みなさんよりご支援いただきました、アーバンデータチャレンジ静岡キックオフが無事完了しましたので、ご報告いたします。
・開催場所 静岡県沼津市ラクーン3Fたかラボ
・開催日時 2017/9/10 13:00-18:00
【アジェンダ】
1.キックオフ開催の挨拶
2.UDCとオープンデータのご説明
3.パネルディスカッション
4.各団体の活動紹介
5.ミートアップワークショップ
6.懇親会
1.キックオフ開催の挨拶
Code for Numazu 市川博之
主催であるCode for Numazuの代表から挨拶がありました。
今回はクラウドファンディングの支援で開催されている事、
キックオフ開催への思いがあり初めて静岡全体の名前で
アーバンデータチャレンジのキックオフが開催できた事をお話しいただきました。
2.UDCとオープンデータのご説明
UDC事務局 東 修作さん
UDCは地域課題解決型のコンテストであるという説明や、
各自治体の事例、歴代の優勝作品などを紹介してもらいました。
開始当初はアプリ作成に重点を置く参加者が多かったが、
近年はアプリだけでは地域課題解決結びつかない事が多いので
アクティビティ部門を設けることにした。
UDCは長年地域課題解決と言っているので、作品を作るだけではなく
本格的なアウトカムを出していく必要がある。
そのアウトカムにはオープンデータにとどまらずサービスまである程度対応できるシステムであること、
そして官製システムよりは公益ビジネス的なオープンシステムにしていきたい。
また、オープンデータについて
オープンデータというのはオープンガバナンスにする為の
一つのツールにすぎない。
自治体が持っている情報というのは、住民のための情報であり
データが公開されている状態が普通である。
自治体だけにデータを公開するように言ってるよう思われるが、
地域の情報量という点では、自治体>>>町内会>住民 というように自治体が圧倒的に情報を抱えている。
というお言葉をいただきました。
3.パネルディスカッション
パネラー
Code for Numazu 市川希美さん
Code for Gifu 石井哲治さん
UDC事務局 東修作さん
しずおかオープンデータ推進協議会:山下眞澄さん
「イベントを開く上での困りごとは?」
・集客
・オープンデータ、シビックテックなどへの認知不足
・会場の手配
→オープンデータの認知度を上げたり有用性を証明していけばもっと人が来てくれるのではないか?
・市や行政のメリット
…市民とつながることで信頼が身につく
・企業のメリット
…CSRで広報につながる
・個人のメリット
…自分の成長に繋がる、課題意識が持てる
「活動の継続性を保つ上では?」
・みしまセピアキャットでは、様々な年代が関わることで続けることができている
・Code for Gifuは最初2人だと言い合いが多かったが、3人になることでバランスが取れるようになった
・活動を長い年月の目標で見ている為、1度ダメになったから全てが終わるわけではない。
頑張りすぎずいつでも活動できる。
・楽しいや好きという気持ちが原動力だから続けられる!
Q&A
「女性はシビックテックなどの集まり参加しにくい?」
・家族などがいれば参加しにくくない
・知らない人ばかりの中で女性1人は参加しにくい
・自分の課題を持ってくる人が多いので、活動を理解してくれる人に来て欲しい
「地域課題を解決する上で具体的なものがある場合どうしたらいい?」
・行政だと固いので第三者をワンクッション置いた場づくり
・いきなり課題にとりかからず楽しんでいる人から発信する
活動団体によるLT
<Code for Numazu 市川希美さん>
Code for Numazu では4つの活動目標を掲げている。
・オープンガバナンスの推進
自治体へのオープンデータ支援
・シビックプライドの向上
WikipediaTownやマッピングパーティー
・生活しているエリアで考える
広域でのWS
・シビックハッカーの育成
子供向けプログラミング教室
など地域・静岡全体で盛り上がることを考え活動を続けている。
地域に住んでいる人だけを市民と捉えず、貢献住民を増やす。
<OpenStreetMap 掛川 斎藤匡信さん>
OpenStreetMapは自由に使えて皆んなで作る地図。
地図は全ての情報の基盤となるデータ、
掛川ではオープンデータを利用した課題の解決を行い
60代のシニア世代がOSM活動をしている。
とはいえPCを使えないシニアも多いので、そういう方は
写真を撮ってくる係など分業して様々な地図を作っている。
今年会津で行われたState of the MAPでは掛川
OSM勉強会が高く評価された。
自分たちの活動が上手くいっているので、何故上手くいっているのか分析して見たところ
「地域のことは地域の人が」ということと、チームのリーダシップや
分業、興味のあることと地図の結びつきが成功のカギではないかと考えている。
<掛川どこ屋台 深田博さん>
掛川どこ屋台は掛川のお祭り内の、31町の屋台データを公開している。
