環境問題に正面から向き合える若者をもっと育てたい!

皆様はじめまして。ホールアース自然学校の小原賢二と申します。ホールアース自然学校は富士山のふもと、静岡県富士宮市柚野の緑豊かな里山にあります。普段は自然ガイドをしたり、人材育成の研修を行ったり、里山再生の取り組みなどを行う自然学校です。

▲富士山のふもとに立つホールアース自然学校。設立32年の歴史があります。
私は2年半前から、富士宮市で暮らしています。富士山西麓に位置するホールアース自然学校にいると、様々な環境問題を目の当たりにします。人工林の林床には日光が当たらないため動物の食べ物となる草が減り、放置竹林の影響で木々は枯れて植物の多様性が失われつつあります。
これらの問題解決には地域住民だけでは人手が足りず、外から来る若者のチカラが不可欠だと考えています。ホールアース自然学校が運営する学生リーダー養成講座は若者が自然と遊ぶ術を学び、彼らの感じた自然の素晴らしさを次世代の子供たちに伝えていく講座です。
去年までの3年間は教育委員会からの助成金で運営してきましたが、昨年で契約が終ってしまいました。しかし、このまま終わらせるには惜しい事業です。次世代に日本の素晴らしい自然環境を残していくために今回FAAVOにて講座の運営費などを募らせていただきたいと考えました。
皆様のご支援、どうぞよろしくお願い致します。
若者が環境教育に取り組むきっかけを作り、静岡の環境問題に光をあてたい

▲富士五湖の一つ本栖湖。普段できないカヌー体験を通じて水の素晴らしさを学びます。
学生リーダー養成講座とは、「若者たちが環境問題に目を向けるきっかけを作り、環境問題・環境教育に取り組む若者を育成すること」を目的として2001年から続けてきたプログラムです。
静岡県内はもちろん、東京近郊や京都、大阪などの関西、四国から参加する受講生もいます。講座の運営をしているのはホールアース自然学校の職員で、今年度は私小原が主に担当しています。
具体的には、まずは若者たちが自然に触れ、環境への関心を高めてもらうために、森の散策や洞窟の探検、川遊びなどをしてもらいます。また火おこしやロープワークなどの野外技術を習得し、夏にはスタッフとして子どもキャンプに参加します。

▲ひんやりとした洞窟内を散策する受講生。富士山の周りにはこんな洞窟が100以上もあります。
秋には富士宮の環境問題(放置竹林、人工林間伐、野生鳥獣被害)をともに考える機会を設け、実践し、翌年の春には自分たち自身で子ども向けの環境教育プログラムを展開できるような場面を演出します。
ただの勉強に終わらない、実体験を伴った講座。それが学生リーダー養成講座です!!
若者のチカラで里山に元気を取り戻す
日本の多くの中山間地域では少子高齢化、過疎化が進み、若者の姿を見かけることが減ってきました。ホールアース自然学校がある柚野地区(旧芝川町)も人口減少が深刻です。2700人あまりが暮らしていますが、65歳以上の高齢者の割合は26・7%にも達します。

▲放置竹林が目立つ富士宮市柚野地区
学生リーダー養成講座を通して環境問題に興味を持つ若者をもっと輩出することができれば、高齢者が多いために荒れていた山も、若者のチカラで少しずつ元気を取り戻せます。そして養成講座で得た自然と遊ぶ術、知識を富士宮の子どもたちに伝え、環境を守っていく小さな芽を植えていきたいのです。
2001年から始めた養成講座では大学生、専門学校生約200人が卒業していきました。うち3人は僕たちの仲間として富士宮に移り住み、環境保護に正面から向き合っています。
実体験を伴う学びでリーダーを育成する!

▲子どもたちに自然の素晴らしさを伝える学生
この講座はただ環境教育を本で勉強して理解する。そういった講座ではありません!実体験から得られたものを子どもたちに伝える、周りの人に伝える、そして自らが先導して活動していく。そういった若者を育成するためのプログラムです。
講座の中で竹を切ったり、猟師文化に触れたり、洞窟を探検したりと普段の生活ではおよそ体験できないことを若者にしてもらいます。その貴重な経験の中で感じたことを子どもたちに伝えていくことが学生リーダー養成講座です。
環境教育や環境問題への取り組みはすぐに結果がついてくるものではありません。しかし、ここで育った若者たちがいつか大きな花を咲かせ、その意思を継いだ子どもたちが繋いでいき、日本が素晴らしい自然環境を守っていくことを期待しています。
養成講座の年間スケジュール
2014年5月 オリエンテーリング&ロープ講習&動物のお世話&座学(自然学校論)
2014年6月 洞窟樹海探検&火起こし講習&座学(キャンプ論)
2014年6月 川遊び&ドラム缶風呂&野外炊事講習&座学(リスクマネジメント)
2014年7月 キャンプ&アウトドア技術応用・実践編
2014年8月 キャンプ実習(子供達と一緒にキャンプを行います)
2014年9月 キャンプ実習の振り返り&カヌー体験
2014年10月 人工林間伐&野宿(後期のスケジュールについては参加者との話し合いで決定していく予定です。)
2014年11月 竹林整備&クラフト
2014年12月 猟師文化に触れる&鹿革クラフト
2015年1月 子供向けプログラムの作り込み
2015年2月 子供向けプログラムの実施(学生が地域の子供向けに自然体験プログラムを実施する。)
2015年3月 卒業式
支援金の用途について
木材などの資材費:5万円
宣伝費:2万円
事務局運営費:18万円
計25万円
最後に

▲ホールアース自然学校のスタッフは自然を愛する20~40代の男女が中心です。
誰もがどこかで他人事だと思ってしまっている環境問題。本当に必要なことは「面倒くさいもの」、そして「大変なもの」。そこに当事者意識を持ってもらい、環境問題に取り組む若者を育てたい―。
それが私の思いです。どうか皆様の温かいご支援よろしくお願いします。