「若者はもっと“外”に出るべき!」
これは普段僕が、大学生たちと関わるとき、常に伝えていることです。
僕自身大学生だった頃は、地域なんてまったく興味なかったのですが、地域で様々なプロジェクトを行い、街にいるヘンな大人たちと触れ合うことを通して、価値観や世界観が大きく変わった経験があるからです。
YAFFの子たちは、もっと早く大学生の頃から、地域という“場”に魅力を見出し活動しています。そんな彼らが、さらに次の世代である中高生たちの居場所を作ろうとしている……控えめに言って、なんて素晴らしいことだろう!と思います。
3.11をきっかけに取り戻しかけた地域での他者とのつながり。それは月日が経ち、またも希薄になりつつあると感じる昨今、このようなプロジェクトが走り出そうとしていることは、とても価値あることだと思います。
中高生たちにとっては、親や兄弟姉妹でも、先生たちでもない、“斜め上”の存在である大学生たちが自分の身近にいると感じられることは、地域という外の世界に安心感をもたらし、愛着を育むきっかけとなるはずです。
目標金額が達成されることがゴールではありません。それはむしろスタートです。理想が形になり、思いを持った人たちの手を離れても自走していくようになって、本当のゴールが見えてくるのではないかと思います。それまでには、まだまだまだまだ長く険しい道のりが待っていますが、彼らのチャレンジをささやかながら応援したいと思います。
佐藤宏樹
東京工科大学教養学環特任講師、NPO法人こととふラボ代表理事、修士(経営学)
専門はプロジェクト型学習、授業設計、ワークショップデザイン。深い学びの想起や継続的な関係性構築には、学習者相互の自発的な関わり合いが不可欠という観点から、高等教育、地域社会、組織研修などのフィールドで学習プログラムの構築に携わる。大学では社会学(広告メディア、マーケティング領域)を専攻後、大学院にて経営学(環境経営、マーケティング、ベンチャービジネス領域)を修了。難関大学専門予備校にて校舎マネジメント、公益法人にて産官学連携・新卒リクルートサービス立ち上げ、運営を経て現職。