去る7月21日・22日、みたかサイエンスキッズ(日本宇宙少年団の三鷹分団)の合宿に、試作品の望遠鏡をもって参加してきました。
行先は、三鷹市川上郷自然の村。施設のウェブサイトの説明によると、三鷹市の市立小・中学校の児童・生徒が豊かな自然環境の中で学習活動を行い、心身ともにたくましく成長するための場として作られた施設で、学校が使用しない期間は、一般からも申し込みが可能です。みたかサイエンスキッズは、普段から井之頭ロータリークラブの支援を受けて活発に活動を行っていますが、夏休みならではの体験をみんなで、ということで昨年に引き続き、こちらへ合宿にやってきたのです。
宿舎に到着したばかりのころは、一雨通り過ぎたところで、雲が多めで果たして星空が見られるか?と懸念されましたが、「星空を見たい!」という祈りが通じたのか、19時以降半を過ぎるころには、雲の合間から、上弦を過ぎたばかりの月、木星、土星などが、姿を見せ始めました。
施設備え付けの口径10センチ程の屈折天体望遠鏡を2台持ち出して、操作にたけた大人のリーダーが、手際よく、次々と天体を入れていきます。
覗いて見える惑星などの姿に歓声が上がります。一方、この試作品望遠鏡の周りには、やる気満々の子供たちが集まってきました。実は、子どもたちにはこう言ってみたのです。「こっちの望遠鏡は君たちが自由に触っていい望遠鏡だよ。まずは、頑張って月を入れてごらん。」そう、この望遠鏡のまわりに集まってきたのは、ただ見せてもらうだけでは飽き足らない、望遠鏡を自分で使ってみたい、そういう気持ちの子どもたちだったのです。もちろん、初めて望遠鏡を触るのです。そう簡単にはうまくいきません。それでも、動かしているうちに何度か「入った!」と大きな声が上がるようになりました。やがて子供たちは、一人がのぞき「入った!」というと、ほかの友達がねじを締める、というように、工夫してきちんと視野に収める、ということもできるように…。だから次に言ってみました。「もし、土星が入ったら、接眼レンズを変えて倍率をあげよう。ちゃんと土星の環が見えるはずだから」。この言葉でもう一段スイッチが入った子供たちは、猛然と頑張り始めたのです。とはいえ、土星と月では難しさのレベルが違います。さて、その結果は…。
子どもたちの感想から少し抜粋して見てみましょう。
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T君:火星がとても明るく見えました。ISSや流れ星を見てとても感動しました。月やアルタイルにぼうえんきょうを合わせられて、とてもよかったです。土星を見ると土星のわが見えてとても感動しました。
Rさん:自分で月と土星を望遠鏡に入れられてうれしかった
Yさん:たくさんのきれいな星が見えて、すっごくうれしかったし感動しました。また、自分でぼうえんきょうをセットして初めて「月」が見れた時は、すごい達成感がありました。星を知ることだけでなく、星を探すのうりょくもついたとおもいます。
Sさん:夏の大三角や北極星などのいろいろな星や星座が見れて感動しました。また、自分でぼうえん鏡をセットして、アルタイルが見えたときは、達成感がありました。
M君:ISSが見えてよかった。真夜中、流れ星が何個か見えた。いろいろなぼうえん鏡で見られた。火星が明るかった。
Aさん:星空かんさつでは、にくがんやぼうえんきょうでほしなどを見ました。望遠鏡で星を見たことは今までありませんでした。ぼうえんきょうではじめて月、木星や土星を見れて良かったです。
Hくん:星空観察一回目では、初めて望遠鏡の中に星を入れてみました。意外と難しく、苦労しましたが、星が入った時はうれしかったです。また夜中に(12:00ほど)もう一回見た時には、肉眼でも天の川が見えました。それだけでなく、流れ星もたくさん見られて、しかも色々な星が見れて良かったです。ものすごく良い体験が出来ました。
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これらは、感想のほんの一部です。望遠鏡を操作する体験が、子供たちの心に強く残ったことを実感できました。
星空観察会のしめは、国際宇宙ステーションの通過でした。そのあと子どもたちは、花火を楽しみ、一度解散。
でも、夜半近くなり、火星が昇ってきて、雲も少なくなったので、もう一度、起きられた子どもたちと、川上村の星空を見上げました。
今度は肉眼で。
空高く上った夏の大三角の三つの星。そして、三鷹の街中では決して見ることができなくなってしまった天の川に、子供たちの感動もひとしお。きっと、夢の中でも宇宙を感じた余韻に浸っていたに違いありません。
子どもたちが寝てしまった後も、保護者と数人のリーダー(大人たち)が中庭に残って、しばし美しい星空を堪能しました。気が付くと秋の星座が顔を出し、アンドロメダ銀河が昇る時刻になっていました。子どもたちだけでなく、私たち大人も、遠い遠い宇宙に思いをはせることのできる素晴らしい一夜となりました。