痴漢抑止バッジは、意思表示のツールであって、バッジをつけた子が本当に痴漢と対峙して戦えるかどうかは問題ではないと思います。
痴漢は、痴漢抑止バッジをつけている子は避けるでしょう。「泣き寝入りしない」の決意表明するだけで、痴漢を抑止できるのであればそれでいい。
女子高校生だけがつけるのではなく、大人もつけたらいいと思う。大学生やOLさんがつけていれば、女子高校生も心強いでしょう。
「他の子にターゲットが移るだけ」と見る人もいるかもしれないが、このバッジが普及してみんながつければ、その懸念もなくなると思います。
だから、このバッジを普及させるのであれば、一気に広げるのが理想的だと考えます。みんながつければ「声をあげる勇気がない子がつけるバッジ」というものにはなりません。
私も、同僚の女性から痴漢冤罪のトラブルについて話しを聞いたことがあります。彼女の友人が、痴漢冤罪で裁判になり、無実を証明するために彼女達が協力し、苦労して無罪判決を得たそうです。
その痴漢冤罪がどういう状況で発生したのかまでは、私は詳細を知らないのですが、李下に冠を正さずではないけれど、トラブルに巻き込まれないための自衛は必要だと思いました。
疑われるような行動は、日頃から避けておくにこしたことはありません。それは、雑貨店でバッグのを開けて小物を出し入れしていたら、遠目からは万引きをしているように見えてしまうかもしれないから、そういうことはしない。それと同じことです。
自分の心がけで避けられるトラブルもあります。
今回の痴漢抑止バッジは、実際に被害にあった女性とその保護者の発案です。女性が社会に対して声をあげることで、回り回って男性の生き辛さが解消される効果に期待したいてす。
そういう前例として、男女雇用機会均等法があります。
男女雇用機会均等法は、女性だからといって仕事を制限されるのではなく、能力を生かして働きたいという方達が、社会に働きかけて設立されました。
男性は、それまで「男なんだから仕事をガンバれ」「男だったら、これくらいやれ」と大きなプレッシャーを掛けられてきました。
実際には、男性の中にも能力差はあります。頑張れる人、頑張りたい人ばかりではなく、ほどほどに働きたい男もいるのです。一方、女性にも能力が高くやる気のある人もいます。彼女達が「女だからと制限をされることなく仕事をしたい」と主張してくれました。
その結果、女だから大人しくしていろ、男だからガンバれではなく、できる人、やりたい人が仕事をできる社会になりました。
「女のくせに~」「女だてらに」といった言い方をする男性は、「男はしっかりしなくてはいけない」という意識に囚われすぎているのではないか? と感じます。
男だからと肩肘を張るのではなく、性別ではなく能力や気質で、均等に働ける社会の方がお互いにとって生きやすいでしょう。
これは、女性が声をあげたから社会が変化して、男性にとってもプレッシャーが軽減された事例だと、私は考えています。
痴漢抑止バッジにも、同じような効果を期待できます。
女性が痴漢行為に対して、「泣き寝入りしません!」の意思表明をすることで、痴漢犯罪が減少すれば、痴漢冤罪被害も減るでしょう。それにより、男性が日常で感じている「痴漢冤罪に巻き込まれたらどうしよう」というストレスが減るのであれば、いいことですね。
痴漢抑止バッジが普及して、痴漢被害にあう方も、痴漢冤罪被害におびえる方も、安心して電車に乗れる社会になればいいですね。
須田 將昭(アイアビリティーズ)
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須田 將昭様
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Stop痴漢バッジプロジェクト 代表 松永弥生