銭湯の湯を守る人たちの思いにスポットライトをあて、物語を地域の図書館へ届けます
こんにちは。無名な物語にスポットライトをあてる出版社、スポットライト出版の渡部です。この度、私達はただ訪れただけでは知ることのできない、世田谷区の銭湯ならではの物語を各銭湯の番頭さんたちに1件1件取材し、地域の短編集として「せたがや銭湯物語」を書籍化します。
「せたがや銭湯物語」は「せたがや銭湯物語」はスポットライト出版が世田谷区浴場組合の協力の元、制作をしています。今回は制作した書籍を学校教育機関、公共施設へ寄贈するための資金、配送料の一部を募集します!どうぞよろしく御願い致します。
暮らしの中の「当たり前」を支える物語に光をあてたい
私は、2013年から世田谷区を拠点に「人の物語(ライフストーリー)」にスポットライトをあてた書籍制作活動、取材活動などを行ってきました。世田谷区を拠点に取材や制作活動をする中で、地域の住民の方々、地域の商店、地域団体、地元企業の方々、いろいろな出会いの中で、みなさんが世田谷という土地を大切にし、よりよい地域にしていこうという熱い思いや誇りをもって暮らしていること、人が知らないような所での頑張りや支えで、地域の暮らしの「当たり前」がなり立っていることを知りました。 自分たちのできることで地域に貢献することはできないかと考えていたときに、スタッフが大好きな銭湯の抱える課題に出会いました。 「15年後日本の銭湯はほとんどなくなってしまう・・・」。 調べてみると、スポットライト出版が活動する世田谷区の銭湯はここ16年間で半数以下になっていたことがわかりました。その背景にあったのは、銭湯経営者の高齢化や原油価格の高騰、スーパー銭湯との競合など、もともと「公衆浴場」として公に開かれてきた銭湯は競争力が弱く、減り続ける一方だったのです。 これまで当たり前のように私たちが使ってきた銭湯も、近い未来、当たり前に使うことができなくなってしまうかも知れないと感じました。 そんな状況でも毎日来るお客さんために湯を沸かす銭湯のご主人たちの姿を見て、世田谷区の銭湯の魅力を地域に向けて改めて伝え、世田谷の銭湯を盛り上げようということになったのが今回の書籍を出版するきっかけでした。
自分たちの足で取材に回り、各銭湯の番頭の皆さんにお話を聞いてみると、今まで語られることのなかった銭湯への思いや銭湯ならならではのドラマを聞くことができました。
銭湯のご主人たちの思いや古き良き日本の銭湯文化を未来につなげるため、子どもから大人まで地域の人たちに届けたい、そしてこれからも銭湯に足を運んでほしいという思いが、このプロジェクトを起案するきっかけとなりました。
それでもお湯を沸かし続ける人たちがいます。
銭湯が浴場の裏でどんな風にお湯を沸かしているのかさえも知らなかった私たちは、インタビューの中で銭湯が抱える多くの課題を知りました。客数の減少、銭湯の経営者の高齢化•後継ぎ問題、原油価格の高騰、老朽化等山ほど課題が出てきました。それでも、代々続ける番頭さんの銭湯への熱い思いやこだわり、昔から変わらない、人と人の交流や地域での支え合い、日本の古き良き文化がありました。
世田谷区内の銭湯は、その多くが東京大空襲後の戦後復興期に生まれました。当時は、ほとんどの家にお風呂はなく、夕暮れ時に家族でお風呂に入りに銭湯に行くというのが日常の風景でした。当時は、本当に毎日が芋洗状態だったと銭湯のご主人たちは振り返ります。毎日のようにお風呂で地域の人と顔を合わせ、体を洗いながら、お風呂に入りながら色々な話をする裸の付き合いの場でした。
マナーの悪い子どもにはオジさんからのお叱りが入ったり、ご近所同士のおすそ分けがあったり、自然と人と人の交流が生まれ、顔の見える関係がつくれる地域のコミュニティースペースの役割を果たしていました。銭湯は「公衆浴場」という名称の通り、当時から公共性の高いものとして、「みんなのお風呂」として、数多く存在していました。
全ての課題を解決できるわけではありませんが、このプロジェクトを通して一人でも多くの人に銭湯の魅力を伝え、世田谷区の銭湯文化を未来に伝えていきたいと考えています。
そして、「当たり前」を支えている物語にスポットライトをあてることで、地域がもっと元気になるような活動を今後もしていきたいと考えています。
「せたがや銭湯物語」応援、是非よろしくお願いします!!
