「焼酎作りは魂込めんにゃいかん」
創業は大正8(1919)年。蔵の名前にもなる「幸蔵」(芋焼酎)を出したのが平成5(1993)年。平成15(2003)年8月に「宮崎県酒造」から「幸蔵酒造」に社名変更する。幸蔵酒造の名前の由来は、おいしい焼酎を提供できることに「幸」せを感じる「蔵」。主力商品である幸蔵の名前をそのまま蔵の名前に持ってきた。
焼酎は生き物だから毎日毎日「おいしくなれー!おいしくなってくれー!」と声を掛けると本当においしくなるのだそうです。つまり、蔵人の魂を焼酎に込める。
分かる気がしますよね!!
丁寧に丁寧に作ってくれて、毎日毎日声を掛けてくれたら、そりゃおいしくなりたいって微生物が思っちゃうわけです!!
一見、非科学的かもしれませんが、一番大事なことなのだと言います。
蔵の名前にもなった「幸蔵」
平成5年(1993年)、幸蔵酒造の主力銘柄にもなる「幸蔵」が発売されました。
常圧での蒸留とは思えないほど爽やかな飲み口なのに、芋のコクや深みはしっかり残す焼酎が幸蔵酒造の十八番。世代を超えて、焼酎初心者から舌の肥えた焼酎愛飲家まで唸らせる焼酎なので非常におススメ!!
宮崎県内の焼酎がほとんど20度のアルコール度数なのに対して、幸蔵酒造は25度が主力製品。もちろん20度の焼酎もあるが、本当に飲んで欲しいのは25度の焼酎の方だという。
そして飲み方も、「生(き)」で飲んで欲しい。確かに幸蔵酒造の焼酎は香り高く、口当たりが本当にまろやかなのが特徴的。もちろん、お湯割りやオンザロックでもどうぞ!!
「生(き)」で飲んで欲しい結果、「哺乳瓶」!!(爆笑)
そして、どうしたら生で飲んでくれるかを考えた結果が「哺乳瓶」!!
これが大ヒット!!
陶器製の容器に飲み口は本物の哺乳口を使用しています。
今では残念ながらなかなか手に入らない状況ですが、このユーモア溢れるセンスは個人的に大好きです(笑)
仕込みは全行程「甕」!!
見ての通り、蔵のほぼ全ての場所が和甕で埋め尽くされています。
一次仕込み、二次仕込み、貯蔵して熟成させるのも全て和甕です。
幸蔵酒造の焼酎の独特のまるみはこの和甕にあると言います。
「ステンレスの大きい貯蔵タンクは数年前に買ったけど、使ってない!結局、割水用のタンクになっちゃった(笑)」
幸蔵酒造は年間でも1000石くらいが限界だそうです。ただ、地元や全国にいるファンの期待に応える味を作るためにはここは譲れないポイントなのだそうです!!
昔からこの単式蒸留器1発のみ!!
写真にある、この蒸留器一発のみで年間の全ての焼酎を生産しています。
最初に拝見したとき、「え?これだけ??」と思ってしまったほどです。
大量に作るのではなく、少しずつ丁寧にじっくり作り上げるのが幸蔵酒造の味の決め手です。
そして、もう一つ特徴的なのは、スッキリした焼酎が台頭しているのは技術が進歩し減圧蒸留の焼酎ができたからとも言えますが、幸蔵酒造では常圧蒸留でしか焼酎を作りません。
「常圧蒸留の方が、焼酎の旨味を深く感じ取れる。その代り、雑味も多く出る。そこは手間をかけて整えていくのが仕事」そう語ってくれたのは、30年以上幸蔵酒造の杜氏を務める久保さんでした。
打栓もラベル張りも箱だって手作り!!
幸蔵酒造の焼酎を手に取ってみると分かるのですが、ラベルが和紙だったり、斜めに張るシールがあったり、箱のラベルも和紙だったりと見た目のデザインに大変こだわっています。
だから、全て手張り!!杜氏も自らボトルに手張り!!箱のラベルは米のデンプン糊を使って手張り!!
正直、本当にびっくりしました!!焼酎がおしゃれでカッコいい飲み物にしたいという意志が伝わりました!!
世代を超えて愛される焼酎を目指して
焼酎ブームが来たのが約10年前。30代以降の世代は焼酎に親近感があっても、今の20代の若い世代は焼酎離れが顕著だ。
「だからと言って、飲みやすい軽すぎるテイストにしてまで飲んで欲しいとは思わない。」
この言葉が幸蔵酒造の答えなのだなと思った。愚直にうまい焼酎を追い求め、作り手の想いを飲み手が感じてくれる焼酎を目指す酒蔵だった。
若い世代に、焼酎がカッコいい飲み物だという印象をもっと持たれるように作り手としてアピールしていきたい。前向きな発言を多く聞けました。
写真のように笑顔溢れる工場見学でした!!
私たちも、お客様に焼酎の魅力をもっともっと伝え、カッコいい飲み物として提供していきますね!!
幸蔵酒造焼酎ラインナップ
宮崎県だれやみサイトより
http://www.dareyami.jp/brand/kozo/
・会社名 幸蔵酒造株式会社
・住所 串間市大字串間1393-1
・電話 0987-72-0305
・Webサイト http://www.kouzou-shuzou.co.jp
・文責・担当者 JapaneseRestaurantりょう 山口聡