10月21日付けの産経新聞奈良版で紹介されました。
ありがとうございます。
http://www.sankei.com/region/news/161021/rgn1610210018-n1.html
・記事内容
幻の八十八ケ所霊場に光 大和北部朱印帳プロジェクト始動
目標製作費まであと一歩
県内の弘法大師ゆかりの寺を巡拝する「大和北部八十八ケ所霊場」があるのをご存じだろうか。札所には唐招提寺や法隆寺などの世界遺産が連なる一方、廃寺となった寺もあり、知る人ぞ知る“幻”の巡礼地となっている。そんな隠れた遺産に光を当てて奈良を盛り上げようと、専用の朱印帳を作るプロジェクトが動き出した。
江戸時代に制定
大和北部八十八ケ所霊場は江戸中期の明和年間(1764~72年)に制定されたといわれる。何度か寺の入れ替えがあったが、現在は南都七大寺に数えられる「大安寺」(奈良市)を1番札所として、88カ所の札所と番外・別格の寺院を合わせた95カ所をめぐり、女人高野の「室生寺」(宇陀市)をもって結願(けちがん)となる。
95カ所には、吉野町の金峯山寺蔵王堂以外の世界遺産の寺はすべて含まれる一方、「大森大師」(奈良市)や「百済寺」(広陵町)など10カ所はすでに廃寺や無住職となっており、今では霊場の存在を知らない人がほとんどだという。
公民館に本尊
そんな幻となりつつある霊場に注目したのが、まちおこしに取り組むコンサルティング会社「アール・アイ・シー」(奈良市)の代表、金原薫さん(57)と知人の平山豊さん(45)、住田幸一さん(51)の3人。
「一度きりでなく、何度も奈良を訪れるきっかけになる」。金原さんらは大和北部八十八ケ所霊場の存在を知ったとき、そう感じたという。最近は朱印を集める若い女性「ご朱印ガール」も話題になっていることから、思い付いたのが専用の朱印帳を作るプロジェクトだった。
平山さんによると、すべての朱印を集めるのは至難の業で、週末だけを使ったとして3~5年かかるという。たとえば35番札所の「教弘寺」(生駒市)は住職がおらず、朱印は54番札所の「松尾寺」(大和郡山市)でもらう必要がある。30番札所の「愛染堂」(大和郡山市、廃寺)は公民館に建て変わったが、実は地元の人が本尊を公民館にまつり、朱印と信仰を守っているという。
平山さんは「苦労した分、結願のときには大きな達成感が味わえる。朱印帳は何年もかけて繰り返し奈良を訪れる『パスポート』になる」と期待を込める。
ネットで募集
朱印帳の製作費は、インターネットで出資者を募る「クラウドファンディング」で集めている。締め切りは今月27日、目標金額は90万円だ。3千円で朱印帳、5千円で大和北部八十八ケ所霊場のガイド本が付き、1万5千円以上で大和茶や米などの返礼品がもらえる。20日現在、70万円以上が集まり、目標まであと一歩となった。
締め切りまでに目標金額に達しなければ企画は中止のため、金原さんは「なんとしても成功させ、多くの人に霊場の存在を知ってほしい」としている。
申し込みは「『大和北部八十八ケ所霊場』ご朱印帳を作ろう募集サイト」(https://faavo.jp/nara/project/661)。問い合わせはアール・アイ・シー(電)0742・81・8327。