書籍「せたがや銭湯物語」詳細
【出版の目的】
・銭湯の魅力を再提案することで、世田谷区の銭湯の集客/広報につなげる。
・人と人の交流の場として地域を支えてきた銭湯文化を伝え、未来に残す。
【書籍内容】
・世田谷区の銭湯で働く人たちの生き様や思い、こだわり、銭湯紹介など、実体験のエピソード短編集。
【掲載湯】
・世田谷地区
常磐湯、八幡湯、駒の湯、栄湯、弘善湯
ノザワランド、鶴の湯(豪徳寺)、天狗湯
千代の湯、世田谷温泉四季の湯
・北沢地区
石川湯、松原湯、月見湯、新寿湯
第二淡島湯、北沢湯
・成城地区
丸正浴場、湯パークレピランド
そしがや温泉21、給田湯、増穂湯
・玉川地区
つばめ湯、松の湯、錦湯、藤の湯
栗の湯、栄湯
【 寄贈・納本先】
寄贈・納本先:約300箇所
○世田谷区の全銭湯の休憩室。(蔵書期間:数年~十数年タームを想定)
○世田谷区公立図書館、学校図書室(蔵書期間:数年~十数年タームを想定)
撮影・その他スケジュール
2014.7~8 編集・校正・入稿 2014.9出版集まった支援の用途とその内訳
書籍の印刷、製本 代金 ¥250,000 梱包・発送費 ¥100,000スポットライト出版は無名な物語にスポットライトをあて、未来へ伝えたい
「物語の力で街を盛り上げる」ことを目指して、第1回目の取り組みとなります。企画を進める中で、趣旨に賛同してお力を貸して下さる方々が増えてきました。地域の方々の力をお借りしながら、一つでも多くの無名な物語にスポットライトを当てていきたいと思います。ご支援よろしくお願いします。
起案者情報
【団体名】スポットライト出版
【代表者】矢野岳志 渡部岳
【HP】http://spotl.jp/
【facebook】https://www.facebook.com/spotl.jp最新の活動報告
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せたがや銭湯レポート①「月見湯温泉」(世田谷区赤堤)
2014/08/09 00:55色々な方の応援を頂き、ありがとうございます! プロジェクト期間を通して、少しでも世田谷区の銭湯のことをお伝えできるよう、「せたがや銭湯物語」に登場する銭湯さんを可能な限り実際に湯に浸かりながら銭湯の特徴をレポートしていきます! ー地域に根ざした、活気ある銭湯「月見湯温泉」ー 第一回は、世田谷区、京王線下高井戸駅から徒歩6分の「月見湯温泉」 さんです。 ー街の温泉ー 月見湯さんはその名前に「温泉」が付く通り、天然温泉を引いている銭湯さんです。 「銭湯」と一口に言っても、水道水を沸かしていたり、地下水を引いていたり、温泉を引いていたり、と実は水質も各銭湯でずいぶん違うのです。 月見湯の温泉はメタケイ酸、フェロ、フェリイオンの泉質で体がほどよく温まります。 驚いたのは、「水風呂」も天然温泉だということ。 暑いこの時期には、ほてった体を水風呂で冷やしながら、温泉に浸かることができるので、最高です。 ご主人の近藤さんは、3代目。「お客さんに恵まれてます」といつも爽やかな笑顔で迎えてくれます。 休業日には浴場を貸し出して銭湯LIVEを開いたり、これからは地域の子ども達に浴場マナーを伝える「浴育」もしていきたいとのこと。 街の温泉、月見湯さんは今日も確かな活気がありました。 ************************ 月見湯温泉(天然温泉) 東京都世田谷区赤堤5-36-16 03-3321-6738 営業時間 15:30~24:00 定休日 火曜 もっと見る
プロジェクト1日目、ご支援ありがとうございます!&試読用サンプルの公開!
