6月18日からの神奈川での国内展を終え、11月の海外展 オーストリア ウィーンへと続きます。
今回の作品展は、言語を越えてアートから平和意識をつたえることを目的に開催されています。
作品とともに作者の平和へのメッセージが展示されました。
私の平和へのメッセージはこちら
「平和であった時も、そうでなかった時も越え、今、出雲民藝紙があること、そして花を創るという素敵な使い方ができることに感謝しています。この花たちが次のページを作り、つないでいけるよう願いを込めて。」
出雲民藝紙から紐解いた平和について書いてみたいと思います。
出雲の国は正倉院に記録が残っていますが、古来より紙の産出地でした。
栄えだしたのは、松江城ができたときに、藩主が紙漉き職人を連れて、許可制のもと使う紙を作らせてからでした。
今の松江市乃白町のあたりでした。
原料となる、雁皮(がんぴ)、三椏(みつまた)、楮(こうぞ)がたくさんあったことや、豊富に水が流れているなど、紙すきには条件がそろっている土地でした。
そして、藩主や幕府に気に入って使ってもらうため、たくさんの種類の紙が作り出され、模様の入った紙も作られていたようです。
そこから、より豊富な原料を求め、八雲町にも職人たちが移り住みました。
月日は流れ、大きな戦争の時代。
いろいろな資源や、金属などは兵器に加工されていきました。
そして手漉き和紙も爆薬や爆弾をを包んだり、落下傘などにも使われていました。
また、何かと物資の不足のため、綿布、皮革の代用品として手漉き和紙を使ったのでした。
出雲民芸紙も、もみ紙と呼ばれる状態にして、コート、合羽、エプロン、バッグなどに加工されました。
終戦が昭和20年。
空爆があるというより主に疎開先となっていた八雲の村。
そんな大変な時期にも水神さんを御祭りして、大切にし、米やお酒をお供えしていた記録が残されています。
大変な時代にも神様を大切にしたり、お供えしたり、余裕ない中でもそうした気持ちを大切にし、記録をしてきた人がいるのです。
戦火は免れ、畑や田んぼがあるとはいえ、自分たちも食べるのに必死だったでしょう。
若い人は徴兵で借り出されていたことでしょう。
労働力や資源が限られる中、生涯をかけて紙漉きの技術を伝承し、守りながらさらに研究を重ね、より良い紙を作るために尽力した人がいるのです。
そんな出雲和紙に熱き思いを持っていた人物の一人は、昭和に入ってから出雲民藝紙として発展させた、人間国宝 安部栄四郎さんでした。
戦争の時代、物資や技術者の不足のため、日本の伝統的な工芸技術の衰退をおそれた政府が、特に優れた技術者を技術保存資格者として認定し、徴兵を免除されたり、設備も守られました。島根県でも3人しかいなかった技術保存資格者の一人が、安部栄四郎さんでした。
戦争という、生きるのも必死な時代。戦争に勝つことにすべての資源が使われていた時代に、日本の伝統文化を守り、絶えないよう伝えられ、守られてきたのです。
必ずしも意図した使い方でなかったとしても、ニーズに合わせた様々な使い方をしながら、より良いものを作る努力をし、生涯をかけ大切に伝統をつないできました。
時代によって大変さは違ったかもしれません。
幾多の困難を乗り越え、八雲の紙漉き屋さんは伝統と技術をつないできたから、今ここに手漉き和紙 出雲民藝紙としてあるのです。
今まで、考えたことのなかった、“平和”をキーワードに出雲民藝紙を考えたとき、心から、今、この紙があることに心から感謝しました。
先人たちが、どれほどの努力をして、情熱をかたむけ、守り、伝えてきたのだろうかと。
そして、世界の中でも唯一の被爆国でありながら、今、こうして不自由なく平和な国に住んでいること。
どこか当たり前のように暮らしていますが、世界の中でも日本は本当に恵まれた環境です。
“紙は使われてこそいきる”とし、時代のニーズに合わせ、様々な使い方をしてきた出雲民藝紙。
今、私は花を創るという、平和的で素敵な紙の使い方を提案します。
この伝統ある出雲民芸紙だからできる、花を作ることで、出雲民芸紙を、また手漉き和紙というの日本の文化を、国内はもとより、
広く海外の方にもに知って頂きたいと思います。
そしてこの作品をを通して、平和へのメッセージ-が届けることができるなら、素晴らしいことだと思います。
“平和であった時も、そうでなかった時も越え、今、出雲民藝紙があること、そして花を創るという素敵な使い方ができることに感謝しています。この花たちが次のページを作り、つないでいけるよう願いを込めて。”
今の環境にも、受け継がれてきた出雲民芸紙にも感謝しかない。
大切に先人たちが守ってきた紙だから、ここで絶やさず、次につなげていきたいと強く思います。
そして、この平和が続き、世界に広がることを祈ります。
出雲民芸紙の花で、世界にも平和の祈りが届きますように。