まちの人からの協力で1976年以降の今昔を比較できる写真を集めてマッピングしている。
広報などに使われたお祭りの写真もオープンデータとして要望を掛川市に出しているが
個人情報問題が発生する為断られている。
屋台の解説などはwikipediaから引用して、音声読み上げもできるようになっている。
今後は外国の方向けにマップや情報を開示していきたい。
<セピアキャット 山下眞澄さん>
セピアキャットは年代別の三島の写真が地図上で閲覧できるWebアプリ。
写真は広報みしまや郷土資料館などから提供してもらっており、白黒の写真は機械学習を使ってカラー化もしている。
写真だけではなく、写真にまつわるストーリーも掲載しており、ストーリーをきっかけに世代間交流が行われたら嬉しい。
オープンデータとしての写真の開示や、年代を超えた取り組み、地域教育のきっかけにもなると考えているので今後は様々なシーンで活用していけるよう考えている。
こうしたチャレンジをきっかけに、シビックプライドを向上させていき、関わる人を増やしたい。
<しずみちinfo 新庄大輔さん>
しずみちinfoは道路情報をリアルタイムAPIにより提供するシステム。
災害時や工事の際の道路規制情報や規制区間などがリアルタイムで確認できる。
使っているリアルタイムデータの災害情報、道路規制情報、アンダーパス冠水水位に
主要道路や事前交通規制区間の情報等がオープンデータとして公開されており、これを掛け合わせている。
今後は誰もが自由に使えるように道路情報だけではない様々なことへの転換を行なっていく。
ニーズのある行政情報をAPIよりもGEOデータで公開していく。
<島田商業高等学校 鈴木滋さん>
商業高校の子供達にプログラミング教育を行なっている。
産学協働のフューチャーセンターも開設し、紹介制ではあるものの地域の人たちと協力して色々なことに取り組んでいる。
カリキュラムとしては、1年生:C、HTML、2年生:Java、3年生:Java、Monacaなどを教わっている。
オープンデータについてを最初に教えようとしても、高校生には理解できない。APIの利用や作る過程を通じてオープンデータの活用や種類を知っていく。
最終的にはグループワークで4人1組でプログラマーやデザイナー、プランナーなどに分かれて作品を作り上げる。
<Code for Gifu 石井哲治さん>
Code for Gifu は産官民の三位一体で行う都市作り。
オープンデータを通じて、開放、活用、社会というサイクルしっかり作った方が良い。
活動目的としては「自分の息子が20歳になった時、このまちに住んでてよかったと思われるようになる」こと。
様々な人に参加してもらえるよう、手芸部や天体観測部など
部門別に分かれて活動などもしている。
頑張りすぎずに、未来のことをみんなで考えよう!
5.ミートアップワークショップ
「パネルディスカッション&LEを聞いて気になった人とのお話タイム」
このワークの目的
:相談事を先に解決する
:まずは相手を知る
:連携できそうなタネを探す
15分×2セットで色んな方とお話していただきました。
「掛け合わせを広げる」
このワークの目的
:今年のUDCで何やるかミートアップしながら考えよう
:続けて検討したいと思う種を探そう
テーマごとのチームに分かれてもらい、テーマに対する課題とステークホルダーを洗い出す。
そこにミートアップならではの強みを取り入れて課題に対する突破口を見つける。
話したいテーマとして以下の4つのチームに分かれました。
<中学生プログラミング教室>
小学生・高校生プログラムは流行っているが、中学生向けがあまりない。
課題:現代っ子がイメージするプログラム=ゲームはかなり高度で、
簡単なプログラム教室では飽きられてしまう
ステークホルダー:親(PTA)、女子高生
突破口:教える側を年齢の近い高校生にする。AIなどの活用。
<デジタルアーカイブ>
課題:地元の人が来てくれる?
ステークホルダー:自治体、シニアクラブなど
突破口:市民活動センターに登録している団体にデジタルアーカイブで
伝えたい思いをヒアリングしてICTで解決
<頑固な自治体をどう攻略していくか>
静岡県東部でオープンデータのCfNが話行けてない地区がある…
課題:CfN、シビックテックの知名度が低い。自治体職員が業務が忙しい。など
ステークホルダー:地元企業、ライバル行政、市民、など
突破口:住民や議員を教育し、一緒に自治体に掛け合ってみる
<伊豆半島をサイクリングの聖地化する>
課題:情報がどこにでているかわからない
ステークホルダー:自転車利用者、観光協会など
突破口:どんなデータが必要かわからないので、ゴールを設定してそこから必要なデータを洗い出す
といった形でワークを行いました。
6.振り返り
グラレコを描いていただいた常葉大学の濱西冴月さんに、グラレコを使って本日の振り返りを行っていただきました。
<終わりに>
これからも、地域の価値を地域で高め合う、このような場を持ち続け、参加者を見える化し、公民で一緒に歩める静岡を広げていきたいと思います!
ご支援、ありがとうございました。