こんにちは。
階段王になる男、渡辺良治です。
7月20日に今年のレースの中間点になるVWC第6戦ロンドン大会、「The Broadgate Tower Run Up 2019 」に参加してきました。
今回のコースデータは…。
Climb: 161m
Race floors: 35
Steps: 877
ということでめっちゃ短いです!
前回のニューヨーク大会のおよそ3分の1、最長のレース、上海タワーの3398stepから見ると4分の1ほど。
この階段垂直マラソンは長さが変わるとペースもかなり変わります。
出し切る前にゴールしては勿体ない…。かといって序盤であまりにも飛ばしすぎるとあっという間に体力を消耗しペースがガタ落ちになるのは最も避けるべきです。
これは前半戦のような練習では少々対応が難しいと思い6月後半から練習内容をショートレース用にシフトチェンジ。
約900~800stepをインターバルを取りながら3セットしっかり追い込む!
という練習を3週間連続で行いました。
これは効果覿面だったようでタイムがどんどん縮まり身体にショートレンジのペースを覚えさせることが出来ました。
(いつもの天祖神社での練習風景)
「練習で出来ないことが本番で出来るわけがない」
「本番は練習をなぞるだけ」
その教訓の元しっかり計画通り練習できたのでロンドンに自信満々で乗り込むことが出来ました。
また、ニューヨークに引き続き女子のエース立石ゆう子選手や去年同大会で三位入賞した小山孝明選手と現地で合流し、色々とレースのことを聞けたのでイメージトレーニングもバッチリでした。
そして前日のコース下見では手摺形状や段差の高さを確認。
手摺は持ちやすいものの、踊り場に手摺の折り返しのスペースのところに柵があり、そこだけ少々掴みにくいことや外側にも手摺があるので活用できることが判明。
一方段差は高さ、奥行き共に平均的で非常に登りやすく、路面もマットが引いてあり滑りにくく理想的なコンディションでした。
これらの情報からとにかくいつもと違ったことはせず、基本的には20階くらいまではStyle:Pで押していき、30階くらいまでは両手で手摺を使うelb走法を混ぜて行き、30階からはとにかく全てを出しきるようなラストスパートをかける作戦をたてました。
さぁ果たした上手く行くかどうか…?
(今回の宿、二泊で1万円ちょっと)
そんなことを考えていたからか、はたまた時差の影響か中々うまく寝付けず…。睡眠時間は実質3時間ほどでしたが、朝4時50分に起床。
決してベストコンディションではないですが、それも想定のうちです。
朝食は小さめのパンとチョコ、そして定番の「アスリチューン・ポケットエナジー」をぶち込みます!安定の美味しさで目も覚めました!!
同時に水分をため込む「凌駕スマッシュウォーター」もしっかりチャージ。短期決戦といえど発汗はありますから。
ソックスはいつもの「インナーファクト」スキンタイプで軽さと快適性を兼備!足もとに不安はありません!
チームジャパンで集合していざ会場入りして、テーピングなどのいつも通りの準備を済ませてスタート5分前!
ふと、近くにいたイギリスの選手から
「ヘイ、ユー。計測チップを忘れてるぜ」
と言われたことだけは想定外でした(;´Д`A
お陰で4分ほどスタート時間を遅らせてしまいました…本当にすみませんm(_ _)m
それはさておき、今回のレースはニューヨークに続いてウェーブスタート。
しかも一人につき30秒間隔も空くのでレース中はほぼ完全に一人の世界です。
ひたすら非常階段をする通じて自分自身と向き合えるレース内容になっています。
閑話休題、なんとかスタートラインに立ち3分くらいで心を落ち着かせスタートを待ちます。
レースプランを一度思い出してなんとなくイメージした後はもう難しく考えるのはおしまいです。
(自分ならやれる!いける!)
と自己暗示をかけ集中…。外界を遮断し、ひたすら身体との対話に意識を傾けます。
そしてついにスタート‼️
物凄く濃い4分間の始まりです。
まずは階段までのフラット部分が15mほど。ここはタイム非計測なのでゆったり入り、計測マットを跨いでも一つ上のフロアまでは手摺の掴み方の練習でゆったり。
そうすると再び15m程のフラットゾーンが現れ、そこからはずっと階段です。
本番はここから。
Style:Pを駆使して踊り場のみ手摺を使い、まずは下半身の力を使いリズム良く走って登っていきます。
しかしペースは8割くらい。
ここを焦って9割で走ってしまうと半分くらいから撃沈する可能性が高いという判断でした。
今度はフォームチェック。
骨盤が前傾されてるか?
胸は自然に開いているか?
手は虎漕ぎの形をしつつ外側に向いているか?
きちんとリズム良く体重移動出来ているか?
その際お尻の方に体重がしっかり乗っているか?
