 ③金色の樹脂による成型。幸い我々のメンバーには、樹脂成型のプロである宮本さんがいるので、コストを抜きにすれば問題ないと思う。また、メッキ加工にしても塗装にしても、探せば協力してくれる工場はある(はず)。

ここまで書いて、金のシャチホコプラモは(やろうと思えば)出来るのに、何故『アンダーゲートランナーに憧れて』と言う(大袈裟な)タイトルで長々と書いてきたのか、そもそもアンダーゲートランナーとは何なのか。

一般的なプラモデルは、サイドゲートランナー(部品の側面に枠がつながった状態)から部品を切り離し、接着剤での固定や、スナップフィット(シャチホコプラモが目指すのはコレ)で組み立てる。ランナーから切り離すと、どうしてもその痕(バリ)が残る。このバリを様々な方法で、綺麗に処理するのだが、ランナーに付いた状態でメッキや塗装の加工をすると、バリ取りした部分にはメッキや塗装がのっていない。

これを解消する方法としてアンダーゲートランナー(部品の接着面など、完成後に見えない部分に枠がつながった状態)が存在する。アンダーゲートランナーであれば、組み立てたプラモデルの見える面には、ゲート痕がないので、メッキ加工や塗装が映える。

「見た目が美しいプラモデルを作ることが出来るなら、なぜすべてのプラモデルに採用しない」と言う声が聞こえてきそうだが、このアンダーゲート、実は作るのが非常に難しい。パーツとパーツの接着面にゲート痕が残るので、ゲート処理がキチンと出来ないと組み立てる事もままならない。なので、一般的なプラモデルでは、なかなか採用されない。まぁ製作費の問題もあるのかもわからないが。。。

タイトルで『憧れ』とあるように、シャチホコプラモでの採用は難しそうだが、私たちのクラウドファンドが、何かのきっかけで爆発的な知名度を得て支援をいただき、達成率200%や300%になる様であれば、あながち夢ではなくなるのかも知れない。

「シャチホコプラモをアンダーゲートで作る。」信じるか信じないかは、あなた次第。。。です。
(文と写真:長谷川亮太)