2018/12/14 12:07

 

樹脂成形は設備があってこその仕事なので、きょうは機械のメンテナンスの話をします。

本日、弊社で配達用に使用しているトラックのクーラントを交換しました(※クーラント⇒冷却水)。クーラントの交換はきちんとやろうとしたらちょっと時間と手間ひまがかかりまして、自動車屋さんに頼めばすむことですが、私たち製造業はできるだけランニングコストを圧縮したいので、自分たちでできることはなるべくやるようにしています。

写真を見てもらうと、トラックの運転席がかぱっと前方にあいてエンジンがむき出しになっているのがわかるでしょうか。これ、チルトアップという機能で、いうまでもなくトラックの整備や修理を行うためのものです。

さて、ここからが今日の本題。私も長年製造業に従事してきました。その間、機械のメンテナンスや修理の回数は数えきれないほど。100%とまでは言いませんが、機械の修理はほぼ自分たちでやります。なぜならば、業務用産業機械の修理は特殊な技術を必要とするため高額だからです。

一例をあげると、業界でいちばん高いといわれているF社は一度出張サービスを依頼すると一日6万円。たとえそれが、作業時間30分でもです。また、機械メンテナンスメーカーも技術力のあるスタッフを常に待機させようと思ったらそれぐらいの値段設定でないと採算があわないのです。なので、実はメンテナンスメーカーも簡単な修理は電話対応(フリー)でできるだけ自分たちで修理をすることを推奨しています。

そんな経緯もあって、私も長年いろんなケースの修理を行ってきました。スキルもずいぶん上がりました。そんな中、よい機械ってなに?ってことを考えるようになりました。

私の答えは、ずばり、壊れない機械、ではなくて、修理や整備がしやすい機械がよい機械なんです。製造業に限らず、世の中に存在する工業製品は、使っていくうちにいつか壊れます。それが、修理可能なのか、それとも不可なのか。いずれにしても、何か対策をとらないことには不都合がおきます。もちろん、壊れないことに越したことはないですが、その時のことまで考慮して設計してある機械がいい機械なんです。

上のトラックの話に戻しますが、チルトアップ機能は、ユーザーさんのためのものではありません。自動車整備会社のための機能です。最近のものはたぶんこれがスタンダードだと思いますが、以前はこの機能が無いトラックもありました。おそらく整備会社はそうとう大変だったと思います。

最後に、すこしだけ私たちからのお願いを。このように、長年かけて発展してきた製造業界(二次産業)。その大半の技術や工法は、とても有益で素晴らしいものであるのにもかかわらず、ほとんどのものは一般の方の目に触れる機会がないでしょう。

今回、私たちが立ち上げたプラモ尼崎城活動は、大きく言えば産業界と一般の方々の橋渡しにもなればいいなと願ってスタートしました。

資金調達のクラウドファンドも絶賛活動中ですが、多くは望みません。いちど、私たちのページに入って活動内容に関心を持ってみてください。よろしくお願いします。

 

プラモ尼崎城クラウドファンディング
「尼崎のものづくりのチカラで、尼崎城のプラモデルを作りたい!」
https://faavo.jp/kobe/project/3125