など多くの事を一体的に把握して微調整をかけます。
同時に呼吸の乱れ具合、足の疲労具合からペースが適正かを判断します。
…自分で書いていても色んなことがありすぎて頭がパンクしそうですね(笑)
しかしただ漫然と走っていては決して成長しませんので、足りない頭を総動員して登ります。
ふと回数を見ると8階あたりでした。
まださほど疲れは感じられなかったのでそのまま行くことにしました。
10階到達!
過ぎるとだいぶ階段に慣れてあまり考えることなく無心で登れるようになりました。
Style:Pを維持しつつ、時折折り返しの時に両手で内側の手すりを掴んでスピーディーにまわるなど短期決戦ならではのペースで押していきます。
20階到達!!
流石に疲れが少し出てきたので両手で手すりを使いつつ早歩きで5階ほどあがり、少し足を休めます。そこからStyle:Pをまたおりまぜつつ、とにかくペースが激落ちしないことだけを心掛ける一番きついところでした。
30階到達!!!
もうここまできたら何も考えずに全てを出し切るのみ!!フォームは気にせずとにかく腕も足も総動員してガシガシ登っていきます。流石に心臓は苦しいし足も鉛のように重いですが、そんなの関係ない!!とばかりに大口あげながらゼーハーゼーハー荒い呼吸音を響かせながら登っていきます(; ・`д・´)
意識も薄れかけたころ、ようやく35階が見えてきて…。
ゴールです!!
ゴール後は当然こうなります(笑)
今回も出し切りました~~。
半分あたりからペースを落としたくなる自分ととにかく格闘することになりましたが、ギリギリの線で競い勝ち、とりあえず合格点の走りが出来たと思います。
いつもよりは短いレース時間だったせいで、3分ほどで立てるようになり、タイムを確認すると・・・。
「3分41秒」!!
コースレコードを17秒更新しました。でも欲を言えばあと1秒ちょっと縮めて40秒きりたかったですね(^-^;
ともあれ、2位に19秒の大差をつけて優勝を飾ることが出来ました\(^o^)/
Broadgate Tower Run Up results
Men
- Ryoji Watanabe (JPN) – 3’41”
- Laurence Ball (GBR) – 4’00”06
- Mickael Pourcelot (FRA) – 4’00”23
- Mark Howard (GBR) – 4’03”46
- Takaaki Koyama (JPN) – 4’03”49
Women
- Sarah Frost (GBR) – 4’40”
- Yuko Tateishi (JPN) – 4’52”
- Anaïs Leroy (FRA) – 4’55”
- Laura Manninen (FIN) – 4’57”
- Susie Drinkwater (GBR) – 5’02”
立石祐子・小山孝明の両選手も昨年のタイムを10秒以上更新する大健闘をみせました。
特に立石選手はニューヨークでは敗れたライバルのラウラ・マンニネン選手を破っての堂々の準優勝でした。優勝のサラ選手は自身のコースレコードを20秒以上短縮する驚異のタイムでした。今後のシリーズ戦の上位に絡んでくる可能性大ですね…。
男子は2~5位までが3秒差にひしめく大混戦で僅差で表彰台を逃したものの小山君の成長ぶりが伺えました。まだ29歳の伸び盛り、得意のスピードにさらに磨きをかけてこの激戦を勝ち抜いて表彰台に立ってほしいですね!
この後はイギリス料理を少し食べて・・・。
(ベネディクト:パンの上にベーコン、チーズ、卵が乗っています)
イギリスの観光名所をちょっとだけ見て・・・。
(あの有名なタワーブリッジ!これがあのロビ〇マスクの必殺技の由来か・・・)
急いで土産を買って空港に向かい90分前には列にチェックインカウンターに並んだのにまさかの時間切れで飛行機に乗れないという初の大失敗を体験するおまけつきでした(´;ω;`)
珍しいロンドンの晴れ間が見れたのがせめてもの救い?なんとも忘れられないロンドン遠征となりました。
そして海外の空港では1時間前までにチェックインを絶対に済ませなくてはならないという教訓も得られましたので、今後に活かそうと思います。
ともあれ!!
ワールドシリーズ戦で今季2勝目を勝ち取れたのは非常に大きな成果でした!!
https://www.verticalworldcircuit.com/2019/07/21/records-tumble-at-londons-broadgate-tower-run-up/
http://skyrunning.jp/2019/07/22/2019london/
JSAのホームページでも紹介していただきました\(^o^)/
まだマーク選手に直接勝利はしていないものの、ランキングではマーク選手を抜いて5位に浮上。
出費は大きかったですが、目標の年間ランキング2位を大きく引き寄せる欧米2連戦でした。
これを可能にしていただいたのもクラウドファンディングにご協力いただいたみなさまの支援のおかげです!
本当にありがとうございました!!
次戦は8月31日VWC北京大会です。
おそらくピーターやマークも参加するであろうハイレベルな戦いになりますが、もう恐れることなく、優勝を狙っていきますので、ぜひ次回のレポートもお楽しみに!!
それではまた。
渡辺良治