この度駿河シャクジ能を開催するにあたり、私からもご挨拶をさせて頂きます。
これまで様々な場所でシャクジ能を企画してまいりましたが、今回で10回目という記念すべき催しとなりました。
この節目に大変相応しい能楽師の演者の方々に来て頂く事を実現させることが出来ました。
ここで主な能楽師の演者の皆様を紹介させて頂きます。
まず、土蜘蛛のシテ方(土蜘蛛の精の役)の梅若玄祥氏は、日本の重要無形文化財個人指定保持者(人間国宝)でいらっしゃいます。
百聞は一見にしかず、この方の謡いや所作の切れは未だに衰える所を知らず、観る者の心を魅了します。

その土蜘蛛の相手であるワキ(独武者)宝生欣哉氏はワキ方下掛宝生流を束られるお方で、能楽の物語の進行に欠かせないワキ方として強すぎず弱すぎない存在感でシテを良い意味で2倍3倍と引き立てます。
駿河シャクジ能当日は現代にタイムスリップしてきたかの様な武士が舞台上に現れます。
そして、囃子方の中の小鼓方の大倉源次郎氏。
私の叔父です。
身内になるのですが、ここだけの話、世界一の小鼓方と思っています。
ここでは紹介しきれませんが、他にも能楽界の実力派の演者の皆様にお越し頂ける事になりました。
一般的な能の公演は能楽師がプロデュースし運営していきます。
しかし、シャクジ能は現代を生きる若者が「能」や「いけばな」の魅力を見出だし、いかに後生にこの魅力を伝えていくかと言うことを念頭に活動しております。
そのため、能楽師だけでは実現しない新しい価値を持った能公演が今回実現致します。
シャクジ能の企画設立にあたって華道家である辻雄貴氏と出逢い、いけばな界と能楽界の可能性を追い求めて来ました。
私と辻氏はシャクジ能実行委員会を基盤に、現代の日本人が忘れかけている日本の伝統芸能の本来の力を、生け花と能楽の視点から模索し続け「古くて新しい芸能=シャクジ能」を世界へ発信して行きたいと考えます。
何卒皆様の暖かい御支援を賜りますようお願い申し上げ、ご挨拶とさせて頂きます。
大倉慶乃助