
プロジェクトの意味
今回のプロジェクトは
「古いものと新しいものの融合」
がテーマだと思っています。
昭和6年、祖父の代から引き継いできた
父の店、酒場はりや。

祖父の代のスタートは酒屋でした。
酒屋の脇で立ち飲み
所謂、角打ちをやっていましたが
保健所などのお達しにより整備され
それなら飲み屋の方がいいや
という祖父の判断で全面酒場になりました。
祖父は早くに妻を亡くし
男手一つで5人の子どもを育てながら
店を営んでいました。

父は本八幡にある自分の姉のバーで
バーテンとして働いていました。
そのうち
はりやの早い時間帯は祖父
深い時間は父
というスタイルになり
自然と父が店主になるように移行していきました。
祖父は91歳で亡くなる直前まで
店の掃除や酎ハイの仕込みをしていました。
行き届かないながらも
一生懸命作業をする祖父を
父も母も温かく見守る優しさを
子ども心ながら感じていました。

父と母の代になり
その店は一旦幕を閉じなければならなくなりました。
祖父から父への代替わりを目の前で見ていた私は
この酒場の灯りをどうにか繋げないだろうか
居ても立っても居られない気持ちになりました。
と同時に私の人生のミッションである
まちづくり、コミュニティづくりという
新しい形の酒場としての場創り
その景色が浮かんできたのでした。
新しい酒場はりやが出来れば
母は手伝う気満々ですし
父だってソワソワ店に顔を出すに決まっています。
父の代のお客さんもいらっしゃいます。
私の代のお客さんも来てくれそうです。
古いものと新しいものの融合
酒場はりやを作っていたものたち
カウンターの板
小上がりの上り框
欄間
扉
全てのものを新しい場所で
繋がせてもらいます。

その全てを応援してくれる皆さま
心より感謝します。
私のこの感謝の気持ちを育むことこそ
このプロジェクトの意味だったのかもしれません。





