中津万象園を支えてくれる人の輪を広げたい!と始めたクラウドファンディング。
荒れていた大名庭園を修復したのは祖父ですが、ひたすらに社業伸展に邁進する祖父に、「企業は得た利益を地域に還元しなければならない」、「文化を知らないことは寂しいことだ」という言葉を、地元出身の田村実造先生が教えてくれたそうです。
以来、「地域の文化を守るのは、企業の役割だ。」と信じてきました。そして今ではもう、祖父よりも父の守ってきた時間の方が長くなりました。
「地方の中小企業として、できる限りのことはやってきた。」。
そう胸を張れるつもりでした。
でも…。ある年、京セラさんの所有している日本庭園を見に行って、その美しさに、愕然としてしまったんです。
「お庭は、これほどまでに美しくなるのか。」と。
今の中津万象園は、傘松も、木々も、形が崩れ、美しさを失いつつある。
…そう思うと、本当に辛かった。中津万象園を、わたしたちのような中小企業が必死で守ろうとしてきたことは、むしろお庭にとっては迷惑だったのかもしれないとすら思いました。
もっともっと母体の大きな、潤沢な予算をもった会社でなければ、そんな資格はなかったのかもしれない、と。
同時に、修復したこと、維持保全に努めていることに、胡坐をかいていてはいけないとも思いました。
ここの魅力を見つけて語ってくれる人は、わたしたち以外にはいない。
そのことに今度はしっかりと向かいあって、胸を張って語り続けなければいけない。
何度も来たくなるような、そして何度も来てくださるかたに優しい、素敵な場所にしていかなければならない。
そうしなければ、こんなに手間と費用がかかるお庭だもの、またもと通りに荒れてしまう、と。
支援の輪、支えてくれる手は、多いほどいい。
これまで精一杯やってきました。
地域の皆さまにも、本当にたくさん助けていただきました。
でも、このままでは、たぶん守り切れなくなります。
お庭を守るための維持費を捻出するための収入は、入園料と、富士建設や協力会社さん、市民の皆さまからの寄附、そして丸亀市からの助成金です。
経済や企業の経営状況がどうなっても、「生き物」であるお庭の木々は伸び続けます。
厳しい情勢の中で、経営の安定を図るためにあらゆる努力を地道に続けながらも、ここを守ることを放棄するわけにはいきません。
手入れを諦めてしまえば、あっという間に荒廃してしまうからです。
FAAVO香川の運営を始めたとき、「富士建設さんが立ち上げるのなら、きっと、それは本気で社会のことを思ってるんだと信じる。」と言っていただきました。
「だって、これほど長い間、中津万象園の維持保全をやってきたものね。」と。
この信頼は私が築いたものではありません。
これまでに当社で働いて下さった皆さまと、祖父・父への信頼があったからこそなんだ…、と実感できて、驚きましたし、本当に嬉しく誇らしかったです。
これからは、私たちの番です。でもまだ、自信はありません。
私たちはこれからも、この場所を、地域の皆さまから「宝物」だと思ってもらえるように、しっかりと育てていくつもりです。
どうぞ、あと3日間、応援していただければ本当に嬉しいです!