2014/08/07 09:00昨日スタートしました、「せたがや銭湯物語」寄贈プロジェクト、早速4名のサポーターの方々からご支援を頂きました。 サポーターの方からのメッセージが心に染みます。 みなさんのお気持ち頂き、プロジェクト達成に向けて改めて頑張っていこうという所存です。 支援頂いた皆様にも、支援を考えていらっしゃる皆様にも書籍の内容を少しでも知って頂けるよう、原稿の一部を公開します! 公開するのは、世田谷区太子堂にある「八幡湯」さん。 笑顔の素敵なご主人は、プロジェクトページのTOPを飾って頂いています。 そんなご主人のストーリー(試読用)をお楽しみ下さい! *********************** 【八幡湯】(世田谷区太子堂) (試読用サンプル)※書籍は縦組みとなります。 八幡湯は昭和35年に創業しました。昔から井戸水で湯を沸かしています。 私は15歳のときに石川県能登からこの銭湯にきました。 本当は高校に進みたかったのですが、東京に上京することになりました。実家は百姓。 八幡湯は元々女房の実家で、働いているうちに気がつけば結婚をすることになりました。 女房には内緒の話ですが、当時はあまり結婚をしたくありませんでした。 けど何だかんだで結婚をして、もう42年ほどになります。 ちょうど20年ほど前にC型肝炎を患いました。初期の肝硬変。 当時、C型肝炎の治療は一定期間治療をして、ウィルスがなくならなければ保険が適応されなくなるという病気でした。 つまり「あきらめろ」ということですよね。私はその「あきらめろ」という状況になりました。 ですが、長いこと銭湯をやってきた気合いというか、百姓の我慢心のようなものもがでて、 「何としても完治してやるんだ」と、 保険適応外での治療を続けました。 抗がん剤にも使われるインターフェロンの投薬をしながら、八幡湯で湯を沸かし、 掃除をして、とにかく元気になってやるという思い一心で頑張りました。 3年後、私は奇跡的に完治しました。 そして私が完治した2、3年後にC型肝炎は保険適応となりました。 「あきらめろ」が「長期の治療を続ければ治る」に変わった瞬間でした。 新聞の取材がきたりなど、当時はちょっとした騒ぎになりました。 私はとにかくこの仕事が大好きで、少しでも長く続けて行くためにたくさん身体を動かして、健康でいたいと思っています。 健康には気をつけているので身体が柔らかいのが自慢です。 ただ発病当時、もしも知恵のある女房だったら私は治っていなかったのかもなぁ…と思うことがあります。 少しでも知恵があったら普通は治療をやめる説得をしたでしょう。 本当に辛いとき、女房はただただ応援してくれました。 だから、ありがたいなぁと思います。これも女房には内緒の話ですが…。 ここ最近だけで、ここらの銭湯が二軒なくなりました。時代なのかもしれないけど、負けてたまるか。という気持ちでいます。 お客さんも売り上げも年々減って、燃料費は年々あがっています。 だけど私はほんとうに銭湯が大好きなのです。今年で69歳。 せめてあと10年は、八幡湯を続けていきます。 八幡湯 住所:東京都世田谷区太子堂5-21-4 電話番号:03-3422-3275 営業時間: 15:00~24:00 定休日:金曜 ************************* 現在、達成率は9%。まだまだ多くの方のご支援が必要な状況です。 引き続きのご支援、シェア、コメントどうぞよろしくお願い致します! 明日は、せたがや銭湯レポートを更新予定です。 第1回目のレポートは、「せたがや銭湯物語」に全面的に協力を頂いている、世田谷区下高井戸にある「月見湯」さんです。 どうぞ、お楽しみに!! レポート:渡部岳(スポットライト出版) もっと見る「せたがや銭湯物語」プロジェクトスタートのご挨拶
2014/08/06 14:24プロジェクトページをご覧いただきましてありがとうございます! 本日より、世田谷区の銭湯を盛り上げる「せたがや銭湯物語」のプロジェクトがスタートしました。 みなさんのお住まいの地域に、銭湯はありますか? 最近、湯に浸かっていますか? 東京都世田谷区に拠点を置く、スポットライト出版は日本の文化を残し、人と人との交流の場として、地域に根ざしてきた銭湯を応援するプロジェクトを立ち上げました。 我々、スポットライト出版のスタッフ一同銭湯が大好きです。そして、銭湯を運営する番頭のみなさんも自分の銭湯に誇りをもって日々頑張っています。しかし、年々、様々なな背景で銭湯の数が減り続け、生活に根ざしてきた日本の「お風呂文化」が日常から消えてしまいつつあります。 そんな銭湯を、「お風呂文化」を、地域から少しでも盛り上げるべく、世田谷区内各銭湯のストーリーにスポットをあてた書籍を制作中です。 取材に回らせて頂く中で、番頭のみなさんの湯に対する熱い思いを多く聞いてきました。 「お客さまの気持ちよかった!の一言のために・・・」 「毎日通ってくれる常連さんのために・・・」 「家族で守ってきた湯を守っていくために・・・」 銭湯のストーリーからスタッフ一同、学ぶことが数多くありました。 本プロジェクトの目的は二つです。 〇地域の銭湯の魅力を子どもたちをはじめ一人でも多くの方に届けること。 〇思いをもって続けてきた、銭湯の物語を地域に残すこと。 レポートページから地域の銭湯レポートも更新して行く予定です。 みなさんのご支援どうぞよろしくお願いします!! レポート:渡部岳(スポットライト出版) ー無名の物語にスポットライトをあてるー スポットライト図書館 もっと見る




